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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784062933681
作品紹介・あらすじ
あのとき、ふたりが世界のすべてになった――。
ピアノの音に誘われて始まった女どうしの交流を描く表題作「愛の夢とか」。別れた恋人との約束の植物園に向かう「日曜日はどこへ」他、なにげない日常の中でささやかな光を放つ瞬間を美しい言葉で綴る。谷崎潤一郎賞受賞作。
収録作:アイスクリーム熱/愛の夢とか/いちご畑が永遠につづいてゆくのだから/日曜日はどこへ/三月の毛糸/お花畑自身/十三月怪談
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「アイスクリーム熱」、映画化決定!
☆映画「アイスクリームフィーバー」
2023年夏公開
吉岡里帆、モトローラ世里奈、詩羽、松本まりか
千原徹也 初監督作品
みんなの感想まとめ
日常の一瞬を切り取りながらも、孤独や愛を深く感じさせる短編が収められています。各作品は、川上未映子独特の流麗な文体で綴られており、句読点のない文章が高揚感を生み出し、読者を引き込む力があります。特に「...
感想・レビュー・書評
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えと、積ん読本。
移動時に丁度よい薄さの本で。短編で。
ちょい、読みにくかったかな。
「日曜日の」が一番よかったかな。
元恋人が現れないかなあと期待してしまったが。電車のとなりあわせの男性が好きな作者の本を読んでるって、言う下りが好き。
あと「十三月の」はなんかリアルな感じで泣きそうになった。
て、⭐より結構入ってるな(笑)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
普段の生活のほんの一部を切り取ったような、それでいてどこか孤独でささやかな愛を感じられるような7つの短編。
読んでいる時の高揚感が凄いです。
川上未映子さん独特の、句読点のない文章のせいかもしれません。
言葉たちがものすごい勢いで、休みなく読み手にたたみかけてくるのです。
そして、漢字とひらがなの使い分けがほんとうに絶妙だなと思います。
2011年頃に書かれたものが多く、震災のことにも微かに触れられていました。
突然失うことの恐ろしさや、人や物への愛情が感じられます。
「お花畑自身」と「十三月怪談」は他のものより少し長めで、読んでいるうちに切なさがどんどん増していきました。
川上さんの描く、ちょっとした気の迷いや、手を伸ばすと消えてしまうような、妄想のようなものの描写がとても好きです。 -
率直な感想としては、美しかった。
文章の一つ一つが詩のような表現で、読んでいて
とても心地良かったです。
川上未映子さんの短編を読んだのは、この作品が
初めてで、「乳と卵」「夏物語」のようなどちら
かと言えば社会派純文学のイメージが僕にはあったのですが、ここまで流麗な文章は読んだことがありませんでした。 -
「お花畑自身」が特に好き。大切に手入れしてきた庭や自宅をいけすかない若い女に売らざるを得なくなった50代の女性の話。かつて自宅だった庭のバラを何度も見にいくの切ない。
「十三月怪談」は死んでしまった妻視点、生きている夫視点が混じるような不思議な視点。薄れていく意識なのか、記憶が本当のことなのか幻なのか…
自分は川上さんの文章はどういいのかいかに素敵なのかというのが説明しにくく、何を言っても無粋になる気がしますが、川上沼にズブズブです。一冊を読み終わりたくないんです。ずっと読み続けたい…といつも思ってしまう。 -
不思議な世界観なのに身近な感じがするのはなぜ
独特な文体で別世界に引き込まれるけど
ふと「ああなんかわかる」と妙に現実的
死んでしまった後の気持ちのぐるぐるするあたり
ちょっとふっと泣きそうになった -
川上未映子さんはどの話しも独特な雰囲気とテンポがあり、そのリズムにはまると最後、沼におちます。
生活の中のまばゆい光も痛みの重さもどちらも存在し、白昼夢のような空気に包まれたかと思いきや、急に現実に戻されるような緩急のある短編集。「愛の夢とか」は物語自体が芸術に昇華されているように感じた。
「十三月怪談」が一番印象的。強い想いや願い、川上未映子さんの魂が宿った筆力に胸がいっぱいになりました。 -
春めいてくると焦燥感、多幸感、不安感、万能感、喪失感、絶望感、なにもかもが相反するような感情に支配されてコントロールできなくなってしまう。全身には膜のようにうすいベールが生温かくかけられて、頭のなかはずっと霞がかっている。すべてのふるまいに春だからとか春なのでとか春のせいで、とかの枕詞がかかる。眠くて、一切をしたくなくなって、でも川上未映子さんの短編はそういうときこそうってつけで、彼女の言葉に包まれずっと眠りを貪って夢をみていられたらどれほど幸福だろうと思う。
さよならと声にして言ってみると、それは自分の声じゃないように聞こえて、でも、だからといって、自分の声がどんなだったかなんて、最初から知らないわたしには思いだせるはずもなかった。(アイスクリーム熱)
そう、誰にでもわかるように教えてあげます。いちごをここにあててつぶしなさい。(いちご畑が永遠につづいてゆくのだから)
