- 講談社 (2015年11月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784062932899
作品紹介・あらすじ
全国で生き返る「復生者」たち。その集会に参加した徹生は、自らの死についての衝撃的な真相を知る。すべての謎が解き明かされ、ようやく家族に訪れた幸福。しかし、彼にはやり残したことがあった……。生と死の狭間で「自分とは何か?」という根源的な問いを追究し、「分人」という思想が結実する感動長編。
妻に「あなたは自殺したの」と告げられた会社員の心の軌跡をたどる旅は、「あの時、何が起きたのか?」という謎の核心へと迫っていく。現代人の孤独を超克する希望の物語。「分人」という思想の到達点!
<内容紹介>
全国で生き返る「復生者」たち。その集会に参加した徹生は、自らの死についての衝撃的な真相を知る。すべての謎が解き明かされ、ようやく家族に訪れた幸福。しかし、彼にはやり残したことがあった……。生と死の狭間で「自分とは何か?」という根源的な問いを追究し、「分人」という思想が結実する感動長編。
読者から大反響の話題作! 深い感動の声が続々!
「満たされ、渦巻き、今溢れ出している」
「心が救われた」
「涙が止まりません」
「目からうろこ」
「この本に出逢えて良かった」
「本を読んで初めて泣いた」
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
生と死の狭間をテーマにした物語は、主人公が自らの死の真相に迫る過程を描き、読者に深い感動を与えます。復生者たちの集会を通じて、主人公は「自分とは何か?」という根源的な問いに向き合い、哲学的かつ心理的な...
感想・レビュー・書評
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オーディブルで上下巻とも一気に聴いたが、それなりに面白い小説である。一度死んだ人が3年後に再び生を取り戻すという設定なのであるが、なぜ自分が死んだのかわからずに、殺されたに違いないと思っている段階までの方が面白かった。自殺したことがわかってからは、再び別れなければならないという心情をうまく描いているのだが、情緒より推理に重きを置いてしまう私は少し盛り上がりにかけると思ってしまった。
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衝撃的なストーリー
哲学的であり、心理学的であり
その都度納得の内容にため息が出る
ゴッホの絵の繋がりもたっぷり盛り込まれている
ただ、切ない
分人という考えにも納得ではあるが
すべてひっくるめてのその人で
自分でも考えれば
何個の分人を抱えているか数えきれない
なんともせつない
生き返った意味があったから
生き返ってやることがあったから
生き返ってきたのだろうか
そうでなければ
危険人物も蘇ってしまうわけで‥
閻魔様の悪戯なのか
だとしてもせつない
璃久ちゃんのどんぶらっこは
はたして父を運んできたのか
これからの父への暗示なのか?
今もどこかでこんなことが
おこっているのではないかと
思わずにはいられない
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印象的な表紙のゴッホ。
なぜゴッホなのかと思っていたんだ。
「私とは何か」で、平野さんが仰っていた自殺と自傷行為、分人についての考え方が、物語とともに、主人公の心の動きとともに、しっかりと収束していく。
ゴッホの絵が、鍵となる。
分人が、そこで大きく展開する。
物語は、そこでピークを迎える。
ラストに向けて、主人公は再度、自分の存在を揺るがされる。
けれど、そこでは物語の大きな動きというよりも、登場人物の心の動きの方に焦点が当てられている。
だから少し肩透かしを食らうが、終わり方としては、すごく美しかったように思う。見知らぬ土地で、眠れずに朝方に近い深夜に眠りにつき、朝焼けで目がさめる。その朝焼けの美しさに照らされているような、そんな美しさがあった。
上下巻という、わたしには少し長かった印象だ。
それはすでに「私とは何か」を読んで分人という概念を身近に感じているからだろう。この分人という概念を分かりやすく説明しながら物語を展開していくとなると、この重量感は仕方ないのか…いずれにせよ、「私とは何か」をすでに読み終えている人にとっては、中弛みと物足りなさを感じてしまうだろう。
「空白を満たす」ことには、主人公が生きる上での「幸福」が深く関わっていて、物語の中で主人公はそれを探り、向き合っていく。仮に自分が自殺して、生き返ったとして、その時にわたしは「空白を満たす」ことができるのだろうか。主人公のように向き合い、自分なりの答えを出すことができるのだろうか。
