レイク・クローバー(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062932455

作品紹介・あらすじ

驚くほどの出血、無数の穴が空いた歯茎、ミイラ状の全身。感染者は死に際、周囲に襲いかかる。米CDCから派遣された寄生虫セクション研究者の鷲尾は、現地で文明とは無縁の穏やかな暮らしを送る回遊民に出会った。彼らはなぜ発症しないのか? 探査サイトに残された男たちを救う手だては見つかるのか?

感想・レビュー・書評

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  • 【感想】
    うーん
    まず、上下巻に分けなければいけないほど、内容そのものに厚さはなかったかな・・・笑
    上巻と同じく、構成はしっかりしているんだろうなと読んでいて感じつつも、文章がゴチャっとしすぎていて、詳細は殆ど伝わらなかった。
    正直不要な文章が多いように感じたのでスっ飛ばして読んでいたら、いつのまにか終着していた、そんな本でした。笑
    勿論、筆者である楡周平の熱意を感じる作品ではあったが、如何せん読み手である僕との温度差がありすぎたかな。。。

    ちなみに読み終わって2日後にこの感想文を書いておるのですが、全く面白くないわけではないにしろ、本当に読後に何も感触が残らない作品だったかと思います。

    楡周平は作品のアタリハズレが極端だねぇ・・・・


    【あらすじ】
    驚くほどの出血、無数の穴が空いた歯茎、ミイラ状の全身。
    感染者は死に際、周囲に襲いかかる。米CDCから派遣された寄生虫セクション研究者の鷲尾は、現地で文明とは無縁の穏やかな暮らしを送る回遊民に出会った。
    彼らはなぜ発症しないのか?探査サイトに残された男たちを救う手だては見つかるのか?



    【メモ】
    レイク・クローバー 下



    p132
    「ミャンマーは貧しい国です。マタンは中でも特に貧しい。金銭的にはね。
    あなたがたにとっては当たり前の薬でも、島で入手するのは困難でしょうし、あったにしても買うお金などないんです。
    でもね、私たちはそれを不幸だとは思わないんです。なぜだか分かりますか?」
    ネ・シュエは問いかけてきた。佑二はシーハンと顔を見合わせた。

    「外の世界を知らないからです。この生活が当たり前と考えているからです」
    ネ・シュエは至極当然のように言った。
    「生活に必要なものの全てはこの湖が与えてくれる。収穫は皆で分け合い、喜びも悲しみも部族全員で分かち合う。生まれながら欲から解放された生活を送っているんです。
    あなた方のように近代文明の中にどっぷり浸かり、より快適な生活を望み、競争に明け暮れる社会に暮らす人たちには原始的な生活に思えるでしょうが、無知というのも満更悪いものではないのですよ。」


    p159
    「この地を侵した人間は、必ずや湖の報いを受ける。
    地獄の苦しみと恐怖を味わいながら命を奪われ、決して生きてこの地を出る事はできない」

  • 米国原潜の中でも感染が起こる。ソナー員のエリオット、感染して隔離されて、周りで感染者が死んでいって、かわいそうすぎる。まさか副大統領がこんな結果になるとは。

  • 面白かった
    生肉、刺身が食べれなくなってしまう物語(笑)

    ウイルスでもなく細菌でもなく、なんと寄生虫をベースとしたバイオサスペンスといったところです。

    下巻ではいよいよ感染の謎解きが深まると同時に、その地域で、極秘の任務にあたっていた原子力潜水艦内でも同様に発症してしまいます。
    ガス調査サイトよりもさらに閉塞された潜水艦内での発症に加え、他国との一触即発の状態で、どうなるどうなる?って煽られます。
    現地人が感染しない秘密が明らかになる一方で、潜水艦内の状態は悲惨を極めていきます。
    そして最後は?っという展開でした。

    これを読むと、湖とか沼とかに入りたくなくなります。
    TVでお笑い芸人が外国の沼地に嵌っているシーンがありますが、ちょっと怖くなります。

    また、虫がらみパニック小説では安生正の「生存者ゼロ」を思い出します。
    あれも、ちょっと気持ち悪かった。もう、虫がらみはいいや

    パンデミック系、パニック系が好きな人は読んでください。
    しかし、気持ち悪さがあるので、あんまりお勧めできません(笑)

  • 下巻。人間を死に至らしめる未知の寄生虫の正体を突き止める鷲尾佑二だったが、極秘任務を帯びた米国海軍の原子力潜水艦内でも、同じ寄生虫による変死が連鎖していく。

    もっとハードな物語を期待したが、あっさりとした結末。未知の寄生虫、ミャンマーのマタン族、米国コングロマリット、米国海軍の原子力潜水艦と散りばめられた興味深いパズルのピースが今ひとつ噛み合わないままに結末を迎えたように感じる。

  • んー。
    オチが気に入らない。楡周平ならもっと上手くオチをつけられると思った。それなりに話としてはまとまっているが、もう少しリアリティをもたせて欲しかったし、オチも読めてしまった。

    こういった話は楡周平には求めていない。
    残念。
    あと、伏線が回収出来てないところもあった。

  • 201512/上下巻まとめて。さすがジャンル問わず一気読み必至の楡作品、面白かった!多少都合いい展開があるものの、そこが気にならないぐらいのハラハラ感とわかりやすい人物像で楽しめた。

  • 驚くほどの出血、無数の穴が空いた歯茎、ミイラ状の全身。感染者は死に際、周囲に襲いかかる。米CDCから派遣された寄生虫セクション研究者の鷲尾は、現地で文明とは無縁の穏やかな暮らしを送る回遊民に出会った。彼らはなぜ発症しないのか? 探査サイトに残された男たちを救う手だては見つかるのか?

  • (上下巻合わせてのレビューです。)

    ちょっと疲れていたので、本棚に残っていた気軽に読める小説をチョイス。

    今夏のテーマは、寄生虫。
    ミャンマーの未開の地に生息する寄生虫に人がどんどん感染していくというバイオサスペンス的な話。
    それに楡さんらしく、お得意の国際情勢や諜報活動の味付けを加えています。

    ちょうど今、コロナウイルスが流行していて、
    ウイルスと寄生虫で異なるとはいえ、
    パンデミックの恐ろしさを感じながら読み進めることができました。

    さらに自分が1か月間生活していたミャンマーにこんな場所があったなんて衝撃。。
    (自分はほとんどの時間をヤンゴン(つまり、都会)にいたというのもありますが。。)

    感染者がゾンビのように噛みつく症状が出たり、
    かなりSF的な話の展開ですが、
    さすがの楡さんらしく科学的要素もきちんと取り入れて、
    話に現実味を帯びさせる工夫をしてくれています。
    この小説を読んで、バイオハザードを思い出した。
    バイオハザード的な話が好きな人には、打ってつけの小説かも!?

  • 終わり方も映画みたいな感じだった。。なんとなく締まらない感じもあるけど、現実感との兼ね合いを考えると、よくまとまったように思えました。エンタメ。

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著者プロフィール

1957年生まれ。米国系企業に勤務中の96年、30万部を超えるベストセラーになった『Cの福音』で衝撃のデビューを飾る。翌年から作家業に専念、日本の地方創生の在り方を描き、政財界に多大な影響を及ぼした『プラチナタウン』をはじめ、経済小説、法廷ミステリーなど、綿密な取材に基づく作品で読者を魅了し続ける。著書に『介護退職』『国士』『和僑』『食王』(以上、祥伝社刊)他多数。

「2023年 『日本ゲートウェイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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