警視の挑戦 (講談社文庫)

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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062934558

作品紹介・あらすじ

オリンピック出場を目指すボート選手の遺体が、テムズ川で発見された。被害者は、ロンドン警視庁の女性警部。容疑者は次々と浮上した。コーチ、前夫、ボート仲間、そして警察幹部。捜査を任されたキンケイド警視は、「新妻」ジェマの協力を得て、事件の核心に迫る。重厚かつ多層的なストーリー。驚愕の結末。

感想・レビュー・書評

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  • 警視キンケイドとジェマのシリーズも14作目だそう。
    毎回細部まで面白くて、大好きなシリーズです。

    今回はボート選手の女性の視点で始まるため、新鮮なスタート。
    英国では伝統ある人気スポーツらしいですね。
    オリンピック出場を目指すボート選手の世界が垣間見えます。

    テムズ川で発見されたのは、ロンドン警視庁の女性警部。
    警視ダンカン・キンケイドが育児休暇に入る直前、捜査を任されることに。
    コーチ、前夫、ボート仲間、川沿いの住人、さらには警察幹部までが関わってきます。

    ジェマはかってキンケイドの部下で名コンビでしたが、恋人になって別な署へ。
    前作でさんざん動揺した末に、ついに結婚式を挙げたばかり。
    連れ子の子どもたちが良い子で、さらにシャーロットという幼い女の子を引き取ったところ。
    ジェマの両親はいい顔をしませんが、いつの間にか可愛がり始めるあたり、よかったですね。

    キンケイドの部下とジェマの部下に交流があったり。
    当初見えた様子と違う展開になったり、重厚な内容を堪能できました。
    警視がタイトルについているので見つけやすいけど、原作にはありません。キンケイドは絵に描いたような良い人で、優しくて優秀でハンサム。ジェマほど存在感がないんですけどね~(笑)
    今回は珍しく?警視も本気になるシーンも。
    いつも読み応えがあり、しかも細やかなので、安心して読めます。
    ごく初期のものはあっさりしているけど、長いこと水準が高いまま、はずれのないシリーズです☆

  • シリーズ第14作め。翻訳が中断されるシリーズも少なくない中、いまだちゃんと翻訳が出版され続けていることに感謝。タイトルを全て「警視の〜」で揃えることは、シリーズ認知度の向上に一役買っているのだと思うが、タイトルが似すぎていて、どれがお目当の本かわからないという混乱もある。
    オリジナルは2011年の作品だが、話の発端とも言えるある犯罪が、昨今センセーショナルな形で世界中で議論を呼んだニュースとよく似ていることに驚いた。これはもちろんここまで話題に上らなかっただけで、実際には多く起こっていたことの証左でしかないのだけれど。
    もしこの小説が2018年に書かれたなら、作者は世論の変化を受けて、少し違ったエンディングを用意しただろうか。そうだったらいいなと思うが、多分そうはならない。社会はそこまで寛容ではないから。
    犬好きの人は、犬の飼い主への愛情の深さに胸が熱くなること間違いなし。

  •  警官であり、オリンピックを目指すボートの選手である女性が殺された。

     イギリスにおけるボート競技の重要性がわかってないと、ちょっとなって感じ。反対にボート知ってる人は、とっても楽しいのだろうな。
     
     ともあれ、きちんと結婚式をあげた二人。
     で、前作で事件の被害者の子供を引き取ったのだけど、子供しかも幼児がいるというだけで、家庭の匂いというかリズムというか、そういうものが湧き上がってくる感じで面白かった。

     事件は、相変わらず地道な捜査と、ひらめきで解決していくのだけど…。
     答えにたどり着きそうなところで、とんだ障害があらわれる。
     そのあたりのキンケイドの毅然とした態度は、すごく恰好いい。
     シリーズが続いている年月が、積み重ねてきたものが出てる気がした。

