図書館の魔女 第一巻 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1814
レビュー : 146
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933650

作品紹介・あらすじ

鍛冶の里に生まれ育った少年キリヒトは、王宮の命により、史上最古の図書館に暮らす「高い塔の魔女(ソルシエール)」マツリカに仕えることになる。古今の書物を繙き、数多の言語を操って策を巡らせるがゆえ、「魔女」と恐れられる彼女は、自分の声を持たないうら若き少女だった。超弩級異世界ファンタジー全四巻、ここに始まる!

感想・レビュー・書評

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  • タイトルと帯の煽り文句を見て、「私は間違いなくハマる」と確信していた本書。
    文庫本で4巻組だし時間ができたときのお楽しみに…と本棚で寝かせていましたが、我慢ができなくなって読み始めたところ、期待以上のおもしろさ!
    読みながら静かに興奮していたため、普段より体温高かったのではないかと思うくらい、引き込まれていました。

    舞台は大国・一ノ谷。
    王都にそびえる”高い塔”に仕えることになった一人の少年が、山間の里を出立するところから物語は始まります。
    彼の勤めることになる”高い塔”は、古今の書物が集められた図書館、そしてこの図書館を統べるのは「図書館の魔女」と人々が呼んで恐れる1人の少女なのでした。

    描かれるのは剣と魔法のファンタジーではなく、智慧と策謀が渦巻く政の世界。
    図書館の魔女・マツリカの中に広がる知識の海、そしてそこから生み出される言葉に酔いしれてしまいます。
    表面上の会話や手紙の裏に隠された真意や微妙な駆け引き…それを年若い少女が華麗にこなしていく様から目が離せません。
    新たに図書館の一員となった少年・キリヒトをはじめ、一ノ谷の面々も個性的で、はたして腹の底が見えているのか、いないのか…。

    物語にがっつり鷲掴みにされて2巻へ!

  • 初期の感想は、読む人を選ぶ(描写がくどくて話が進まない!と投げだしてしまう人が多そうな)のが勿体ない、でした。かくいう私も買って数ページ読んでから数年じっくり寝かせた。後に、人から「2巻の中盤からどんどん面白くなってくるから頑張って!」と言われなければ寝かせたままだったかも。

    鍛冶の里で生まれ育った、物静かで淡々とした少年が、“師匠”の命に従い、図書館の魔女に仕えるようになるところから物語は始まります。この世界で“高い塔”と呼ばれる図書館は、国の中心部や国外からも一目置かれるほど大きな影響力を持っており、魔女と少年はやがて国内外の権謀術数に巻き込まれていく…というストーリー。これがどんどん面白くなってくるんです。

    図書館の魔女という、そもそも本好きなら心躍るタイトルなのがニクい。その図書館の魔女たるマツリカは、まさにその二つ名に相応しい鋭い頭脳と豊富な知識(作中では「読む力」)を持っています。マツリカから放たれる言葉の海に、少年キリヒトを含む登場人物達も、そして読者も、みな舌を巻いて、魅了されてしまう。

    片手間ではなく、じっくり腰を落ち着けて楽しみたい本です。
    ジャンルもファンタジー小説というより、異世界の政治外交駆け引きスペクタクルといった方がしっくりくる。そこに言語学や音声学だったり、技術的な話が加わるから、もう頭を使うのなんの。
    現代作家で、状況描写や説明がここまで“濃い”人もあまりいないと思いますが、それがこのどっしりした物語の骨組みであり、展開にすごみを持たせ、キャラクターに深みを与えている。

    個人的には、指輪物語の世界観説明や、京極堂シリーズ恒例の妖怪・宗教がらみの解説を読めるなら大丈夫だと思います。会話文メインの小説を好む人にはおすすめしませんが、地の文がしっかりしている方が嬉しい、世界観にグイグイ引き込まれたい!という人は、ぜひ頑張って読んでほしい。

  • 面白かった‼ 言語の認識などの話になったりするので、難しいが。
    探求心をくすぐる物語は、面白い。

  • 最初は展開が遅いなと思って読んでたけど、だんだん引き込まれていって、最終的に完全にハマりました!
    とても細かく作り込まれた世界観で、細かな描写の説明も最初はくどいなと思ったけどだんだん必要不可欠なものになっていくところに高田さんの凄さを感じました!

