祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
4.05
  • (616)
  • (915)
  • (445)
  • (32)
  • (5)
本棚登録 : 9671
感想 : 583
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062934978

作品紹介・あらすじ

悲劇なんかじゃない。これが私の人生。
加賀恭一郎は、なぜ「新参者」になったのか---。

明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることに加賀恭一郎は激しく動揺する。それは孤独死した彼の母に繋がっていた。

シリーズ最大の謎が決着する。
吉川英治文学賞受賞作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • R1.12.31 読了。

     先に映画を観た。やはり原作の方が断然良い。幕開けは殺人事件。その後は犯人探しメインというよりも、せつない父娘の物語。真相に近づくほどに心が締め付けられる思いがした。父と娘の絆が強いだけに。守りたい者を守る難しさも考えさせられた。
     どういう展開なら、良かったんだろう?

  • 加賀恭一郎シリーズ第10弾。
    恭一郎と亡くなった母親の真実、作中に登場する父娘の犯した悲しい犯罪と生き様。この2つのストーリーが必然的に繋がっている秀逸な展開には感動。
    前作に続き、不器用な親子の愛と絆が切なく苦しく愛おしく描かれている。

    また、過去のシリーズから読んできた私としては、恭一郎親子の真相、捜査一課への復帰を拒み、所轄の日本橋署への異動を希望した真相も描かれていて納得の読了感だった。

  • 久しぶりの加賀恭一郎シリーズ。適当に選んで読んでいるので順番が前後してしまう。
    加賀の母親の失踪から始まる。亡くなった母親の遺品が加賀に渡るが、忘れられたかのように次の事件が起きる。事件を担当するのが従兄弟の松宮。松宮からの情報で加賀の母親からの遺品に繋がって行くが、読んでいて中々真相に迫れない。
    次々と失踪者が現れ、これまた誰が誰やら混乱が深まる。
    母親と子供、父親と子供、夫婦の関係、幾つもの家族が複雑に絡み合う。全ての疑問が解決した時に、哀しさが湧き上がるが、加賀の恋愛らしきものがちょっとだけ和らげてくれる。

  • 【感想】
    加賀恭一郎シリーズの前作である「麒麟の翼」同様、本作品もこれまでに何度も映画やDVDで観た作品。
    なので、大まかな内容はもう全部頭に入っている上でこの本を手に取りました。
    それだけネタバレしていても尚、読んでいてとてつもなく面白く感じるのだから、本当にこの作品の完成度は高いんですよね!

    今まで何十冊も東野圭吾の作品を読んできた上での感想として、(あくまで主観ですが)東野圭吾作品のクオリティは大きく4段階に分けています。

    1.ハズレ
    2.普通
    3.アタリ
    4.レベチ

    勿論、東野圭吾の作品はいずれも構成がしっかりとしているので、やばいレベルの「ハズレ作品」なんてほぼ全くありませんが、前回レビューを書いた「危険なビーナス」等々、作品全体の完成度の高さにはどうしても多少の偏りがあると思っています。

    ちなみに、各カテゴリに属する作品は以下の通りです。(※あくまで私の主観です)
    1.ハズレ:変身、私が彼を殺した、ブルータスの心臓
    2.普通:人魚の眠る家、どちらかが彼女を殺した、ラプラスの魔女、ガリレオシリーズ他作品、加賀恭一郎シリーズの他作品 他
    3.アタリ:幻夜、さまよう刃、夜明けの街で、聖女の救済、真夏の方程式、手紙、時生、流星の絆、宿命、赤い指、麒麟の翼 他
    4.レベチ:白夜行、悪意、新参者、希望の糸、容疑者Xの献身

    そして本作「祈りの幕が下りる時」は、文句なしの「レベチ」作品でしたね!!
    父娘の絆であったり、加賀恭一郎の過去であったり、複雑なトリックや状況証拠が、色んな悲劇と奇跡が重なって事件が解決していく。
    その様は、犯人である浅居博美が演出した舞台劇のように鮮やかだった。。。
    あらすじに、「悲劇なんかじゃない。これが私の人生。」という一文がありましたが、浅居父娘や加賀恭一郎の各々の人生を垣間見ることが出来、読んでいてとても心にグっときました・・・・


    ちなみに、冒頭で挙げた映画版もとてもオススメです。
    阿部隆は勿論、浅居博美役の松嶋菜々子や浅居忠雄役の小日向文世が本当にイイ味を出していて・・・・
    思い出すだけでも涙ぐんでしまうくらいの名作。
    まだ見ていない人は、是非ご鑑賞下さい!


