虚構推理 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 582
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062932400

作品紹介・あらすじ

 深夜、鉄骨を振るい人を襲う亡霊「鋼人七瀬」。それは単なる都市伝説か、本物の亡霊か? 怪異たちに知恵を与える巫女となった美少女、岩永琴子が立ち向かう。人の想像力が生んだ恐るべき妖怪を退治するため琴子が仕掛けたのは、虚構をもって虚構を制する荒業。琴子の空前絶後な推理は果たして成功するか?

終始ゾクゾクしっぱなし……息もつかせぬ物語とはまさにこのことだと思います。意外な展開、予想外な事実、桁外れな人物、奇妙な現実、異様な虚構、奇想天外な“戦い”――。絶妙に狙い澄まして放たれる数々の“驚き”の奔流に溺れそうになりました。
―作家・平坂読(『僕は友達が少ない』)

「本格」の今後が有する可能性を大きく押しひろげた一作。(作家・氷川透)
ただただ作者の才能に嫉妬するばかり。(作家・黒田研二)
おおおお前を倒すのはこの俺だ!(作家・汀こるもの)
内奥に錨を下ろした論理、奇矯でありながらつらぬかれたロジック。破格のミステリ。(作家・辻真先)
辻褄の合った論理こそ、時には真実から最も遠ざかるものではないか。(書評家・千街晶之)
驚きを通り越して爽やかな敗北感さえ抱かされた。(作家・太田忠司)
「真相」の意味について刺激的な考察を展開。(作家・大山誠一郎)
「本格ミステリのロジック」の持つ魅力と危うさを純粋培養したような小説。(作家・光原百合)

〔コミカライズ版も人気沸騰中!〕

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!
    ミステリといえば、事件が発生したとき、そこにある虚構を排除し、真実を探り出す物語だと言える。
    しかし、本作は違う。真実が予め提示され、それを虚構にするためにどうすればよいのかを推理する。言ってしまえば、普通のミステリとは真逆の工程を辿ることになるのだ。
    そのため、読者が推理するのは真実のための解答ではなく、虚構とするための解答なのだ。
    こういうミステリも存在するのか。
    ある意味、特殊設定ミステリとも言えるかもしれない。

  • 真実よりも真実らしい虚構を人々に信じさせるために主人公が画策する話。設定を受け入れられればすごく面白かった。紗季さんと同じ視点でみてしまうなぁ。そこをそうまとめるのか!って。

  • アニメが面白かったので読んでみた。
    アニメ見てからだとイメージが湧くのでいいね。虚構推理の部分はめくるめくな感じで過ぎていくけど、やっと文字で理解できたかな。
    岩永と九郎のコンビほんとに好き。

  • 怪異の存在を前提とした上で、発生源となる都市伝説の改変を「合理的な論理展開をでっちあげてネット掲示板を納得させること」で図る……まとめてみるとすごい奇想だ。

    ただまあどうしても説明シーンが長くなるわけで、そこをなんとかするために彼氏が時間稼ぎで戦闘…というアクション要素が入っているが、やっぱり後半はやや単調なイメージは受ける。畳みかけられる”推理”も小説の設定そのものから受けた驚きよりは「まあそうなるよね」という印象だった。

  • 例え虚構でも名前が付けられて人口に膾炙すれば実体を伴って、ときに怪異になる。そんな経緯で作られた想像力の化け物『鋼人七瀬』を、虚構によって打ち倒さんとする物語。怪異の黒幕をロジカルに追い詰め大衆の評価をひっくり返していく展開が再読ながら手に汗握るなぁ。岩永と九郎の設定も実に個性的で、本当に恋人同士なのか疑わしいくらいのやり取りも楽しいし、やっぱりこのシリーズは面白い。

  • なるほどタイトルの意味が分かる。
    こちらアニメやってたときに気になって
    あえての原作小説買いましたが積読してました。
    小説であまり怪奇物は読まないですが、
    トンデモ設定でワクワクしてたら
    後半というか推理パートはガチガチのロジック戦心理戦でした!
    虚構で全てを作り上げる、
    嘘だらけの推理というかでっち上げは新鮮だったなぁ。

  • ネット社会の恐怖を分かりやすい形で示してくれていました。真実よりも信じたいことを信じる、とは今のネット発端の社会の混乱そのものです。その中で妖怪やら怪異やらと独特の世界観が受け入れられれば、楽しめる作品です。

  • 現代のネットに渦巻く人間の意識が創り出す怪物。
    発想が面白いし、そのくせ時代錯誤な妖怪達の登場する世界でもある。
    その解決方法も奇想天外で楽しめた。
    にもかかわらず、一気に読めずダラダラとしてしまったのは登場人物達がイマイチ感情移入出来ない人達だったからなのか???

  • 180413読了。
    今年25冊目今月5冊目。
    怪異をという虚構を虚構で消滅させる。
    参考文献が読んだことある本が多くて、
    妖怪好きとしては楽しめた。

  • 「雨の日も神様と相撲を」がよかったので本作も読んでみた。皆が信じることによって本物になってしまった都市伝説を、嘘であると信じさせるに足る推理を並べ終息させる。(この推理も嘘だけど…。)妖怪や幽霊に頼られる少女と恐れられる青年がペア。何かと設定が奇抜で面白かった!

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著者プロフィール

【城平京(しろだいら・きょう)】
奈良県出身。代表作に漫画原作『絶園のテンペスト』『スパイラル~推理の絆~』、小説『虚構推理 』『名探偵に薔薇を』『雨の日も神様と相撲を』など。

「2021年 『虚構推理(15)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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