  • タイトルと帯に惹かれて購入。
    確かにファンタジーだし、図書館だし、少年少女だけど、、!
    ハリポタをイメージしていた自身の予想をめっちゃ裏切られた。

    権謀術数うずまく東西の要に位置する一ノ谷の頭脳である図書館の魔女、マツリカ。
    そこに山の鍛冶の里よりやって来た、文字を読めないキリヒトが仕えることになる。

    一番薄い第一巻なのに、何回単語を検索しただろう!
    何か挑まれているような気になり、いちいち調べたら読むのに時間がすごくかかった。
    著者はカタカナを使わない縛りでもしているのかと疑うくらい、使用する単語が難しかった。
    (素馨そけい=ジャスミン、厖大 ぼうだい=膨大 、猖獗しょうけつ=猛威をふるうこと、喞筒そくとう=ポンプ、肉桂にっけい=シナモン…etc)

    言い方1つで子供でもわかる言葉になるし、難解な文学にもなると思い知った。。。

    キリヒトが故郷を出て行くときの不安感や、別れの挨拶の様子から、これから彼を主人公とした冒険でも始まるのかと思ったら違った(笑)
    マツリカ自身が聴唖(この言葉も初めて知った)であるため、手話での会話がメインで進む。
    政治的な思惑にて色々と干渉してくる周辺諸国の斥候に対して、司書達と共に対策を話し(?)合うマツリカの様子は、まるで試合中の棋士のような感じだ。

    人伝てであるがゆえに、対話にタイムラグが発生することが彼女のストレスになっていたが、機知に富み、優秀な耳を持つキリヒトが現れたことで、彼女の表現の幅を広げる可能性が高まる。
    図書館でのキリヒトの教育が始まる。

    後半は、キリヒトの指文字特訓として始まった一ノ谷の遺構の分析調査。
    歴史、遺構の状態、気候、地質、色々な観点から紐解かれていく600年前の一ノ谷の姿を読むのは面白い。
    マツリカの説明は偉そうだけど、確かにすごい。
    あ、帯のとおりに言ってしまった。

  • ファンタジーなのに、魔法も武器も使わない。どういうこと?最後まで読めるだろうかと疑いつつ読み始めました。なかなか物語が進まず、理解するのに頭使い読むペースもゆっくり。中だるみするも、やめようとは思わずやっと後半へ。気になる。気になる。気になるところで次巻へ。
    ということで、もっと理解するために再読チャレンジ。

  • 山育ちのキリヒトは師の元を離れ、一の谷の「高い塔」に住む、図書館の魔女ことマツリカに仕えることになった。海峡地域の一大勢力である一の谷の政治を左右するほどの実力を持つにもかかわらず、マツリカはキリヒトと同じ年頃の少女だった。キリヒトの使命は、言葉を発することの出来ないマツリカにつき従い、その意思を伝えること。出会ったその日から二人は、一の谷の王宮と議会、辺境領を巡る陰謀、海峡地域に戦乱をもたらそうとする野望の中に投げ込まれる。

    タイトルに惹かれて手に取ったのだが、魔法のないファンタジーだった。丹念に情景を描写してゆくので、初めは物語の展開がもどかしく感じられるかも知れない。その流れに身を任せていると、この世界のイメージが豊かになってきたところで、ストーリーは急速に展開してゆく。全4冊の大長編にもかかわらず、終わってしまうのが残念に感じるほど、面白かった。

  • う、うん。
    面白い。言葉って考え出すと理解しようと思うのを諦めた方が良さそうな気もしてきた。

    そして、地理?地図?が苦手な私にはあっちからこうなって、こっちにこうでと想像できる許容範囲を超えてしまったので「水はいろいろあって、上から下に上手いこと流れていた」でまとめてしまった。

    これは何かの始まりで、水道問題解決作品でないことを祈って二巻へ突入。

  • キリヒトとマツリカのブラタモリ

  • 著者の不慣れ感が強くて、デビュー作とあって納得してしまった。
    たぶん幾重にも折り重なったすごい世界が、濃密に、著者の脳内にあるのだろうとはひしひしと感じるものの、文章としてエンタメとして、表現が追い付いていない。
    最終巻の頃には互いに慣れて大分読み易くなっていそうだと何となく思うけれど、何としても次巻が読みたい!すぐに!というノリにはなれなかった。
    求めているものが軽いんだろうけれど、個人的にはもっと人物描写を中心に見たい。

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著者プロフィール

2013年『図書館の魔女』でデビュー。デビュー作が和製ファンタジーの傑作として話題となり、累計32万部を記録。本書は、著者初の民俗学ミステリ。

「2019年 『まほり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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