    【あらすじ】
    悲劇なんかじゃない。これが私の人生。
    加賀恭一郎は、なぜ「新参者」になったのか---。

    明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。
    捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることに加賀恭一郎は激しく動揺する。
    それは孤独死した彼の母に繋がっていた。

    シリーズ最大の謎が決着する。


    【引用】
    1.うちを出た後、お袋がどんな思いで残りの人生を過ごしたのかを、どうしても知っておきたい。
    俺や親父の事を忘れ、完全に新しい人生を送っていたのなら、それはそれでいい。
    だけどもし、俺たちに対して何らかの思いを抱いていたのだとしたら、それを汲み取るのが俺の役目だと思う。
    なぜなら、あの人がいなければ、俺はこの世には生まれてこなかったからだ。

    2.「人には色々と事情というものがあるんです。生きていくために必要な時には多少の嘘だってつきます。でも加賀さん、もしあなたの推理が当たっていて、父が夜逃げ先で死んだとして、私は何かの罪に問われるのでしょうか?」

    3.「つい最近、知り合いの看護師からこんな話を聞きました。死を間近にした人が言ったそうです。
    子供たちの今後の人生をあの世から眺められると思うと、楽しくて仕方がない。そのためには、肉体なんか失ってもいいと。
    親は子供のためなら自分の存在を消せるようです。それについて、どう思われますか?」
    この言葉に、博美は一瞬目眩がしそうになった。だが懸命に堪えた。

    4.「彼女の成長と成功を見守る事が唯一の生き甲斐だったというわけか」
    「そして彼女が成長し、成功すればするほど、浅居忠雄自身は自らの運命を呪っただろう。自分の存在が世間に知られれば娘は破滅する。いわば彼自身がパンドラの箱だったわけだ」
    「パンドラの箱か・・・」松宮が呟いた。「押谷道子は、それを開けてしまった。だから殺された、というわけか。30年間、誰一人として開けなかった箱を」
    箸で餃子をつまみかけていた加賀が、その手を止めた。「果たしてそうかな。本当に、誰一人として開けなかったんだろうか?」

    5.あの時、加賀に会いに行ったりしなければ、現在の窮地はなかったのかもしれない。
    まさか彼によって自分たち父娘の秘密が暴かれることになるとは、夢にも思わなかった。
    だが博美は後悔など全くしていない。
    加賀と会い、語らう事で、彼の母親つまり忠雄にとって大切だった女性の人柄を窺い知れたからだ。

    きっと素晴らしい女性だったに違いないと、加賀に会って確信した。
    忠雄の人生が絶望的に暗い事はよく知っているので、幸せの気配を感じられただけでも嬉しかった。

    振り返ってみれば、小さな過ちを数多く犯している。加賀はその一つ一つを拾い集め、真実という城を築き上げたのだろう。
    大した人物だ、と心底思う。




    【メモ】
    p46
    上司たちには言えなかったが、二つの事件に繋がりがあるように感じるのは、発生日時や距離が近いからだけではなかった。
    もう一つ、印象という重要なファクターがあった。
    越川の部屋の捜索には松宮も加わり、すべてを調べても越川が何者なのかを示すものは見つからなかったが、その暮らしぶりだけはよくわかった。

    それを一言でいえば、典型的な「その日暮らし」だった。

    将来に対する夢や展望が感じられず、代わりにいつでも死を迎える覚悟を窺わせた。
    食べ物にしろ雑貨にしろ、備蓄してあるものが何もない。何しろ冷蔵庫がないのだ。
    松宮は室内を見回し、ここは部屋であって部屋でない、と思った。そして思い浮かべたのは、ホームレスたちが作る青いビニールシートの小屋だ。
    越川睦夫は、この部屋で息を潜めるように生きてきたのではないか?


