追憶の夜想曲 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933186

作品紹介・あらすじ

少年犯罪の過去を持つ、「悪辣弁護士」御子柴礼司が甦った! 岬検事との法廷対決の行方は?
豪腕ながらも、依頼人に高額報酬を要求する“悪辣弁護士”御子柴礼司(みこしばれいじ)は、夫殺しの容疑で懲役十六年の判決を受けた主婦の弁護を突如、希望する。対する検事は因縁の相手、岬恭平(みさききょうへい)。御子柴は、なぜ主婦の弁護をしたのか? そして第二審の判断は……

感想・レビュー・書評

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  • 悪徳弁護士・御子柴礼司が、夫殺しの容疑で懲役16年の判決を受けた主婦の国選弁護を希望する。御子柴の目的、殺人事件の真実が明かされていくリーガルサスペンス&ミステリ。

    前作の『贖罪の奏鳴曲』に続き即連読。
    もともと遅読の私、続きが気になり、昨夜から読みはじめ今朝方読了。ページをめくる手が止まらなかった。

    今更ながら私は、強烈なシリーズ作品に出会ってしまったのかもしれない。

    前作もかなり衝撃的な物語であったが、今作はさらに驚愕の展開が待ち受けていた。正直、シリーズ4作品において、2作目でまさかこの展開を持ってくるとは、謎が過ぎる。

    冒頭、遺体を解体する少年・御子柴の回想シーンから唐突に始まる。その描写はとてもリアルで、もしや著者は損壊の経験があるのではなかろうかと疑ってしまうほどである。

    本作は、夫殺害を全面自供した妻で被告人・津田亜季子の量刑を争うのみの事案だったが、調査を重ねるうちに御子柴は無罪を勝ち取りに動き出す。

    娘を想う母、母を想う娘、そして親族たちと事件の被疑・被害者、関係者たちが絶妙に入り組み、王道の二転三転から、最後に明かされる新事実で、どんでん返される始末。

    本作で御子柴と対峙した岬検事との、法廷での弁舌シーンと激しい心理戦の描写が兎角楽しい。

    本作で個人的に特筆しておきたいこと。
    6歳の娘・倫子が登場する。
    私はミステリ作品に幼児が出てくることを好まない。
    幼児の語り部が加わった途端に覚めてしまう。
    理由はとても不純で『こどもことばが物語の展開に水を差す』印象を抱いてしまうからだ。

    しかし本作では、まったく違和感を感じなかった。
    その理由は作中で倫子自身が、御子柴のことを好きな理由を語る際に述べてくれている。
    「あたしのこと、子供扱いしないから」
    倫子のキャラも良いが、御子柴の倫子をひとりの人間として応じているところが、たまらなく愛おしかった。


    自称中山七里好きおじさんの私だが、岬検事の息子が登場する作品があるそうで。

    各作品でそれぞれの主人公が生まれ成長していく。
    その過程で作品を横断し、さりげない相関描写によって読者を発奮させる。

    中山七里、恐ろしいお方。

    法廷サスペンスがお好きな方に。
    悪魔・悪徳・悪辣というワードに、つい過敏に反応してしまう方に、是非ともお勧めしたい作品である。

    • nikuさん
      こんにちは(^_^)
      岬検事の息子、岬洋介シリーズもおもしろいですよ!私は「さよならドビュッシー」を読んで衝撃を受けました。
      こんにちは(^_^)
      岬検事の息子、岬洋介シリーズもおもしろいですよ!私は「さよならドビュッシー」を読んで衝撃を受けました。
      2021/12/02
    • akodamさん
      nikuさん、こんばんは^ ^
      コメントありがとうございます。
      岬洋介シリーズ、私のフォロワーの方も読破されたと仰ってました!

      まずは「さ...
      nikuさん、こんばんは^ ^
      コメントありがとうございます。
      岬洋介シリーズ、私のフォロワーの方も読破されたと仰ってました!

      まずは「さよならドビュッシー」入手に動きます!
      お勧め嬉しいです。ありがとうございます♪
      2021/12/02
  • 御子柴はなぜそんな辛い事を選ぶのだろうと思いながら、彼が過去に犯した罪は生理的に受け入れられない。

    この両方の気持ちがせめぎ合いながら読んだ本でした

  • 中山七里、私の睡眠時間は彼に吸い取られる。
    待望の御子柴シリーズ第2弾です。
    また早速人が死んでますね。世界にトリップする作業は秒で完了しました。

    何を隠しているんだと隣に居たら肘でツンツンしたくなる被告人。相も変わらず雨に打たれてそうな孤高のヤンキー御子柴弁護士。そしてピノ...倫子ちゃん。キャラの魅力的が溢れて最早零れ出している。

    被告人の胸に秘めたる何かにフォーカスしていたので、顔面からモロにどんでん返しを喰らった。

    1作目にて触れられた御子柴礼二の過去と心の内を踏まえての今作で、彼が彼女を弁護した理由に胸打たれる。彼の人情がひしひしと伝わってきた。

    やはり面白い

  • 御子柴シリーズ第2弾!

