神秘(下) (講談社文庫)

  • 講談社 (2016年4月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784062933803

作品紹介・あらすじ

菊池は神戸の街で、山下やよいを探し続ける。彼女は「痛みを取り除く力」を持つ女性だった。二十年前に電話口で、菊池の足の怪我を瞬時に治し、さらにその力で若返り、十二歳年下の男と結婚した。その後に起こった、あらゆる力をねじ伏せる阪神・淡路大震災を経て、彼女は今どこで生きているのだろうか。

みんなの感想まとめ

運命や死生観をテーマにしたこの作品は、主人公の菊池が神戸で特異な力を持つ女性、山下やよいを探し続ける物語です。彼女は過去に菊池の怪我を瞬時に治し、人生を変える存在として描かれています。物語全体に張り巡...

感想・レビュー・書評

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  • 昨日に引き続き、下巻も一気読み。
    『私という運命について』をもっとスケールを大きくし、伏線を張り巡らした様な。
    グルリと回って全てがピタっと収まった、何とも不思議な感覚の読後感。
    ここまでやると、さすがに好みが分かれそうですが、私としてはアリ。
    きっと白石氏は運命というものを固く信じているのだろうな。
    何に運命を感じるかは人それぞれですが、目に見えない繋がりと言うのは、やはりあるのではないかと
    私はそう思いたいです。

  • 感想
    正直な感想は「なんだかなぁ〜」。正になんとも言えない偶然を見せられたという感じだ。ノンフィクションの物語を見せられているような気分になった。

    どんどん繋がっていく人と人との関係に、自分も人の縁に支えられて生きているのだと思わざるを得ない感じがした。

    上巻では、死に向き合い、死を考え、下巻でそれが自分を取り巻く人の縁にたどり着いた。人生とは?を考えさせられるような本だった。

    あらすじ
    やよいを探していた菊池は、神戸に移り住み、思うがままにやよい探しをしていたが、あることがキッカケになり、情報が整理され、行きつけにしていたおでん屋の女将がやよいであることに気づく。

    そこから、やよいに癌を治してもらうでもなく、穏やかな生活を送っていた。やよいと共に東京へ移り住み、やよいの元夫の谷口兄弟と親交を持つ。やよいの夫の双子の兄の公道はタクシードライバーであり、まさに菊池と元妻の藍子を取り持った人であった。

    自分の縁を探るべく、やよいの元夫の善道を探したところ、震災後の石巻でタクシードライバーをしていることが分かり、尋ねる。善道の妻のゆかりは、八歳で子供を亡くし、その子供こそが、藍子が心から繋がりを持てたという真尋であった。実は真尋は藍子の妹だったのだ。

    色々な人のつながりや縁は正に神秘である。

  • 死生観の話であり、数奇な運命の話であり、それを語る主人公とその家族のとても深く掘り下げられた自叙伝でもあった。

  • 事実は小説より奇なりなのである。とはいうものの・・・
    この小説は小説らしいというか、どうだろうラストは少しやりすぎた感が。。。
    とはいうものの読んでる間はのめり込んでいるので、涙があふれて出てしまった。

  • 不思議な力を持つ人がキーパーソン人になる物語。上巻ではあまり話が見えてこず、読むのがしんどい部分が多い。しかし、下巻で上巻の様々な伏線の回収があるので面白い。白石作品にしては長編であるがもう一度読みたいとも思える。深い内容であった。

  • 下巻ヤバイ!!!
    物語が佳境に入るにつれイッキ読み。
    上巻は正直ちょっと堅苦しさもありサーッと読んでしまった部分もあったけど、下巻でまさかまさかこんなに驚きの展開になるとは。
    偶然なのか必然なのか、必然だとしたらどこから必然だったのか?!
    まさしく神秘!!!
    ラストはマジで鳥肌立った。
    これをラストに持ってくるとは想像もつかなかったよー。
    住吉駅、Wikipedia見てまたビックリ。
    白石作品のなかでかなりオススメの一冊。

  • 【あらすじ】
    菊池は神戸の街で、山下やよいを探し続ける。彼女は「痛みを取り除く力」を持つ女性だった。二十年前に電話口で菊池の足の怪我を瞬時に治し、さらに自身もその力で若返り、十二歳年下の男と結婚した。その後に起こった、あらゆる力をねじ伏せる阪神・淡路大震災を経て、彼女は、今どこで生きているのだろうか。

