島はぼくらと (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 115
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062934510

作品紹介・あらすじ

17歳。卒業までは一緒にいよう。
この島の別れの言葉は「行ってきます」。
きっと「おかえり」が待っているから。

瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。

大人も子供も一生青春宣言!辻村深月の新たな代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 瀬戸内海に浮かぶ離島で、つかず離れず育ってきた4人の高校生たちと、彼らを取り巻く人々の話。
    島にいられるのは高校までで、大学に行くんだったら外へ行かなければならない。
    しかし事情で島から出ていけない人もいる。
    出ていく人とは逆に、島はいろいろな事情のある人も受け入れる。挫折や軋轢に悩み、逃げるようにして島に落ち着いた人。島を発展させようと前向きな人……。
    島の中に住む人たちも、島をどうしたいのかそれぞれ思惑が異なる。

    フェリーを使って本土の高校に通えるものの、最終フェリーが午後4時だから部活さえできいな島の子たち。
    赤の他人と『兄弟』の契りを交わすことで、親戚同様の付き合いをするけども、いい面もあれば悪い面もある。
    Iターンで島にやってきた人と、もともとの島の住民たちとの思い。

    いろいろな人たちの思いをそれぞれの立場から描いていて、離島を巡る事情を考えさせられました。
    最後は爽やかに終わって、本当に清々しい気持ちになった。

  • 瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。

  • 17歳。卒業までは一緒にいよう。
    瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。ある日、冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。

  • 都会から離れた瀬戸内の小さな島ではあるが、決して閉ざされてはおらず、外からの転入者“Iターン”を積極的に受け入れ活気もある冴島。そこで暮らす人々に訪れる出来事を、本土の高校へ共に通う4人の高校生たちの視点を通して多面的に描いている。

    語り手でもある主人公の高校生たちは未熟でもあり純粋さも残しているのに対し、周囲の大人たちは、現実との折り合いの中でそれぞれに暗い内面を有しともすれば醜い面も見せるが、そうした世の中の現実を過度に貶めるでもなく、むしろ経験を積んだ大人たちの強さとして前向きな部分を伝えようとしている点が、この作品の良さだろうか。

    ストーリーの核心ではなく合間で表現されている高校生たちの小さな成長の積み重ねや友情の深まりも、青春ものが嫌いではない自分には好ましく映った。ミステリーの謎解きは、やや都合よく行きすぎた感もあるが、感動を誘われたことは間違いない。

  • 辻村さんの得意のスターシステムを使い、従来のファンも楽しませつつ。

    島に暮らす子供たちと、町おこしを狙う人々。
    テーマは、もはや現代ではありふれたもの。

    でも、そこで見えてくるのは、おそらく多くの小説が描けていない実情。そこにきちんとフォーカスできる辻村さんの取材力はさすがです。
    それだけじゃなく、その実情のさらに奥にある、人間のつながりのありかたを描く、想像力こそ、本当に素晴らしいなとおもいました。

    シンボルとなるモノや言葉を、丁寧に扱って、さまざまな意味を付け加えながら物語を転がし閉める、見事な構成に最高の読後感を味わうことができました。

  • 辻村深月氏の作品は「ツナグ」以来。過去に、トラウマになりそうなほど救いようのない暗い小説を読んでから、もう読むまいと思っていた作家だった。しかし、「ハケンアニメ!」や「ツナグ」のような自分好みの本当に好きな作品も後にあることを知る。
    この作品は、ある小さな南の島に住む、4人の高校生たちが主役。Iターンの島民や、島に来る様々な大人たちとの触れ合いがテーマ。私は4人の中では、演劇の作家志望でまっすぐな性格の新が好き。
    島を活性化させるために派遣された30代女性のヨシノも素敵な女性。好きなシーンは、普段クールな衣花が、泣きじゃくって、朱里に「行かないで!」っていう場面と、新が衣花に告白するドキドキシーンが好きかな。
    これは続編も是非書いて欲しい!

  • 瀬戸内海に浮かぶ火山島、冴島。
    島には高校がないため、フェリーで本土の高校に通う、
    4人の高校生が主人公。

    彼らを取り巻く環境やIターンで冴島に来る人々の話。

    島にIターンで来る人たち、様々な事情から島から出ていかなくてはならなくなった人たち。

    色々寂しい想いのする作品ですが、終わり方はよかったです。

  • 本屋大賞2014年3位。学園青春小説。自分の最も好きなジャンルのひとつだけどなんか乗らない。だらだらと日常が進む中で小さなドラマが起るけどちょっと退屈。なぜだか、大人が想像した学園生活といった作り物めいた違和感があってどうも感情移入できない。それもあって、人間関係もいまいちわかりにくくて物語に入っていけず悪循環。紙一重なんですけどね。最後の章は少し面白かった。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。美人で気が強く、どこか醒めた網元の一人娘、衣花。父のロハスに巻き込まれ、東京から連れてこられた源樹。熱心な演劇部員なのに、思うように練習に出られない新。島に高校がないため、4人はフェリーで本土に通う。「幻の脚本」の謎、未婚の母の涙、Iターン青年の後悔、島を背負う大人たちの覚悟、そして、自らの淡い恋心。故郷を巣立つ前に知った大切なこと―すべてが詰まった傑作書き下ろし長編。直木賞受賞、第一作。

    ミステリー色の無い青春人間離島ドラマです。誰も死なず悲惨な事も無いので安心して読めます。表紙の爽やかな雰囲気をそのまま感じられます。青春小説嫌いには厳しいのでしょうが、僕のような青春小説好きにはとても楽しめるものでした。
    過疎地域の活性化を実際に手がけている人にはどう読まれるか興味ありますが、こんな島有ったら移住したいなと思う位いい島です。ちょっと現実と遊離していて匂いが感じられないきらいはありますが、まあ小説で希望にあふれる物なのでこれでいいいのだ、と言う感じでしょうか。
    登場人物にもう一癖持たせたらシチュエーションがもっと生きたような気がした次第です。
    全体としては楽しんで読めました。

  • 良い意味で思ってたのと違った。幻の台本や医者やテレビや居なくなった人…いつかそれらの点がつながるのかと思っていた。でもそうではなく、バラバラのままで緩やかに萎んでいった。
    大きな伏線なく盛り上がりも弱かったけど、最後の衣花ターンはずっと涙腺緩みっぱなしだった。それまでの絆の深さを感じてたぶんかなー。それぞれの決意が心優しくて嬉しくなる。
    あとせっかく環を出すならもうちょっと効果的だとよかった。救世主になってたから都合良いかも。

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プロフィール

1980年山梨県生まれ。
千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。
2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞をそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第15回本屋大賞の大賞を受賞した。
他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。

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