欠落 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062932356

作品紹介・あらすじ

今野 敏、怒濤の長編警察小説。
『同期』待望の続編!
姿を消した二人の同期を探せ。

意外驚愕の展開が待つ! 疾走する長編警察小説。

特殊犯捜査係に異動してきた同期の大石陽子は立てこもり事件の身代わり人質となってしまう。直後に発生した死体遺棄事件を捜査しながらも刑事・宇田川は彼女の安否が気にかかる。難航する二つの事件の捜査。幾つもの"壁"に抗いながら、宇田川は真相にたどりつけるのか!? 『同期』待望の続編。長編警察小説。

感想・レビュー・書評

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  • 同期の女性警察官が人質となる。

    警視庁刑事部捜査一課第五係、宇田川亮太巡査部長32才の活躍の物語です。
    月島署の特捜本部で一緒になった下谷署の土岐達朗が、春の異動で警視庁刑事部第一課特命捜査対策室にやってくる。それと宇田川と初任科同期の大石陽子が捜査第一課特殊犯捜査第一係(SIT)に異動になる。宇田川と陽子と、公安で懲戒免職になった蘇我和彦との三人は、同期の中でも特に気が合ってよく遊んだ仲であった。

    4月30日。世田谷区上野毛四丁目で立てこもり事件が発生し。犯人が人質をとって立てこもった。その人質と交換に女性警察官が人質となった。人質になったのは、陽子であることが分かった宇田川は、心配で仕方がない。
    その翌日。狛江市元和泉三丁目で女性の絞殺遺体が発見されたとの一報を訊いた宇田川たち第五班は、捜査本部のある調布署へ向かう。

    この女性警官を人質にとって逃走した事件と、女性の絞殺遺体の事件が、両方共中国のスパイが絡んでいる。このために捜査本部は、公安に引きずられて捜査らしきものをさせられる。そして刑事と公安が対立しながら最後には協力して事件を解決する。

    【読後】
    今野敏の「同期」の続編です。前回は、宇田川と蘇我の活躍の物語でしたが。今回は、陽子もいれて同期の三人が絡んだ事件に発展します。宇田川の熱血ぶりと、対照的に茫洋とした蘇我の組み合わせが面白く、そして陽子を心配する宇田川と、公安マンとして事件の全体像を知っている蘇我の陽子にたいする思いが伺えます。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    欠落 ー 同期シリーズの2作目《文庫本》
    2015.11発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    2022.10.15~17読了。★★★☆☆
    ブックオフで2022.10.09に購入110円
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    《同期シリーズ一覧》
    2.欠落 2作目 2022.10.17読了
    1.同期 1作目 2022.10.14読了

  • ボンこと宇田川刑事を主人公とする同期シリーズの第2弾。立て籠り事件が起こるのをSIT(特殊班)が対応する一方、捜査一課殺人科の宇田川たちは都内で起こった殺人事件を追っていた。そこへ、立て籠もり事件の人質の代わりに宇田川の同期の女性刑事大石が犯人の人質になる。心配する宇田川は情報を得ようとするが、そこへ元公安の蘇我から電話が入る。まあ、小説なので当然、立て籠もり事件と殺人事件は関連があるのだが、真相は…。やれやれ、何だか読者を虚仮にしたような展開になる。事件を解決していく面白さがちっともない。今野敏は当たり外れがあるなあ。

  • 「同期シリーズの第2弾。
    捜査一課の宇田川は同期の蘇我は懲戒免職になったが
    、公安の仕事をしているのではないかと思っている。
    今回はもう一人仲の良かった同期の大石という女性が加わる。
    彼女はSITに選ばれていた。
    そして起こった人質立て籠り事件と死体遺棄事件。
    大石は立て籠り事件に、宇田川は死体遺棄事件にと駆り出されるが、大石は人質と引き換えになり、消息がわからなくなる。
    宇田川のいる捜査本部も難航と混乱、疑惑が渦巻いてくる。
    まっすぐな宇田川と蘇我の関係に、前回と同様に好感が持てる。

    2024.3.20

  • 「同期」に続いて同期の話だけど、刑事と公安の凌ぎ合い?のお話だったようだ。

    公安のミッションを優秀な?一部の刑事の協力を仰ぐなんてことはあるのかな?その後の口止め云々はどうなるのかな?…色々と突っ込みたくなるけど、そんな事は問題にならないくらい、今野敏さんの小説は好きだ。

    細かい事は気にしない。次の「変幻」も楽しみ。

  • 同期シリーズ第二弾。同期の女性警察官が人質になった。死体遺棄事件の捜査にあたりながら、同期が気になる宇田川。しかし二つの事案が実は繋がっていて、それを知るのが同期の蘇我。公安がらみの話が進む。ラストはスッキリだが、現実にこんなことってあるのだろうか?

  • 今野敏『欠落』講談社文庫。

    警察小説『同期』の続編。途中、驚きの展開もあったものの、無難な結末だった。

    特殊犯捜査係に異動してきた宇田川の同期の大石陽子は立て籠り事件の身代わり人質となり、犯人と共に姿を消す。直後に発生した死体遺棄事件は連続殺人事件の様相を呈し、捜査にあたる宇田川らは二つの事件の関連性を見出だすのだが……

    描かれる現実味の無い事件にリアリティが感じられず、面白さが半減したように思う。

  • 住宅街で発生した立てこもり事件と身元不明で遺体が見つかった殺人事件とが、あんなカラクリで関連しているとは意外な展開でしたが、前作より事の件の構造はわかりやすく、楽しむことができました。ボンこと主人公宇田川の推理にもますます磨きがかかり、その存在感は増すばかり。新しい同期である大石も加わり、蘇我を含めた”同期”のつながりパワーアップということろでしょうか。

    蘇我による潜入捜査が関わっている事案だけに、その真相がなかなかみえない展開で、読み手としても謎が深まるばかりしたが、それゆえ事件の全貌が明らかになった後は怒涛の展開に。最後の浅草の旅館でのシーンはちょっとした緊迫感があり一気読みしてしまいました。

  • 同期に続き、あっという間に読み終えた。
    今野敏さんの隠蔽捜査シリーズが大好きで、他のシリーズにも手を出したが、圧倒的なスピード感と爽快感は、同期シリーズにも現れていた。
    次作の変幻でシリーズ完結と見た気がするが、読む前からシリーズ完結しないで欲しいのは私だけか?

  • 面白いのだが、終盤の展開が一気に現実離れして警察小説としてはリアリティーが乏しかった

    中国の国家安全部の殺しやが丸腰の警官6人をやり損なうなんてことありえないんだよな。そこらへんが何とも...

  • 「同期」シリーズ二作目。新レギュラーとしてSITの大石陽子が参加。SIT担当の立てこもり事件と捜一担当の連続死体遺棄事件が徐々に繋がる展開だが、前作に比べると粗が目立ってしまい物足りなかった。とりわけ宇田川班が別動隊に任命されてからの展開はファンタジー色が強すぎてどうにものめり込めなかった。物語の構成自体も前作と大差なく、新参加の大石をはじめレギュラー陣の見せ場も殆どないまま、さらりと完結。決してつまらないわけではないが、期待値が高すぎた故に不完全燃焼感が残る。次作で完結巻「変幻」での挽回劇を期待したい。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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