    【感想】

  • 感動した。すごい話だとただただ感動した。
    もし病を得たら同じように生きることができるだろうか?
    自身の持つ能力と素直に、丁寧に付き合うこと、人との出会いを大切にすること、周りの人に多くを求めないこと、自分を好きになること…

    ますます白石さんのファンになった。

  • 山下やよいが見つかったあたりから、上巻で散りばめられていた数々のエピソードが繋がりだして「真相」では、そういうことだったのかと驚き、極めつきは、殆ど無駄とも思えたJR芦屋駅での赤い服の男性のエピソードまで繋がったことでした。結局は人と出会い、縁ができ、その縁が連鎖していくこと、それこそが神秘なんだなあ……。

  • 神秘
    白石一文
    ここ数年で離婚/離職/引越/修繕改築/起業/再婚/開業/建築/運用/建築…と立て続けに時間も労力も半端なく掛かることをずっとやってきた。五十も過ぎてから全て手探りでどうなるのかよく分からないまま頑張るしかない時間を過ごしてたので、上手く読書する時間を作れなくて遠ざかってましたが、今年やっと活字を読む時間を作れるようになった。まだ年間数冊だけど活字を読んで頭の中で物語を追い、登場する人物の造形や声を作り動かしていく楽しさを改めて感じられました。敬愛する白石一文先生の作品を読むのも久々で、七百ページを超える本作を一月以上かけてゆっくり楽しんだ。相変わらず先を読ませない文章で時折挟まってる「白石節」を存分に楽しみました。どんな結末を迎えるのかほんとワクワクしながら読み進めてラストで驚愕させられました。因果と言うのか数奇な運命と言うのか?正しく「神秘」と思える人間模様や人生の悲喜交々を自分に置き換えて考えたり出来て楽しかったです。よくこんな物語を考えつくもんですね。感心しきりです笑笑。
    白石一文先生の作品をずっと読んで来ました。あと数冊でコンプリート出来たはずがここ数年読書サボってましたので未読の作品が増えました笑笑
    楽しみが増えてますね笑笑

  • 160913図

  • 二〇一一年八月、出版社取締役の菊池は、膵臓がんで余命一年、と宣告された。もはや治療の術もない。妻とは五年前に離婚、娘二人も独立し、海外で暮らしている。生きるも死ぬも一人の身の上の菊池は、運命を受け入れつつも、思索の末に神戸に移り住む。二十年前に知った、ある不思議な女性を探すために。

    (第一部)
    歴史は生者を求めない
    祝福された男
    未知の治療法
    かくのごとき衝動
    一匹の子羊
    痛みは嘘のように消えてしまった
    出版局長のメール
    新田内科医院
    もうこの国は駄目だろう
    アストラルタワー
    暗い穴に落ちていく
    輪廻転生
    女神さま
    メルカロード宇治川
    東門街
    すごい覚醒
    新生物
    城崎にて
    真尋
    おかあさん
    医者の家
    個人的依頼
    山村はるか
    谷口里佳


    (第二部)
    自炊
    一冊の本
    あと一日の命
    田園
    イメージと流れ
    二人の夢
    野々宮
    魔法のような考え方
    直感が花ひらく
    確かめて、助ける
    花婿はゾウに乗って
    静かに死んでいきたい

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著者プロフィール

白石 一文(しらいし・かずふみ):1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋勤務を経て、2000年『一瞬の光』でデビュー。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で第22回山本周五郎賞、10年『ほかならぬ人へ』で第一四二回直木賞を受賞。著書に『不自由な心』『すぐそばの彼方』『僕のなかの壊れていない部分』『草にすわる』『どれくらいの愛情』『この世の全部を敵に回して』『翼』『火口のふたり』『記憶の渚にて』『光のない海』『一億円のさようなら』『プラスチックの祈り』『ファウンテンブルーの魔人たち』『我が産声を聞きに』『道』『松雪先生は空を飛んだ』『投身』『かさなりあう人へ』『Timer 世界の秘密と光の見つけ方』等多数。

「2024年 『代替伴侶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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