    悪党の本当の気持ちが分かるには、塀の中に入らんとあかんか…
    その経験を有効に使って、弁護士稼業を進める御子柴さん。
    今回も検察、裁判官、更に被告人まで、敵に回して闘う。
    なかなかのリーガルミステリーやわ。
    こんなどんでん返しやられたら、検察は堪らんけど、元と言えば、杜撰な警察のせいではある。
    はじめから、犯人が自供し、もう決まったもんやん!って、たかを括って、ちゃんと調べんから。人を疑う職業やのに、ちょっと怠慢ちゃう?
    何となく犯人は、分かった気でいたし、確かにそうやった。
    でも、まだまだ〜
    もっと凄い真実が!

    自分は奈落から手を伸ばしている者を生涯かけて救い続けるー
    赦しを乞うた訳ではない。
    見返りを求めた訳でもない。
    それだけが鬼畜から人間に戻れる唯一の道だと信じたからだ。(文中より)

    面白い!次も読まずにはいられない!!

  • 初っ端から、子供が子供を解体し、あちこちに置いて歩くというショッキングな展開。なぜ解体したのか、どうして弁護士になれたのか、シリーズ2作目から読み始めたので疑問が残ってしまった。
    そんな異常性を持った弁護士が、なぜ金にもならない負け戦のような主婦の弁護をすることになったのか。法廷闘争の相手は、あの岬検事。相手から追い詰めながらも着々と証拠を集めて行く。
    色々な伏線が張られていて、何となく本当の犯人像が分かってしまうが、中山七里氏の小説は簡単には終わらない。驚愕の展開と、警察や検察も見逃した犯人像を明示した。
    重く暗い内容ながら、6歳の少女倫子が物怖じせずに悪徳弁護士に纏わりつく情景が心和む。
    シリーズを追って読みたくなる。

  • 弁護士御子柴礼司ものなので、法廷ものというべきだろう。夫を殺した妻の弁護を、担当弁護士を脅して無理やり引き継ぐ御子柴。巨額の報酬が期待できない弁護を引き受けた御子柴に疑問を持った岬恭平検事は、自ら法廷に立つことを決意する。ただでさえ勝ち目がないのに、検事が岬だというのだ。いったいどうする、御子柴?しかも、なぜこの弁護をしようとするのか。裁判の最初から、御子柴の旗色は悪い。しかし、それを逆転するに違いのだ。法廷でのやり取りは、なかなか熾烈で読みごたえがある。しかも、最後はどんでん返しが待っているのだ。
    裁判員制度や傍聴人に対する御子柴のシニカルな視線には、作者の本音が現れているのだろう。こういうところにも中山七里の小説を読む面白さがある。

  • 疾走感がすごいです。ちゃんと読解しなくても文章に目を乗せてるだけで読み終わりました。構成にインパクトもあって良い本でした。

  • 面白かった
    御子柴礼司シリーズ第2弾!
    これ、絶対に1作目「贖罪の奏鳴曲」を読んでから読まないとだめです。順番間違ったら、この物語の魅力は1/10になってしまいます(笑)
    っていうか、前作を上巻、本作を下巻にしてもよいのでは?
    さらにこの後もシリーズ化が続くっていうのがすごい

    ストーリとしては、
    御子柴は主婦の夫殺しの控訴審の弁護を無理やり奪い取ります。お金にもならない事件にかかわる目的は?本人は広告宣伝のためと嘯きますが..
    主婦は全面自供していて、調査調書でも矛盾点はありません。そんな中、この裁判をひっくり返すことができるのか?
    対戦検事は岬恭平(息子はピアニスト岬洋介で、ドビュッシーにも出てくるキャラクタ)
    人物たちがつながっているんですね。
    この二人の法廷でのやり取りがキレッキレです。

    そんな中、法廷で明かされる真実
    さらにさらに明かされる人間関係!
    法廷後に明かされる真相

    これは、やられた!
    とても良かったです。

    御子柴の贖罪の意味、少年院を仮退院するときに語った言葉
    「自分は奈落から手を伸ばしている者を生涯かけて救い続ける」

    しびれる...

    お勧めです。
    必ず1作目を読んでから本作を読みましょう!

  • 中山七里さんの御子柴礼司シリーズ第2弾!
    『追憶の夜想曲(ノクターン)』

    いやぁ〜、今回も安定の面白さで頁を捲る手が止まりません。
    御子柴礼司が今回の事件の弁護をかって出た理由とは?最後の最後に怒涛の種明かしがある。贖罪とは何なのか・・・またしても考えさせられた。

    真犯人は予想が出来ていたものの、その裏に隠された新事実が鬼畜で非道で激しい憤りを感じた。また御子柴がそれに気付いたキッカケというのが、ゴミ箱の中身の生々しい残骸。この設定がもの凄いリアリティ!

    リーガルミステリーの疾走感と緊迫感に溢れた物語の中で、唯一の癒しが被告人である津田亜季子の次女 倫子ちゃんの存在。
    検事と弁護士の3度に亘る公判の見事な心理戦に相反する場面切替が効果的で、緩急自在な中山七里さんワールドに酔いしれる作品だった。
    いやぁお見事!!
    未読の方には、ぜひ刊行順で読むことをオススメしたい。

  • 御子柴シリーズの第二弾!!!

    主婦の夫殺しの裁判を譲り受け、岬恭平検事と対峙する。このやり取りが、実に手に汗握る展開!!!

    まさに法廷ミステリーでありリーガルサスペンスの醍醐味を味わえる作品!!!

    最後の最後に明かされる驚愕の真実!!!

    どうなる、御子柴!!! って感じです。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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