わたしは何歳になっても、わからないことばっかりだ。それで、わからないことに安心しているのだ。そして、わからないと言いながら、ただこんなふうに淋しくなることだけがいつまでもできて、こんなことをただくりかえして、それで年をとっていつまでもこんなふうにひとりきりでおんなじ場所に立ち尽くしたまま、そうやって、わたしはいつまでだって、そうやってゆくのだ。(日曜日はどこへ)
「ねえ、わたしたち、とてもおそろしいことをしようとしているのじゃないかしら。何かとてもおそろしいことを、これまでわたしたちが思いもしなかった、何かおそろしいことをわたしたちはやろうとしているのじゃないのかしら。とりかえしのつかないことを。とてもおそろしいことをよ。そして、何かとんでもないことがわたしたちを待ち受けているんじゃないのかしら。もう後もどりすることもできない、なにか大変なことを、わたしはこれからやろうとしているんじゃないのかしら」(三月の毛糸)
生きてるひとをすくうのは、すくえるのは、どうやったって生きてるにんげんでしか、ないんだった。だいじな人がいるなら生きていなければならないんだな。おなじところに、おなじようにいなければだめなんだな、ひとはつよくて、いきていくことをつづけてゆくだけのかろうじてのつよさがあれば、そのうちいきているひとがだれか、だれかがきっと、またちからをくれて、ちからをきっとくれるだろう、いきていれば、いきているだれかが。(十三月怪談) -
川上未映子さんの作品は初読み。
書評などを読むと、詩のような繊細で美しい文体と緻密な心理描写が魅力と書かれていて、納得。
登場人物は感情の起伏が少なめで、淡々とエレガントに流れるように話しているのに、読みながら感傷的な気持ちが想起されて不思議な気持ちになる。
短編集でよかった。
文庫は2016年出版だが初版は2013年。だから3.11震災の爪痕がまだ残っている内容だった。だからか、すこしもの悲しい印象を受けた。
その美しいリズムや文体に身を任せて読んでいけば心地よく終われるだろうに、読みながら考えることがたくさんあって、読み進めるのに時間がかかってしまった。
最近ラノベばかりだったので、リハビリのつもりで手持ちの未読本の中から一番薄い本を選んだのに、結局じっくりよんだので、普通の文庫本より時間をかけて読んだ。
ビジネス本やライトノベルなど、伝えたいことや主張がわかりやすく記載されている本を読んだ後に読むと、ひらがなが多く、暗喩が効いているため、「主張がぼかされていて何を伝えたいのかわからーん!」となるのだけど、なぜか逆にストーリーが頭に残る。
表題の愛の夢とかの作品の中で、マカロンを買う時の気持ちをビアンカが述べているのだけど、マカロンに対する複雑な気持ちが長文で表現されている。
P29「自分が掛け値なしの馬鹿になったみたいな気持ちになっていっそ清々しくなるあの感じ。ただ甘いだけで蓋みたいなものも上顎にべったりくっついてうっとうしいし、そもそも名前がすごく間抜けだし、中身がないのにそれっぽいってだけで重宝されてみんなホイホイ買っていくから値段が高いのもむかつくし、第一おいしいと思ったことなんてこれまでただの一度もないことを思い出させる、あの感じ。」
長っ!と思ったけれど、確かにマカロンを買う時は、女性への手土産やプレゼントに買うことが多く、自分用のおいしいご褒美として買ったことはない。
女子力の代表みたいな顔して売られているマカロンを、好きでもなく安くもないのに見栄の為に買う女性の心情がオブラートに包まれて、やんわりとした詩的な表現に飾られて述べられている。
三日後を、「つぎのつぎの、そのまた次の日」と表現できる優雅さが、今のささくれた自分にはまぶしく感じた。 -
Dear 川上未映子様,
時々貴女がわからなくなります。貴女は普段から曖昧模糊を基調とした表現をなされるのに、時折見せるその抽象から具体への鋭角な、鋭利な刃物を喉に突きつけられたかのような、まるでいつもの本当の自分を、ある特定の人物に本音を語らせるように物語の人物に己の側面を仮託するように鋭い指摘をする人物を用意されます。今回でいうと『お花畑自身』に出てくる家を買った女性や『ヘヴン』でいう百瀬のことを言っているのですよ。彼女ら彼らが言うことは、間違っていても決して全否定できない世の中みたいな核心があります。ガツンとくるものがあります。あえてスマブラで言わせてもらえるなら、普段カービィの貴女が時折見せる下Bのストーンに吹っ飛ばされてしまいます。貴女の本質は一体どちらなのでしょうか。混乱します。わからなくなくなるからこそ、もっと知りたいと思ってしまうのかもしれません。魅力的です。雲を掴むような貴女の表現を愛し、これからも読み続けていきたいと思う次第であります。 -
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なかなか、何を言いたいのか理解するのが難しい話が多かった。
面白かったのはお花畑自身と十三月怪談。
十三月怪談は若い夫婦の話。妻が若くして亡くなるのだけど、その後の展開が結局どうなるの?と思いました。
夜寝る前に読んだのでちょっと怖かった。
死後の世界は多分あるんだろうなとか好きな人が不幸だと辛いなど色々考える話だった。
