東京ドーン (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062932677

作品紹介・あらすじ

仕事はある、恋人もいる。でも、物足りない。同じ報われない時代を生きているのに、隣のアイツらは満ちて見える。どうして僕だけ、うまくいかない――。そのむなしさを、カッコ悪さを、自分のせいだと認められるか? 就職、結婚、再会、嫉妬、劣等感。東京に生きる6人の男女の転換点を鋭く描く連作短編集。あがけ若者、あがけ私。ひれ伏せ時代!

感想・レビュー・書評

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  • こういう時代あったな、と。
    読後感良いものもあれば、で?なものもあったが、若かった頃が懐かしくなった。
    もう今はあの頃のように全てに一生懸命になれる気力も体力もないが。

  • 最初はあまり読後感の良くない連鎖短編だなーと思いつつ、いや逆にこういう状況のほうがリアリティあるなとヒリヒリした気持ちで最後まで読んだ。
    ラストはタイトル通り。
    ピタッとピースがはまった感じ。
    やっぱり早見作品好きだなー。

  • なんとなく、誰にでもある何処にでもある、青春という名の花火なのかなと…

  • 今まさにこの年代の私にとって、本当に身近な悩みが詰まった一冊でした。周りがどんどん人生の新しいステージに進んでしまうから、何も変われていない自分にすごく焦ってしまうし、置いてきぼりで寂しい気持ちになる。変わりたい!恋がしたい!結婚したい!この本を読んで、その気持ちに拍車がかかりました。

  • 27歳という共通点を持つ6人の男女にまつわる連作小説。読み進むにつれ、個々の登場人物につながりがあることがわかってくるのが面白い。比較的齢が近い者として、27歳の等身大の悩みというか痛みが伝わってきた。しかし、読後感が悪くない。

  • もやもやの残る登場人物も何人かいたけど、一歳違いで潔く散る、あるいは方向転換出来る各人が眩しくも見える。男より女がやはり強い、という印象。

  • 恋愛、結婚、仕事、就職。現状に充実感はなく、将来には不安しか感じない。果たして自分が進んでいる道は正しいのか。悩める若者のあがきを鋭く描く連作短編集。
    登場人物は27歳の男女たちだが、大人になっても歩んでいる道が正しいのかわからないのが人生だ。ストーリーの中の言葉にもあるとおり、何が正解なのか何が正義なのかはわからない。必要なのは覚悟だけである。そして、自分の人生の主役は誰がなんと言おうと自分である。

  • 感想としては自分も通り過ぎて来たであろう似たような感情が描写されていたのか、読んでいて既視感に近いものを感じました。若者がもやもやした濁った現実(このもやもや感の描写が見事!)に対して足掻く、すっきりとした解決ではないのだけれど、読めばとりあえず1歩を踏み出せる小説なのでは。

    内容が良いだけにタイトルでかなり損をしているように感じるので「タイトルで損をしているもったいない小説」があったら上位に入るのでは?

  • 仕事はある、恋人もいる。でも足りない。同じ報われない時代を生きているのに、ヤツらは満ちて見える。どうして僕だけーー。そのむなしさを、カッコ悪さを、自分のせいだと認められるか? 就職、結婚、再会、嫉妬、劣等感。東京に生きる男女の転換点を鋭く描く短編集。あがけ若者、あがけ私。ひれ伏せ時代!

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著者プロフィール

1977年神奈川県生まれ。2016~2022年に愛媛県松山市で執筆活動に取り組む。現在は東京都在住。2008年に『ひゃくはち』でデビュー。2015年に『イノセント・デイズ』で第68回日本推理作家協会賞、2019年に『ザ・ロイヤルファミリー』で山本周五郎賞とJRA馬事文化賞を受賞。その他の著作に『95』『あの夏の正解』『店長がバカすぎて』『八月の母』などがある。

「2023年 『かなしきデブ猫ちゃん兵庫編  マルのはじまりの鐘』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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