    p128
    「恭さんは日本橋署に来て、変わった。ものすごく街に溶け込もうとしている。街の隅々に気を配って、ここに住む人たちのことをすべて把握しようとしているようにも感じる」


    p145
    「伯父さんは、どうして捜さなかったのかな」
    加賀は口の片端を曲げて笑った。
    「去る者は追わず、その方がお互いのためだと思ったってさ。だが仮にうつ病が原因だったとしても、その事に気付いてやれず、精神的負担を取り除いてやれなかったという点において、すべての非は自分にある、百合子は何も悪くない。親父そう言った。」

    「さらに、こう付け加えた。死ぬ前に、一目でいいから我が子に会いたかったはずだ。それを思うと胸が痛む、と」
    松宮がその言葉を聞くのは初めてではなかった。何年か前のことを思い出した。
    「伯父さんと恭さん、約束してたんだったな。たとえ伯父さんが危篤状態になっても、恭さんはそばにいないって。伯父さんは一人で死んでいくと決めてたんだろ?」
    「それがお袋に対する、せめてもの詫びのつもりだったんだろうな。男の意地でもあったかもしれない。気持ちはわかったから、俺も付き合う事にしたが・・・」
    あの時の行為が正しかったのかどうか、加賀は未だに答えが出せないでいるのかもしれない。


    p146
    「うちを出た後、お袋がどんな思いで残りの人生を過ごしたのかを、どうしても知っておきたい。俺や親父の事を忘れ、完全に新しい人生を送っていたのなら、それはそれでいい。だけどもし、俺たちに対して何らかの思いを抱いていたのだとしたら、それを汲み取るのが俺の役目だと思う。なぜなら、あの人がいなければ、俺はこの世には生まれてこなかったからだ」


    p182
    「どれだけ無駄足を踏んだかで、捜査の結果が変わってくる・・・だな?」
    加賀は松宮を見て、にやりと笑った。
    「まぁ、そういうことだ」
    松宮が言った言葉は、亡くなった加賀の父親の口癖だった。


    p320
    「お父さんの死亡が確認されるのは、おそらく遠く離れた土地での事だ。死亡届はその場で出され、遺体もまたそこで荼毘に付された。だから学校の同級生などは何も知らないままだった」
    「苗村教諭はあなた方が夜逃げした事はわかっていて、そのうちにお父さんの死亡を知った時も生徒たちには伏せていた。さらに、どうしてもそれを明かさなければならないケースでも、夜逃げ先ではなく地元で自殺を図った事にした。夜逃げしたという悪いイメージがあなたに付くのを恐れたからです」

    博美は加賀を見返し、軽く拍手した。
    「大した想像力。刑事さんって、どなたもそんなふうなんですか」
    (中略)
    「人には色々と事情というものがあるんです。生きていくために必要な時には多少の嘘だってつきます。でも加賀さん、もしあなたの推理が当たっていて、父が夜逃げ先で死んだとして、私は何かの罪に問われるのでしょうか?」


    p321
    「つい最近、知り合いの看護師からこんな話を聞きました。死を間近にした人が言ったそうです。
    子供たちの今後の人生をあの世から眺められると思うと、楽しくて仕方がない。そのためには、肉体なんか失ってもいいと。
    親は子供のためなら自分の存在を消せるようです。それについて、どう思われますか?」
    この言葉に、博美は一瞬目眩がしそうになった。だが懸命に堪えた。


    p332
    「原発はねえ、燃料だけで動くんじゃないんだ。あいつは、ウランと人間を食って動くんだ。人身御供が必要なんだよ。わしたち作業員は命を搾り取られてる。わしの身体を見りゃあわかるだろう。これは命の搾りかすだよ」
    野沢は両手を広げた。シャツの襟元から、あばらの浮いた胸が見えた。


    p380
    「正体がばれないためには、人間関係が広まるのを極力避けねばならない。辛く孤独な人生だったと思う。あの似顔絵の表情が、すべてを物語っている」
    「そんな彼を支えていたのが娘。彼女の成長と成功を見守る事が唯一の生き甲斐だったというわけか」
    「そして彼女が成長し、成功すればするほど、浅居忠雄自身は自らの運命を呪っただろうな。自分の存在が世間に知られれば娘は破滅する。いわば彼自身がパンドラの箱だったわけだ」
    「パンドラの箱か・・・」松宮が呟いた。「押谷道子は、それを開けてしまった。だから殺された、というわけか。30年間、誰一人として開けなかった箱を」
    箸で餃子をつまみかけていた加賀が、その手を止めた。「果たしてそうかな。本当に、誰一人として開けなかったんだろうか?」