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何気ない日常の中、光のような暗がりのような曖昧な部分を美しく表現した7つの物語
詩的でゆらりと漂う文章の中で、はっとさせられる言葉に度々出会う。付箋を貼り、全て読み終えて、もう一度同じ場所を辿るがその感動は変わらない。日曜日はどこへが特に好きでした。 -
「ひとはつよくて、いきていくことをつづけてゆくだけのかろうじてのつよさがあれば、そのうちいきているひとがだれか、だれかがきっと、またちからをくれて、ちからをきっとくれるだろう、いきていれば、いきているだれかが」
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面白かった。「十三月怪談」がいちばん好きだったな。正常な判断ができていないのではと思わせる主人公の描写でも思考として逆にリアルに感じてしまうし、危うく見えて練られた文章なのだって分かる。すごいなあ。これでご自分では「技術が圧倒的に足りない」と思われてるんだもんな……(当時のどこかのインタビュー読みました)。もっともっと読みたいな。
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さいごの十三月怪談、がとてつもなく良かった。
時子のはかなさと潤ちゃんの真っ直ぐさが、美しい。
健気に「いま」を「生きる」二人が、美しい。
死についてどれだけ思いを巡らせたって、
いま生きているのだから、ほんとうの死を知ることはできない。
一緒にいること、生きてそばにいることがたいせつということ。
死ぬとは、見えなくなること。
潤ちゃん目線の、時子との最後のときの描写が、
やりきれなくてやりきれなくて、電車で読んでいたのに涙がとまらなくて、
とまらなくて、上を向いて鼻をすすって読み進めたけど
やっぱり涙の粒がこぼれてしまった。
めんつゆのいつもの味の尊さ、
大きな瞳で潤ちゃんのすべてを目に映す時子、
初めて?時子の前で涙を流して、ふっくらとした時子を抱きしめた潤ちゃん。
最後はやっぱりあのマンションの一室で、
いつともわからない十三月。
永遠にふたりに幸せであってほしい、です。 -
十三月怪談、とてもよかった。死ぬってこういう感じなのかなと思って、また会えてよかったねって思えました。
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十三月怪談 タイトルが絶妙。
時子が死んで幽霊になったときの描写がリアル。作者は何度か死んだことがあるのじゃあないか?と思うくらいリアル(笑)。
特に「死んだら生きている人になにひとつしてあげることができない。生きているひとをすくえるのは生きているひとでしかない」ってところ。
よくある物語だと死者の想いが生者に届いて奇跡なんかがおきて・となるけど、そんなことは一切おきないストーリーのがかえって腑に落ちる。
時子が見た時子が死んだあとの潤の人生と、実際の潤のその後の人生。時子が見たものは時子が作りあげた想念によるものだったか。死者になったら、現実も想念もすべてが等価、いくらでも複数の世界が展開する。
最後のシーンの「トレーにみたことのない果物をいっぱいのせて・」のところ。もうこの世じゃない、あの世感がすごくして上手いなあ、と。ふたりだけの桃源郷。
生きている、って幻なんだよ、と。頭がくらくらしました。
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孤独とか切なさとか儚さとか虚しさとか…
感覚を研ぎ澄ましてないと取りこぼしそうな文章の連続。
何気ない日常の中の、人のなんとも言い難い感情とか何かよく分からない感情が、淡々と、しかし繊細に綴られた静謐な物語で、
比喩表現が多用されていて、ずっとふわふわふわふわした感じもありました。
なんか切なくなりたいとき、感傷に浸りたいときにいい感じかもしれません。
愛にまつわる7編の短編集なのですが、「アイスクリーム煮」、「お花畑自身」、「十三月怪談」が印象的でした。
「お花畑自身」
大事にしてきた家を泣く泣く売らなければいけなくなるお話。自分が手をかけて育ててきた庭で、土に埋められるシーン。土をかけられて重みを感じるのに、自分は軽くなっていく感じ…これたまらない感覚だなぁと思いました。
「十三月怪談」
死んだ後に、残された夫の周りで様子を伺う妻。生きている時と死んだ後の、人間の無力さの違いを実感して、もどかしさ・虚しさを抱いてるところが印象的でした。 -
自分の読解力の問題なのかイマイチ全作理解できず…ただ最後の十三月の怪談はわからないなりにも、先に逝く人と遺される人の想いが交錯してて良かったと思った。(ただ正しい解釈かはわからないけどね)
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うまく言葉にできないということは、誰にも共有されないということでもあるのだから。つまりそのよさは今のところ、わたしだけのものということだ。(アイスクリーム熱)
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著者プロフィール
川上未映子の作品
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