祈りの幕が下りる時 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 299
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062934978

作品紹介・あらすじ

悲劇なんかじゃない。これが私の人生。
加賀恭一郎は、なぜ「新参者」になったのか---。

明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることに加賀恭一郎は激しく動揺する。それは孤独死した彼の母に繋がっていた。

シリーズ最大の謎が決着する。
吉川英治文学賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 東野圭吾は、やはり読ませるのがうまい作家だ。
    伏線が巧みに埋め込まれており、何気なく読み進めたあと、ついまた最初から読み返したくなる。
    加賀が、何故父親と相克するのか謎の部分があったが、この作品で母親の最期の様子が記されることによって、やっと明らかになった。
    加賀の家族の問題が一区切りし、今後は、金森登紀子との関係がどうなって行くのか、まだまだこのシリーズから目が離せない。

    『夢幻花』に続き、この作品でも原発が、「3.11」とともに、作業員の就労問題として、告発的に取り上げられている。著者の一つのスタンスか。

  • 娘のために死んだ父。父のために生きる娘。「幸せに」という言葉重いだろうなぁ。

    こんなに強い父娘愛の物語は初めてかな。これほど優しい殺人も。

    女性が殺された理由、謎の焼死体の正体、寒く悲しい父娘の旅が語り終えられた時、事件も解決へ。

    なぜ加賀が日本橋にこだわったのか、なぜ母は黙って家を出て行ったのか、その謎が解けて「新参者」は完結する。新参者ではなくなった加賀恭一郎の活躍に期待。

    祈りの幕が下りる時もよかったけど、やっぱり「容疑者Xの献身」の方が驚きも切なさも凄かったな。
    「容疑者X…」と「赤い花」好きやな。

    映画は結構設定変わっていた。
    博美の部屋が凄くて博美の心の中を表しているのかな…

  • 本当に久々に東野さんの作品を読みました。

    やはりさすがっ!魅了されますね^^;
    ミステリーならではの点と点が少しずつ繋がって線になる瞬間、謎が解け一筋の光が見えた時の気持ちは何とも言えません。
    これぞミステリー!みたいな^^;
    その展開やタイミングが絶妙で^^;これは個人の勝手な感じ方ですが、早すぎても遅すぎてもつまらなくなってしまう絶妙のタイミングで話が展開していく…テンポ感も心地良い…すっかり東野さんの思う壺にどハマりです!笑

    そしていつもそう思いますが、東野さんが最後にもってくるものって『愛』ですよね…
    殺人の加害者だけど、ただ『悪人』という言葉では片付けられない、その親子が背負った過酷な人生、その終わらせ方、絆が生んだ罪には親子の愛が溢れていました。
    ミステリーの面白さだけでなく色々な形の愛で温かいぬくもりや切なさを残してくれる東野作品。
    これからまた読んでいこうと思います。


  • こんな風に生きていくのは、辛いことだろうと思う。
    こんなに辛い思いをして生きていくことと、死ぬことを比べ出すだろうか。それともこういう状況になったら、こんなことをしてでも生きていきたいと思うのだろうか。
    容疑者Xを思い出して、東野圭吾さんは人の入れ替えが好きだなと思った。

  • 加賀恭一郎の母のエピソードが語られることにより、加賀と父親の確執の理由が判明する。
    自分の命・人生をかけても我が子を守らんとする、親のあまりに深い情愛。美しく、それ故に結末が哀しい。

  • 加賀恭一郎シリーズ。第10の事件。
    家族愛がテーマなのかな?
    ラストに向けて深く辛く、でも考えさせられるように。

    子を想う親は、子供のためなら何でも出来る。
    親の愛情を自覚した子供も、
    親を助けるためなら大抵のことは出来る。

    そんな人間の深い部分の感情を、
    抉り出された感じがする一冊でした。

  • 愛が導いた温かいけど悲しい結末。家族を捨てて不倫して好き勝手に生きた母親、うつ病ゆえにあえて家族を守るために家族を捨てた母親。その二人の母親のそれぞれの子供の接点ができ、そして愛するが故に死を選んだ人たちの人生が交錯していく。

  • 加賀刑事シリーズの終幕か。
    随分と壮大なストーリーだった。
    日本橋を中心としたエリアでここまで深掘りされていると、このストーリーに合わせて街歩きをしたくなる。
    観光地になってもおかしくないかも。
    親子の確執もありながら、心の中で分かり合えている事を感じ取っているところが羨ましくもあり、もっと本音で話せたら幸せだったのではないか?とも。
    後味すっきりという話ではないが、このシリーズならではの終わり方のような気も。

  • 加賀恭一郎の過去に何があったのか?
    一番の関心はそこに行き着くのだが、過去と現在を行き来しながら、読み進める焦りを感じるほどの伏線が張り巡らされ、謎が増すばかり。
    それでいて、最後には一気に謎解き、及び事件やいろいろな人の感情が解き放たれていく。
    文章の構成が素晴らしい。

    常に冷静な恭一郎が、彼女から渡される手紙を読んで、どういう態度に出るのか、とても興味がある。
    出来ることなら、不器用な彼に、優しさを吹き込んでほしいものだ。

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    明治座に幼馴染みの演出家を訪ねた女性が遺体で発見された。捜査を担当する松宮は近くで発見された焼死体との関連を疑い、その遺品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることに加賀恭一郎は激しく動揺する。それは孤独死した彼の母に繋がっていた。シリーズ最大の謎が決着する。吉川英治文学賞受賞作。

    流石売れっ子作家の作品はやはり読みやすくて面白い。適度なワクワクと適度なネタばらしでストレス無く読み進められた。内容もシリーズ物でありながらマンネリ化せず大満足の1冊だった。ファンが多いはずだわ。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。
1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。
代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』(2019年3月16日 WOWOW)、玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。

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