奇しくも、別の作品を通して自分の「幸福」について深く考えている今、わたしはどんな結論でもって「空白を満たす」のだろう。やり残したことをする?それとも、今目の前にいる人たちに改めて感謝をする?新しいことを始める?もし自分が自殺をしたとしたら、いったいわたしは何に追い詰められていて、何に幸福を感じるのだろう。もしかしたら、ただ生きている、それだけで幸せと感じるのかもしれない。どんなに苦しいことがあったとしても。
昨晩起きた、大きな大きな地震。
あの地震によって「生きていること」を揺さぶられた人だってたくさんいたはずだ。そして実感する。「生きている」ということを。そして、その瞬間、「生きている」以外のことがどうでもよくなる。
世の中は感染症に支配されながらも、次の日に控えているバレンタインに浮かれていた。あの地震は、そんな人間の浮ついた心に、釘を刺すような一撃だった。自然現象だ。わかってる。でもどこか、自分の罪悪感が揺さぶられ、罰のように感じてしまう自分がいる。この罪悪感が強くなる時、死を身近に感じる。自らを罰しようとする。でも例えば、大切な人を失った悲しみが復讐心となり、誰かに報復してもその大切な人は戻ってこないように、湧き上がってくる罪悪感に、罰として自分を傷つけたところで、何も解決しない。生きていることは苦しくて幸せ。相反するこの矛盾を抱え、昇華していくことが、生きるってことなのかもしれない。その作業こそが、空白を満たす作業なのかもしれない。-
2021/02/23
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「私とは何か」をまだ読んでいないのだが、本書を読んで「分人」という考え方はよくわかった。人の多面性を整理する考え方と理解した。
メタバースによる「もう一つの世界」が誕生しつつある現代社会ではますます重要になっていく考え方だな、と思った。
下巻で物語のほとんどの空白は満たされる。
ただし、読者に委ねられている部分も多い。
たとえば、復生者の生の意味は何だったのか?
現時点では僕はまだ理解ができていない。
でも、ひとつ言えるのは、
徹生は徹底的に生きることができたな…と。-
naonaoさん
こんにちは!
確かに、統合された「個人」にこだわるよりも、「分人」の集合体が自分なのだ、と考える方が実際的で道理に合って...naonaoさん
こんにちは!
確かに、統合された「個人」にこだわるよりも、「分人」の集合体が自分なのだ、と考える方が実際的で道理に合っていると思います。
なぜなら、人は必ず多面性を持つものだから。
一つの統合した人格を生きようとすると、頭がおかしくなってしまう、と思います。
分人の行動一つで、自分の全てを否定する必要はないですよね。
自分が愛せない分人がいるのは仕方がない。だって、自分は社会的存在である以上、社会の鏡のようなものなのだから。
愛せない分人にこだわるより、自分が愛せる分人を増やせればいいな、と思います。2022/07/25 -
たけさん
お疲れ様です~
多分ですけど、ネットとかで悪口とか罵詈雑言吐きまくってる人もその一部、そういう分人がそこに現われてるだけで、個...たけさん
お疲れ様です~
多分ですけど、ネットとかで悪口とか罵詈雑言吐きまくってる人もその一部、そういう分人がそこに現われてるだけで、個人の醜態ではないと思うんですよね。でもされた側は個人にされたと思ってしまう。ネットは例えですけど、こういうのっていろんなところで起きてますよね。
いろんな自分がいて、結局どの自分が好きなのよ!と思ってましたが最近前より分かってくるようになりました(遅)
愛せない分人、いますよね…
結構それに罪悪感ありましたが、愛せる分人の存在を自分で確かに感じられることの強さを感じています。2022/07/26 -
naonaoさん
ネットの例え、よくわかります。
その人個人とその人(分人)の行為とを分けて評価する必要がありますね。
言われてみるとそう...naonaoさん
ネットの例え、よくわかります。
その人個人とその人(分人)の行為とを分けて評価する必要がありますね。
言われてみるとそうですねー。妙に納得。
結局、人生何事も相対的なものなので、愛せる分人が増えれば増えるほど、愛せない分人の存在が許せるようになるんでしょうね。
好きな音楽を聴いたり読書をすると愛せる分人が増える気がします。2022/07/27
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人にはいくつかの分人が存在する。
家族や友達、同僚、上司と。
それぞれと接する時の自分はテンションや気の使い方も異なっていていろんな自分がそのにいる。
どれが本当の自分なのか。
幸せであっても疲労は溜まるし嫌いな自分は消したくなる。
この装丁はなぜゴッホなんだろうという謎も納得。
ゴッホのいろんな顔と自殺の真実が物語と結びついて後半はかなり面白くなってきました。
そして、終わり方に鳥肌、、。
りっくんを抱きしめる直前に消えちゃったってこと、、?
