青春の門 第八部 風雲篇 (講談社文庫)

  • 講談社 (2016年12月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784062934862

作品紹介・あらすじ

故郷の筑豊を離れ、上京してから七年。葛藤、挫折、再起をくり返し苦悩する伊吹信介は、ユーラシア大陸横断の大望を胸に秘め、シベリアへの密航を果たす。国際情勢の複雑多岐な現実に戸惑いながらも、大自然に生きる人々との出逢いに心打たれる信介。未知の世界の息吹に触れ、冒険の旅は続く。不滅の超大作・第八部

みんなの感想まとめ

葛藤と冒険が交錯する物語が描かれ、主人公の信介は故郷を離れ、シベリアへの密航を果たします。彼は国際情勢の複雑さに戸惑いながらも、大自然の中で出会う人々との交流を通じて成長していきます。信介の孤独な挑戦...

感想・レビュー・書評

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  • 2016年に出版。なにゆえ、五木寛之は人生をかけて『青春の門』を書くのだろうか。
     伊吹信介という筑豊生まれの若者の限りない好奇心の広がりを時代に翻弄されながらも、なにをしたらいいのか?悩む信介が、頼もしい。時代は、1961年、日本は復興の道をひたすら走っている。
     北海道から、奈良に向かう信介。和辻哲郎の『古都巡礼』に導かれながら。海外に行こうと思ったから、余計日本のことを知りたくなっている。そして、ハーレーダビットソンに乗せられて、牧オリエのラジオの公開録音を聞きに大阪に行く。牧オリエが大きなプロダクションに入ったことで、脚光を浴びるようになる。信介は、オリエに会いたいと思ったが、オリエのマネージャーの懸命に「会わないでくれ。いまだにオリエは信介のことが好きだから」と言われる。時代を変えるような歌手になる。そのような逸材を大切にしてほしいと懇願される。このマネージャーの真摯さがいい。オリエの未来を見ている。オリエの信介宛の手紙が披露される。
     函館に戻り、パスポートなしにハバロフスクに向かう。それも、銀座2丁目の娼婦のカオル、右翼の大物影之原隆元、ルポ船の親玉、岩本、公安警察の安川、元新聞記者の西澤、ジョンと襟子という奇妙な団体による密入国。いかにも、怪しさ満々の一行だ。
     西澤の友人だった伊庭は、死んだと思われていたが、ハバロフスクで伊庭と出会う。
    伊庭は、ハバロスクにいる理由があった。モスクワから離れたハバロフスクは、その近くで原爆の実験さえも行われていた。それが、日本人捕虜のシベリアの強制労働の歴史と死が深く眠っている。
    その一行は、パーティに招かれ、スミルノフ将軍からはシベリア地区の分離独立の企てを手伝えと言われる。ふーむ。シベリアの独立って、あるのか。ロシアの知らない部分が突出する。伊吹信介は、ウォッカの飲み過ぎでぶっ倒れる。けっこう、カワイイのだ。
     そういう信介に、恋心を抱く17歳のアニョータ。父親が日本人である。アニョータは、信介の布団の中に裸で侵入する。そして、鳩の声のような嗚咽を漏らす。信介は、オリエ、襟子そしてアニョータと渡り歩く。素朴な男は、モテるのだ。有名だったら、周作くんのように文春砲でいじめられそうだ。まぁ。結婚していないから自由だけどね。信介の軽さもいいなぁ。据え膳食わぬは、日本男子の恥なのか。それにしても、カオルは、エセーニンの詩を歌うとは。五木寛之の心得たツボ。
     信介は農場の手伝いをし、馬の世話を焼き、アニョータに、徹底的にロシア語を教えられ、アニョータとヨーロッパに向かう。襟子は、娼婦をしていたおばあちゃんの故郷に向かう。それにしても、伊吹信介、どこに行くのだ。漂流する中で、日本人であることを自覚する。 