     …でも、やっぱりボートはわかんないのよ…。

  • シリーズ十四作目。
    前回ダンカンとジェマが結婚し、キッドとトビーを含めた四人家族になるのかと思いきや、事件で一人ぼっちになった女の子をジェマが引き取っていずれ養子縁組したいと思っているところから。
    ジェマが突然父母を失くしたシャーロットのために育児休暇をとって、今度は入れ替わりにダンカンが育児休暇をとる予定の矢先にボートの選手が行方不明騒動から、死亡しているのが見つかったという始まり。
    ボートに詳しくはないものの、イギリスの風景描写と相まって、苦になりませんでした。ヘンリー・ロイヤル・レガッタで調べるとその風景すらも出てきて、このホテルにダンカンは止まったのかと、より小説が面白いです。
    ところが事件の方はどんどん嫌な方向に。
    退職してもなお権力を持つ輩の過去の犯罪に向き合う羽目になったダンカンとカリン。調べていくうちにジェマもメロディすらも巻き込んで全員絶体絶命からのどんでん返し。
    ジェマの活躍は少ないものの、面白かったです。
    このシリーズ好きなので、発行されるたびに訳されてありがたいです。

  • 1993年発表から20年以上続く息の長いシリーズ。今回は伝統のボート競技選手に関連した事件を軸に展開します。ダンカン警視、妻のジェマの仕事仲間、そしてテムズ川捜索救助部隊の人々といずれも魅力的な人々が登場します。イギリス好きの私にはたまらないシリーズです。天気や風景の描写その場にいる気になっています。主人公の家族にも時間の流れが感じられ、そろそろ前作作品を読み直してみたいなあと思っているところです。

  • 1作目からずっと読み続けているシリーズ。
    イギリスが舞台で、毎回すごくイギリスらしい場所やモノやテーマがフィーチャーされる。たとえばこれまでには、ウィスキー(だったかな)醸造所とかアンティークショップとか古文書とかパブとか(うろ覚えで違うかもしれないけどこういう感じのモノ)。今回はボート競技。レガッタっていうやつ。オクスフォードとケンブリッジ大学対抗とか。そして、折々にイギリスっぽい食べ物とか風景とかが描写されて、そういうイギリスっぽさがたまらない。

    でも、この作品がどう、っていうより、こちらの気分なのだけど、どうも最近ミステリにそんなにハマらないという気分があるので、なんとなく深く入れなかったような。謎ときより、もっとボートの話してほしい、とか思ってしまった。

  • 警視キンケイド・シリーズの第十四作。

    前作で両親を殺された少女、
    思った通りにキンケイドとジェマに引き取られることになっていた。
    キンケイドが育休を取る直前に、
    警部であり、ボート競技でオリンピックを目指していた女性が
    殺される。

    ケンブリッジとオックスフォートのボート対抗戦に出ることが、
    そんなに名誉なことだとは知らなかった。
    一生の飯のタネになるとは、
    日本だったら高校野球の優勝ぐらい?
    それでも、一生食べて行けるわけではないし。

    事件は副警視監の犯罪がらみになっていく。
    キンケイドは自分の正義を貫けるのだろうか。

    ダグとメロディの仲はなかなか進まないが、
    ジェマがその両親や親友ヘイゼルと、
    また仲良くやっていけそうなのは良かった。
    黒猫シドも元気そうだったし。

  • 久しぶりのキンケイド警視シリーズ。よりドラマチックに。ボートの女性選手の死をめぐる捜査。
    ジェマとダンカンには家族が増え、ジェマが仕事へ復帰する直前、ダンカンが育児休暇をとる間際の物語。
    次はダンカンが育休の間とかなのかな。巻を重ねるたびに面白くなって行くシリーズ。

  • キンケイドシリーズ14冊目、レガッタが題材。以前のナロウボートの話(11冊目の『警視の覚悟』)と印象がかぶる。『警視の覚悟』が個人的に高評価だったため、こちらには少々辛めの点を付けたくなる。

  • ストーリーは好きやけど、シリーズ通してキンケイドの魅力が全く分からん。世の男性諸氏はどうなんやろ?

  • 英国警察小説の決定版! シリーズ屈指の結末 五輪出場を目指すボート選手の遺体が、テムズ川で発見された。被害者は、ロンドン警視庁の女性警部。捜査を任されたキンケイド警視は、「新妻」ジェマの協力を得て、事件の核心に迫る。エリートの黒い欲望とは?

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著者プロフィール

米国テキサス州ダラス生まれ。後に英国に移り、スコットランド、イングランド各地に住む。現在は再び故郷・ダラス近郊で暮らす。代表作のダンカン・キンケイドとジェマ・ジェイムズのシリーズは、米英のほか、ドイツ・イタリア・ノルウェー・オランダ・ギリシア・トルコでも翻訳され、人気を呼んでいる。

「2023年 『警視の慟哭』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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