彼の悔いが残った空白が満たされたから消滅したのかな。
2回も大切な人がいなくなるなんて耐えられないけど、これを読みきって生の尊さが身に染みました。
死んだものは蘇らないから生は尊い。
今を大事に噛み締めた生きなければ。
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人の死について考えさせられる作品でした。
大切な人に先立たれ、この世に置いてかれた人たちは、その、ぽっかりと空いた「空白」をその大切な人との記憶や記録などで満たそうとする。
それは故人を、ある意味「理想化」することでもあり、はたして正しかったとは限らない。
しかし、そうでもしないと「空白」を満たせずに壊れてしまうから。
「分人」という考え方に納得しました。
(「分人」とは他人と関わっている自分の部分的一面のようなこと。)
自分もこれに思い当たる節があり、裏表を使い分けているってよりかは、あの人といると自然とこういう態度をとるなぁってことがありました。
完璧主義な自分でもあるので、自己否定して嫌になるときには、その「分人」を見守るような人になりたい。 -
起承転結が明白なスリリングなお話ではなく、もっと哲学的な内容だった。作者の平野さんは、「主人公の自殺」という極端な例を用いて、「分人主義」という思想を提唱している。
分人主義とは、個人主義とは違い、対人ごと、環境ごとにいろいろな自分になり、鎧をかぶった「本当の自分」を認めないという考え方だそう。
作者の平野さんがこの分人主義を使って願っていることは意外とシンプルで、ただ生きてほしい、己の人生を全うしてほしい、それだけじゃないかなと思う。
物語だからこの主人公は空白を満たすために戻ってきた。でもこれは物語だから。現実世界に生きて、今どこかで思い悩んでいる人にもしもがあれば、もう二度と空白は満たせない。
平野さんの願いが詰まったこの本が、今どこかで思い悩んでいる人に届いてほしいと思う。 -
【生と死】を考える本に出会った。
若い人達に読んでもらいたいな。
何か人生に疲れて終わらせたい時あるけど
長生きはするもんだな。
どんな自分に出会えるか分からないから。
分人という教えは自分のモヤモヤが解されて透き通った感じ。
大好きなゴッホの表紙も何でなのか下巻で分かった。 -
すごく面白い小説でした。
前半と後半が別の話のような展開ですが、最初から最後まで展開が多くて一気に読み進められました。
「死」とは何か?
「肉体的に無くなること」「人の記憶や様々な記録から無くなること」など、色々と定義されますが本の中でも登場人物が様々な解釈をしています。解釈は人それぞれで答えなんて無いのかもしれないですね。
主人公ほど若い頃ではないものの、私も父親を亡くしています。大切な人が死ぬことで悲しみ苦しみますが、それを最初に癒して慰めてくれるのは作品でも言及がある通り「ある程度の時間」でした。そして、いつまでも悲しんでいられずに、大切な人の死を受け入れて普段通りに仕事をしなければならない。強引に戻した日常に揉まれて、少しずつ大切な存在が薄れていく。
残酷な現実の中で働いて生活していかなければならならい、感情のコップに水が溢れそうなときに大切な人の死を思い出すと水が溢れてしまいます。
上手く言えないけれど、思い出すタイミングは残された人が決めて良いのだと思います。何かに迷ったときは「あの人ならどうするか?」、少し心細いときは「あの人なら何て言葉をかけてくれるか?」、生きている日常で感情がいっぱいいっぱいのときは思い出すトリガーとなりそうなものから少し距離をおいておく事も大事なのかもしれないです。
そうやって死者との距離感が上手くなっていくことで、人はやっと大切な人の悲しみや苦しみを乗り越えられるのだと思います。 -
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分人主義という、著者の主張がメインの話になっていた。哲学や宗教的な要素が強め。ユングのペルソナに近いような、似て非なるもののような。一方、物語としても面白かった。
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この作品は自殺防止の意味も込めて書かれたのかなって思った。死んでまた生き返ってその時初めて自分のしたことに対する後悔と周りへの影響が身に沁みてわかるのだと思う。(実際、生き返れないから無理な話ではあるが)
でも徹生もそうだったように、自殺する明確な理由ってきっとなくて一時の心の迷いなんだろうな… -
分人という言葉は初めて知りました。