  • 五木寛之の原点は青春の門ですね。

    • yhyby940さん
      高校時代、友人から教えてもらって「筑豊編」から「放浪編」までは読みましたが、その先は読んでいません。読んでみたくなりました。ありがとうござい...
      高校時代、友人から教えてもらって「筑豊編」から「放浪編」までは読みましたが、その先は読んでいません。読んでみたくなりました。ありがとうございます。
      2024/03/13
  • 何か持って生まれた男っているんだよね。だんだん手の届かない世界のお話になっていく。

  • 無事にハバロフスクに着いたが、政治闘争に巻き込まれることを拒んだ信介たちは、強制収容所に連行せれそうになるところを伊庭に助けられる。

    信介は単独でソ連横断に挑む。襟子があっさり仲間を裏切り、ソ連に残ることや信介がなんだかんだでいつもモテることがうーんって感じ。

    先が気になるが、ここら辺で終わり!?とちょっと物足りない。極東共和国の考え方は面白かった

  •  織江は本名牧オリエに戻り、「あの夏に帰りたい」が大ヒット、ベストテン上位に。一方、伊吹信介25歳は、西沢、ジョン、カオルらと、公安の監視下、非合法でハバロフスクに。日本人捕虜の中には現地のロシア娘と結婚した者、ウクライナ人の娘と結婚した者もいた。ロシアは何10万人ものウクライナ人をシベリアに強制移住させ原子力の施設を建設。信介はウクライナ人の母の娘アニョータとユーラシア大陸横断の旅をすることに。パスポートなしでの横断、命がけでロシア語をアニョータから学ぶ信介。明日は出発。♪夜霧の彼方へ別れを告げ♪ 五木寛之「青春の門 第八部 風雲篇」、2016.12発行、427頁。

  • 密入国したシベリアでの無理やりな展開でなんとか信介の旅を続けさせようとすることに、本来のストーリーとは別のところでハラハラする。

  • 無事に無法人種のすむ、ロシアを横断できるか? ウソの国を早く脱出した方がいい。

  • 風雲篇の最終章、信介が旅立つにあたって西沢記者からの手紙に共感した。忘れないように書き留めたいと思う。私は信介とはかなり年齢が離れているが、いつまでも心に残したい文章だ。また、2017年から新青春の門が週刊現代に連載されているを知った。早く読みたいと思う。

  • 伊吹信介は、ユーラシア大陸横断の大望を胸に秘め、シベリアへの密航を果たす。国際情勢の複雑多岐な現実に戸惑いながらも、大自然に生きる人々との出逢いに心打たれる信介。未知の世界の息吹に触れ、冒険の旅は続く。

    北方領土問題、日米ソ3国の政治的思惑などを絡めたスリリングな展開で、これまた一気読み。多分にご都合主義的なところはあったけれど、そんなことは気にせず読み進めるだけの魅力は十分だった。
    (B)

  • 2017年3月6日

  • 世紀の超大作、完結に向けて再始動!
    ユーラシア大陸横断の大望を秘め、シベリアへの密航を果たした伊吹信介。かの地で目の当たりにした国際情勢の複雑多岐な現実、そして大自然に生きる人々との出逢い。未知の世界の息吹に触れ、冒険の旅は続く。

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著者プロフィール

1932年、福岡県生まれ。作家。生後まもなく朝鮮半島に渡り幼少期を送る。戦後、北朝鮮平壌より引き揚げる。52年に上京し、早稲田大学文学部ロシア文学科入学。57年中退後、編集者、作詞家、ルポライターなどを経て、66年『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞、67年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞、76年『青春の門筑豊篇』ほかで吉川英治文学賞、2010年『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。ほかの代表作に『風の王国』『大河の一滴』『蓮如』『百寺巡礼』『生きるヒント』『折れない言葉』などがある。2022年より日本藝術院会員。

「2023年 『新・地図のない旅 Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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