横綱 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062934299

感想・レビュー・書評

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  • 必ずしも名力士列伝ではない。ただ横綱の責任を背負うという稀有な経験をした(している)力士たちの述懐からは、その地位の重さと苦しさが、共通して伝わってくる。引退の解放感で2日間眠ったという証言は特に印象的。また騒動が理由で引退を余儀なくされた2人の横綱の回想からは、周囲の対応次第で違った結果もあり得たのではと、大相撲界にとって惜しい気持ちに。本書でも数人が触れているように、彼らも人間だしそれぞれのタイプがあり、そこは尊重しなければならない。国技の大看板たる横綱は、スポーツにとどまらず、社会的にも注目と尊敬を集める一種の文化遺産でもあるが、その育て方や見守り方には、定期的に見直す価値と必要があると感じた。個人的には、琴櫻の自らを「わし」と呼ぶ述懐が、朴訥とした人柄が出ていて味わい深い。

著者プロフィール

山形県山形市出身。大相撲、アマチュア相撲、世界相撲など、おもに相撲の世界を中心に取材、執筆活動を展開中。相撲記者クラブ会員。角界に広い人脈をもつ。著書に、『ドルジ 横綱朝青龍の素顔』(講談社文庫)、『寺尾常史』(双葉社)、『おらだの関取 琴ノ若』(中央公論新社)、『大銀杏を結いながら 特等床山・床寿の流儀』(PHP研究所)がある。

「2013年 『横綱』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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