接する人や関係性によって、全く異なる自分がいることはとてもよくわかります。
人によってその差は違うだろうけど、私自身は職場、家族、友人など人によって全く違う性格の自分が存在する実感があるので、どれも自分であることに変わりない“分人”という言葉は腑に落ちたし、心が楽になりました。
後半は切なく読むのが辛かったけど、最後のシーンがとてもよかったです。 -
平野啓一郎はジャンルがないと言われるけれど、私にとってはやっぱり平野作品にしかない特徴があると思う。文体の滑らかさも含めて。
出てくる人物の思考が、紡がれる描写の端々から伺えて、人格を持った存在として認識させられる。当たり前だけれど、悪人や善人で人を切り分けない。だからなのか、物語が終わると置いてけぼりにさせられた気持ちになる。あまりにも人々がリアルすぎて、この人たちのその後の人生があることを前提のように捉えてしまって、私にはもうその人生を垣間見させてくれる権利が無くなったような。そんな心持ちになる。
分人思考というが作家の思想に深くあるのだと思うけれど、そこが本作品に組み込まれたことで、それゆえに物語の輪郭がぼやけてしまった?追えなくなった部分が発生した。
それでも読んで良かったと心から思う作品。 -
泣いてしまったーーー。わかっとったのに泣いてしまった。小説というより平野さんの頭の中の核の部分を覗かせてもらったような本だった。
平野さんの今の考える中での『死』との向き合い方がこの形なんだと思った。また20年30年たったとしてこの考えなのか、もっと別の感じ方になってるかもしれない。
しかし現時点でここまで『死』『生』について私と平野さんに対しての分人を生まれさせてくれたことは本当に大きい。個人的なかかわりはないとしても、『死』について考えた時私の考えと平野さんの考えが永遠に対話していくのだと思った。
人に誇れる本物の幸福とは疲労で手に入れた物
疲労は結婚式のビールのようなもの
嫌な自分がみえたときは、自分の中の分人同士で
その分人を見守る。自分は1人だけではない。
1番幸福なことを自分なりに考えてみた
魚釣りなんじゃないかなって。人間は対人関係で悩みを生む。その中で魚釣りは大物を達成感、食べて美味しい食欲も満たす、1人でも楽しめる、一人で性欲を満たすことも重要かもしれない、それか自然を相手にすること、登山、ゲーム、読書、手芸
1人でも完結できるそのことに人をかかわらせない唯一の楽しみというものの存在を知っていれば
人生の中に疲労のない幸福を感じるとこができるのかもしれない、んーーやっぱり冬の露天風呂もはずせないなー笑考えただけでこれがやっぱり1番かな〜笑 -
徹生の死の真相や、改めて生きたいという気持ち、3年間にあったことなど次々と明らかになっていく。やっぱりなと思ったけれど、復生者たちが消えてしまうことも…
徹生が、というより妻の千佳がいたたまれなくて
千佳のために徹生を生かしてくれないだろうかとも思ったり。
どんな経緯で死んでも、どんなにやり直したくてもやり直しは効かない一度きりなものが命。そう分かっていても家族が最後に集まった時間は切なかったです。 -
表紙がなぜゴッホの自画像なのかと考えながら読んでいたが、後編中盤に明らかになる。おそらくはゴッホの自画像の謎から着想を得た作品なのではと考える。分人という思想は、人格という解釈ておぼろげに思っていたが本編でとても丁寧に考察しておりとても面白く読めた。ネイバーというサービスはとても面白い着想て、実際にあったらいいのではと思う。生に観する様々な考察を一度生き返った人の考えに説得力を感じる。死んだ人が生き返るという超常現象については残留思念かな、程度で考えればいいと思う。作者の素敵な表現力が好きで、他の作品を読みたくなった。
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死んだ人間が生き返って、自分の死因について探る物語。ミステリーかと思いきや、自分とひたすら向き合い自問自答する主人公を通して、『分人』主義を理解する哲学書のような小説でした。
表紙も素敵で飾りたい。
人は関わる相手ごとにキャラクターは多少変わるものだから、この人といる自分が好きだな〜と思う人と一緒にいる時間を大切にすれば良い。
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著者の[私とは何か 個人から分人へ]を先に読了していたので、分人については予習出来ていた。
この作品で、ストーリーと共に分人について理解が深まった。
生と死。残されたものたち。自分が不在の世界。
哲学書のようでもあった。
著者プロフィール
平野啓一郎の作品