    p410
    あの時、加賀に会いに行ったりしなければ、現在の窮地はなかったのかもしれない。まさか彼によって自分たち父娘の秘密が暴かれることになるとは、夢にも思わなかった。
    だが博美は後悔など全くしていない。
    加賀と会い、語らう事で、彼の母親つまり忠雄にとって大切だった女性の人柄を窺い知れたからだ。

    きっと素晴らしい女性だったに違いないと、加賀に会って確信した。
    忠雄の人生が絶望的に暗い事はよく知っているので、幸せの気配を感じられただけでも嬉しかった。

    (中略)

    振り返ってみれば、小さな過ちを数多く犯している。加賀はその一つ一つを拾い集め、真実という城を築き上げたのだろう。
    大した人物だ、と心底思う。


    p411
    ・曽根崎心中のラスト
    「つまりお初は死にたかったんだ。いつも死に場所を探していた。そこで現れたのが徳兵衛だった。お初は思った。どうせ死ぬなら心の底から惚れた男に刺し殺してもらいたい、とね。それを察したから、徳兵衛は刺した。こっちもまた、命がけで惚れた女の夢を叶えてやりたかったんだね」
    お初を刺した徳兵衛は躊躇うことなく今度は自らの命を絶つ。お初を抱くように息を引き取った後、静かに幕が下りていった。


    p427
    「いずれ押谷さんの遺体が見つかる。警察は、越川睦夫という男を捜すやろ。もうこの歳や、逃げ切れるわけがない」
    「そんなの、わからへんやないの。私が隠したげる。絶対に見つからない場所を探してあげる」
    忠雄は薄い笑みを浮かべ、「無理や」と弱々しくいった。
    「博美、もう勘弁してくれ。もう疲れたんや。何十年も逃げ回って、身を潜めて生きてきた。もう逃げたり隠れたりする生活には疲れた。楽になりたい。楽にさせてくれ。この通りや」
    忠雄は正座し、頭を下げてきた。
    「誤解するなよ。辛いこともあったけど、今日までの人生を後悔はしてない。楽しい思いも沢山できた。何もかも博美のおかげや。博美、ありがとうな」

    • トミーさん
      いつも、いいねをありがとうございます。
      恐縮ですが
      傾向が近いようで勝手に喜んでおります。
      いつも、いいねをありがとうございます。
      恐縮ですが
      傾向が近いようで勝手に喜んでおります。
      2020/06/06
    • きのPさん
      トミーさん
      こちらこそ、いつもいいねやコメントありがとうございます!
      東野圭吾、湊かなえ、宮部みゆきなど、小説の趣味嗜好はトミーさんと近...
      トミーさん
      こちらこそ、いつもいいねやコメントありがとうございます!
      東野圭吾、湊かなえ、宮部みゆきなど、小説の趣味嗜好はトミーさんと近いものがありますね(*^^*)

      また何か掘り出し物の良い小説があれば、また教えて下さい!
      2020/06/12
    • アールグレイさん
      きのPさん、初めまして。
      先日は私のレビューにいいねを頂き、ありがとうございました。きのPさんのレビュー、読ませて頂きました。あんなに簡単...
      きのPさん、初めまして。
      先日は私のレビューにいいねを頂き、ありがとうございました。きのPさんのレビュー、読ませて頂きました。あんなに簡単な私のレビュー、お恥ずかしいです。気が向いたら目を通してみて頂ければと思います。
      2021/03/22
  • アパートで中年女性(押谷道子)が絞殺された。アパートの部屋に掛かっていたカレンダーには、各月毎に柳橋、浅草橋、左衛門橋、常磐橋などの日本橋にある橋の名前が書き込まれていた。その数日後、近くの河川敷でホームレスの焼死体が発見されたが、死体には扼殺された痕跡が…。二つの事件の関連性を疑う松宮。アパート住人と焼死体のDNAは一致するが…。道子殺害には、道子が殺される直前に会っていた中学時代の親友で舞台演出家・脚本家の角倉(浅居)博美 の関与が疑われる。また、加賀の亡き母親とアパート住人との間にかつて繋がりがあったことも浮かび上がってきて、事件は複雑さを増していく。

