メイクアップ デイズ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 165
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933674

感想・レビュー・書評

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  • 化粧品会社に勤める27歳女性の兄弟と両親と祖母、そして肩に乗っかったご意見番タコの物語。特に大きな展開はない。

  • 正直タコリは必要ないんじゃないかと思ったけど、最後まで読んだらまぁ納得。
    でもファンタジーはやっぱり苦手だ。

    おもしろかったのは箱理の仕事内容。
    感覚を言葉にするってすごく難しい。

  • 家族にさえ素顔を見せない祖母の謎。白塗り顔の秘密とは。女にとって化粧とは何かを鮮やかに描く超変化球小説。
    いつもの椰月作品とは異なるので、その世界観に馴染むことができないまま読みおわってしまった。あるいは乙女心は男には理解できないものというところかも。タコリの存在も私にはネックだった。(「シロシロクビハダ」を文庫化につき改題)

  •  謎のゆでダコ・タコリちゃんを始めとして、全体にちょっとトボけた独特の雰囲気がある小説。
     主人公・箱理は、なんだかもう自分を見ているかのようなぼんやりぶりで(思考がすぐに散漫になって、余計なことを考えたりとか)化粧に頓着しないあたりもソックリです。あ、不器用で要領悪いところもだ…
     話としてはお仕事小説とも、ホームドラマともとれるのですが、箱理の仕事に対しての粘り強さと個性的な家族の暖かさが心地よく楽しめました。

  • [図書館]
    読了:2016/7/31

    「メイク」で図書館蔵書検索したら出てきた。
    あらすじが面白そうだったので読んでみた。

    空気を読めない、「どう?」みたいな具体性のない質問の何を答えればいいのか分からない、など箱理にちょっと共感した。
    タコリはいい感じの存在感だったのに、最後の方の扱いがひどいなぁと思った。箱理が成長したという証なのだろうけど、成長したらもういらないわポイ、と同然の扱いだった。

    万理はよい弟過ぎ。「クキコさん、もっと自由になれるといいね」「クキコさんに、のどちんこが見えるくらいに大笑いしてほしいね」と言える箱理は優しい姉だと思うけど、「おやすみ、ハコちゃん。大好きなハコちゃん」と言う成人した弟なんているだろうか…。

    万理はすべてに恵まれているがゆえにマイノリティに重きを置き、玖紀子さんは足の障碍というハンデゆえに大多数、多数決といった考え方に従う。彼ら2人も前途には困難があると思うのだが、放置されたまま終わった。

    ヨシエさんの厚化粧の“謎”は、まさに玖紀子さんが言った通り「幸せなお嬢さんの取るに足らないこと」だった。そんなことで、初対面時、一家顔合わせ時の玖紀子さんへのあの非道な対応が許されるとか、考えられない。

    「化粧は女性にとって知性なんです、生命力なんです。メイクしない女の人って、なにかが欠落してると思うんです」とか言うキャラクターにはイラっとしたが、「自分の当然=女全体にとって当然」と無邪気に考えてしまえる“幸せなお嬢さん”に腹が立ったんだなぁと自己分析した。最後は予期せぬ妊娠で転職や結婚式など色々なものをあきらめ、旦那になるはずの彼氏もよそよそしい、と自分の描いた「女性の黄金コース」からは外れるという試練も与えられてるし、作者は分かってて書いたんだろうなぁと思った。

    あと、発達障害の気があると思しき主人公に、周りの人やさしすぎだ…。そこはやっぱり小説なのね。

    箱理から見たまわりの細かい描写は、「未熟な桃ゆえの、ひかえめで美しい輝き」とかの化粧品キャッチコピーを現実にも適用してる感じで面白かったけど、この小説の一番の肝と思われる「ヨシエさんの厚化粧の理由」、「女性にとっての化粧の意味」がありきたり過ぎて小説としての面白さは「普通」って感じだった。

  • 化粧品メーカーでファンデの開発をする箱理の祖母は白塗り肌。
    自分の子供にさえ素顔を見せない祖母がなぜ白塗りになったかが、徐々にわかっていく様は面白かったかな。
    でもちょっといろんな事が中途半端に終わっちゃった感じは否めない。
    私はお化粧にあまり頓着しないところが箱理と同じなので、お化粧しないと女じゃないと思ってる人の事は理解できないけど、お化粧をする事によって自信が持てたりお化粧以上の輝きを保てるようになるなら、それもいいのかなぁと多少は思ってみたり。
    内からも外からもバランス良くが大事。
    あと、イメージしている事をちゃんと人に伝えるのって本当に必要なこと。ニュアンスだけじゃダメだ。汲み取ってほしいなんて甘えでしかない。ダメ。

  • 面白かった。でも、ちょっと詰め込みすぎ?タコリのインパクトが最後まで持たなかったし、箱里もだんだんインパクトがコンパクトになっていたような印象。
    もう少し、詳しく知りたかったなあと思う部分は多々ある。
    とは言え、途中うるうるする所もあり、化粧品のメーカーさんの研究部を垣間見ることができたのはよかった。
    メイクだいすき!コスメフリーク!な人には、タイトルからの期待からの満足感は足りないかもしれないけれど、家族のお話がすきな方には意外とおすすめかも。
    2016.06.07

著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川県本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞。『明日の食卓』は21年映画化。その他の著書に『消えてなくなっても』『純喫茶パオーン』『ぼくたちの答え』『さしすせその女たち』などがある。

「2021年 『つながりの蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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