へこたれない人 物書同心居眠り紋蔵 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 29
レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933025

作品紹介・あらすじ

しがない小役人の山本庄蔵は葵の御紋が付いた提灯や長持を使って、ひと儲けを画策する。お上に知られた庄蔵に下されるのは「江戸払い」か「御扶持召放」か? 差し戻された裁決は、紋蔵のもとに。紋蔵が悩まされるなか当の庄蔵はちょこまか江戸を動きまわり、聞きしに勝る図太さで、へこたれない。表題作含む8編収録の人気捕物帖第12弾。人気の紋蔵シリーズ読み応え充分の新展開!

感想・レビュー・書評

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  • 目次
    ・音羽者の知恵
    ・へこたれない人
    ・夢見る夢之助
    ・牛込原町名主支配離れ願い一件始末
    ・へこたれない人(その二)
    ・帰ってきた都かへり
    ・青菜に塩の冷汗三斗
    ・それぞれの思いやり

    幼いころから相思相愛だった紋蔵の長女、稲の夫が若くして死んだ。
    次男に生まれた彼が、稲と結婚するためにした努力を読んできただけに、これは私にも結構ショックだった。

    逆に文吉は、うぬぼれが強くて自分勝手なちよについていけないと別れを切り出す。
    …と言ってもまだ二人ともローティーンだけど。

    紋蔵の後を継ぐために勉強に励んでいた文吉だったが、稲とまだ赤ん坊の千鶴が路頭に迷わないように、稲の夫・鉄三郎の後を継ぐ。
    そして千鶴が成長した暁には夫婦になる、と。
    いやいや、自分の将来を決めるの早すぎでしょう。
    と思うけれども、江戸時代にはざらにあることなのか。

    巻の最初に未亡人になった稲は、巻の終わりには娘を文吉(13歳だが、紋蔵よりも高給取り)のもとにおいて再婚する。
    この時代、母一人で娘を育てても、娘の縁談の足を引っ張ることになりかねないので、本人の意思とは関係なく、再婚をした方がいいのだ。

    物語が大きく動いたこの巻で、新たなレギュラーも登場。

    ひとりは、南奉行所で働いていた山本庄蔵。
    とにかく目の付け所が良くて知恵が回って、取り調べを受けても奉行所の不始末を突きつけ強請る始末。
    多分彼はお金が欲しいのではなく、金もうけが好きなのだ。
    そんなへこたれない人・山本庄蔵。

    そして、お坊ちゃん育ちで世間知らずの夢見る夢之助こと、大名内藤夢之助。
    風貌も性格もおっとりとして、誠に人柄がよい。

    この二人が今後紋蔵にどう絡んでくるのか、この先も楽しみ。

  •  安定安心の佐藤雅美シリーズ。独立した短編8話だけど、へこたれない山本庄蔵や夢見る内藤夢之助、嵐月の久太郎などがあちこちに顔を出して全体の一体感と興趣を高めている。しかし本巻の一番の主役はなんといっても文吉改め剣持忠三郎だろう。子供の頃からきっぷのよさはピカ一だったけれど、14歳になって相応の分別がともなうようになって男ぶりが上がった。「それぞれの思いやり」のシーンなんて泣けるねえ。全作を通じていつもより人情味が色濃いように感じたが、久しぶりの紋蔵シリーズだからかな。

  • 相変わらず面白い

  • 文吉の今後が気になる。良い男になりそう。

  • しがない小役人の山本庄蔵は葵の御紋が付いた提灯や長持を使って、ひと儲けを画策する。お上に知られた庄蔵に下されるのは「江戸払い」か「御扶持召放」か? 差し戻された裁決は、紋蔵のもとに。紋蔵が悩まされるなか当の庄蔵はちょこまか江戸を動きまわり、聞きしに勝る図太さで、へこたれない。表題作含む8編収録の人気捕物帖第12弾。人気の紋蔵シリーズ読み応え充分の新展開!

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著者プロフィール

1941年兵庫県生まれ。早大法学部卒。85年『大君の通貨』で第4回新田次郎文学賞、94年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞。おもな作品に『物書同心居眠り紋蔵』『八州廻り桑山十兵衛』『縮尻鏡三郎』『町医 北村宗哲』などがある。

「2016年 『侍の本分』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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