誉れの赤 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.40
  • (4)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 72
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062934398

作品紹介・あらすじ

「真田赤備えのルーツはここにあり!いま1番おすすめしたい時代小説です」(歴ドル・小日向えり)

最注目作家・吉川永青は、ここから読め!
戦国武将も、現代人も、「強くあるために」闘う男はカッコイイ。

戦場で最も目立つ朱色の具足。武田信玄配下の戦国最強部隊「赤備え」。赤備え山縣隊の一員であった甲斐地侍の勘五郎と幼馴染みの藤太は、長篠の戦いの大敗により、徳川へ主家替えを余儀なくされる。新しい主は赤鬼と呼ばれる井伊直政。戦国の終焉と最後の「赤の遺伝子」を受け継ぐ二人の武士の生き様とは。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 物語は武田の赤備えとして長篠の戦いに敗れるところから始まる。勘五郎と藤太は戦国最強の山縣昌景の赤備えとして誇りを持っていたが織田徳川の鉄砲の前に敗れてしまう。徳川に降伏後は家康の意向もあり赤備えの再興を図るが赤備えを任されたのが井伊直政。旧主昌景とは違い直政は部下を苛烈に扱い藤太は直政に付いていけず武士を辞める。直政と家康から付けられた家臣との軋轢が深くなるばかり。勘五郎は赤備えとしての誇りを胸に直政に仕える。

  • 久々の吉川永青作品。井伊の赤備えといえば、その甲冑が彦根城にも展示されていて、ひこにゃんも着ていて、地元のこんにゃくは赤色というくらいに、近江では有名なものなのだが…これ、元は甲斐の武田に所属していた武士団(備え)の甲冑色。

    三方ケ原の合戦で家康を震撼せしめた武田軍団。その中でも最強をもって知られる赤備えは、長篠の合戦で織田・徳川連合軍に敗れた後、徳川に呑まれ、家康直轄の所属ながら井伊長政の指揮下におかれることとなる。

    武田から徳川に移った赤備え、その軍団の中にいた男2人の物語。日本史の動くさま、合戦描写の見事さ、武田勝頼・徳川家康・豊臣秀吉・大政所・井伊長政など歴史上の著名人の描写の巧みさ、とにかく読み処満載。上手いし熱量もある、少々詰め込みすぎという部分も感じられるが、作者にとっては初期の作品、気負いも味わいの時期だろう。

    何より主人公2人、勘五郎と藤太の人生の岐路とその後の歩みの描き方が見事。「赤備え」を大切にする二人だからこそ、それぞれの価値観で袂をわかつあたり、現代人の生き方にも十分にあることで、共感があふれる。

    ラストの、関ヶ原合戦シーンは少々ベタながらもこれ以外はないだろうなという名シーン。NHK大河か劇場映画でやれば、大うけすると思うんだが?

  • 武田の赤備えから、井伊の赤備えへ。「矜恃」とは何かを考えさせられる小説だった。いつか報われると信じて、自らの思いを大切にしながら、生きていきたいと思う。

    吉川永青さんのスタートとも言える作品。三国志物も読んでみたい。

  • 徳川四天王の1人井伊直政の赤備えのルーツについて1人の侍大将を主人公に上手く描いている。決戦は関ヶ原。果たして勘五郎の運命は?!

  • http://wp.me/p7ihpL-68

    最強と呼ばれた山縣昌景の武田家「赤備え」。
    この赤備えに同心として所属する成島勘五郎と飯沼藤太は幼なじみ。
    もともと藤太は成島家で下人の働きをしていた農民の息子。
    身分は違えど「五郎やん」「藤太」と呼び合う仲。
    豊臣と徳川の天下統一の戦いの中で、最後は天下分け目の関ヶ原、2人はどうなっていくのか。

    本書の最後にはこれまでの著者の作品の本人による紹介が載っている。
    『戯史三國志 我が土は何を育む』と本書は吉川英治文学新人賞候補になった作品。
    吉川作品をこれから読もうという方には、本書はお買得かもしれない。

  • 「真田赤備えのルーツはここにあり!いま1番おすすめしたい時代小説です」(歴ドル・小日向えり)

    最注目作家・吉川永青は、ここから読め!
    戦国武将も、現代人も、「強くあるために」闘う男はカッコイイ。

    戦場で最も目立つ朱色の具足。武田信玄配下の戦国最強部隊「赤備え」。赤備え山縣隊の一員であった甲斐地侍の勘五郎と幼馴染みの藤太は、長篠の戦いの大敗により、徳川へ主家替えを余儀なくされる。新しい主は赤鬼と呼ばれる井伊直政。戦国の終焉と最後の「赤の遺伝子」を受け継ぐ二人の武士の生き様とは。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

吉川永青
一九六八年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。二〇一〇年「我が糸は誰を操る」で小説現代長編新人賞奨励賞を受賞。同作は、『戯史三國志 我が糸は誰を操る』と改題し、翌年に刊行。一二年、『戯史三國志 我が槍は覇道の翼』で吉川英治文学新人賞候補。一五年、『誉れの赤』で吉川英治文学新人賞候補。一六年、『闘鬼 斎藤一』で野村胡堂文学賞受賞。近著に『新風記 日本創生録』『乱世を看取った男 山名豊国』などがある。

「2023年 『憂き夜に花を 花火師・六代目鍵屋弥兵衛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉川永青の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×