    アパートの住人は誰だったのか? 加賀の母親の恋人ワタベ? 失踪した道子・博美の中学校の恩師苗村? 事件を追う中で、家族の元を去った加賀の母親の一人息子・恭一郎への思いも明らかとなる。

    地道な捜査の積み重ねで事件の真相が徐々に暴かれていく。その中で群を抜いて光る加賀の捜査センス。追い詰められていく犯人の姿も淡々と描かれていて、どぎつさもなく、ミステリーとして単純に楽しめる作品だった(欲をいえば、加賀と母親の心情や心の葛藤などをもっと描いて欲しかったな)。

  • 東野圭吾は、やはり読ませるのがうまい作家だ。
    伏線が巧みに埋め込まれており、何気なく読み進めたあと、ついまた最初から読み返したくなる。
    加賀が、何故父親と相克するのか謎の部分があったが、この作品で母親の最期の様子が記されることによって、やっと明らかになった。
    加賀の家族の問題が一区切りし、今後は、金森登紀子との関係がどうなって行くのか、まだまだこのシリーズから目が離せない。

    『夢幻花』に続き、この作品でも原発が、「3.11」とともに、作業員の就労問題として、告発的に取り上げられている。著者の一つのスタンスか。

  • 頁をめくる手が止まらなかった。加賀恭一郎シリーズではお馴染みの人々が登場して、彼らが本格推理を働かせるからだけではなく、恭一郎の親子関係の謎がやっと解き明かされたからである。

    私は東野圭吾の作品の中でも加賀恭一郎シリーズが1番好きだ。ガリレオシリーズとは違って、しっかりと地味な事件を追っているので、より人間の心理面が焦点になっているからである。初期のものは恭一郎は最後の方に登場するだけで、事件そのものが主人公だったが、最近は恭一郎の人生にもスポットが当たるようになった。それはそれで面白い。しかし、文庫の煽り文句「加賀恭一郎、最大の謎が明らかになる。」というのには異論がある。今回恭一郎が日本橋署に移った理由は明らかになったが、そもそも何故警部補で優秀な恭一郎が所轄にいたままになっていたのか、その原因になっていたはずの浅岡美緒とのいきさつはどうなったのか、今回恭一郎が金森登紀子という別の女性にアプローチしたのは何故か、というある意味恭一郎の「人生にとって最大の謎」が残されているからである。次回こそ、それがテーマになる気がしてならない。

    2016年9月30日読了

  • 加賀恭一郎シリーズを知ってはいたものの今回、初めて読んだ。
    面白かった、文句なしに。

    ありとあらゆる伏線はラストでものの見事に回収され、全てが腑に落ちて読了。
    内容は明るいものではないけれど、親子の愛情や人が人を想う切なさ、祈り(まさしくこの本のタイトル)を垣間見た作品だった。

  • 加賀恭一郎シリーズ。
    ↑このシリーズはあんまり好きじゃなかったけど、この話は面白かった。

    赤い指は相当前に読んだものだったので、登場人物もすっかり忘れていた為、ウィキペディアで少々調べながら(笑)

    途中、自分なりにいくつか推理して、何パターンか考えてみた。
    うーん、こんなの簡単じゃん!って思ったのだが、予想とは全く違った(^-^;
    いい意味でガッツリ裏切られて大満足(*^-^*)

    やっぱり私は純文学よりも、こういう作品が好きだなぁ~。
    解決しちゃうのが勿体なくて、最後2割くらいは読みたくなくなるくらいだった(笑)


  • 新参者の舞台が、私の職場の近くと
    知って、卒業から読み始めて、
    最後にこの本に出会えてよかった。

    著者の
    真夏の方程式も良かったけど、
    この話もとても良かった。

    映画も見たいと思った。

    いつかまた、卒業から読み直そうっと。

全583件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×