家電の神様 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062935630

作品紹介・あらすじ

街の電器屋さんvs.大型家電量販店!
デフレの時代にまさかの「高売り」戦略?!リストラされた「ゆとり世代」の俺に、勝機はあるのか。

大手家電メーカーで働く轟雷太は長引くデフレの影響で入社三年目にして突如リストラされてしまう。転職活動を諦めた彼は実家の母が経営する店を継ぐ決意をする。そこは昔ながらの地域密着型の「街の電器屋さん」。だがそこも近所の大手家電量販店に客を奪われ、経営は風前の灯火だった!<文庫書き下ろし>

「安けりゃいいってもんじゃない!」

感想・レビュー・書評

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  • 大型量販店 vs 街の電器屋さん

    主人公は、大手家電メーカーをリストラされて、実家の電器屋へ戻って来る。
    設定は、東京やけど、この家電メーカーは、大阪のP社のような…

    うちの近所も、
     Joshin、
     ヤマダ電機、
     エディオン、
     ケーズデンキ
    と大型店舗が色々ある。

    でも、近所にひっそりとやけど、街の電器屋さんみたいなのも健在。
    電器屋のおばちゃんも知ってるけど、やっぱり顔広いわ〜
    公園での花見みたいなのも主催側でやってるし、そういう繋がりで、何とかなってんのやろな。
    高齢化社会やから、うちの近所もお年寄り多いし、蛍光灯交換から何から何までしてそう。
    もう、価格だけでの勝負では勝てんし、こういう付加価値で、勝負やねんな。

    この話でも、町おこしで、神社のお祭り復活にも協力してた。そういう地元愛も必要かな。

    出身地(まぁ、電車で30分程で行けるけど)にある神社のお祭りは、まぁまぁ大きいから、まだ、廃れる事は今のところないけど、かけ馬とかは、後継者おらんて困ってたな。(確か、舎人親王祀ってた)

    大きいとこは、大きいとこで、小さいとこは、小さいとこで、色々苦労はあると思うけど、共存共栄というか、相互補完ができると、尚ええな。

    まぁ、現実は、結構キツいやろうけどね〜。頑張り!


    ちょっと、癒し…

    • 1Q84O1さん
      エディオン実家の近くにあります!w

      ヤマダ電機はチビにニンテンドースイッチを買い与えるまで週5で連れて行かされました…
      エディオン実家の近くにあります!w

      ヤマダ電機はチビにニンテンドースイッチを買い与えるまで週5で連れて行かされました…
      2024/02/23
    • ultraman719さん
      ケーズデンキも近くにありました〜
      Joshin推しなんですが、タイガースファンではないんですね!これが(・・;)
      歩いてすぐというのが、ええ...
      ケーズデンキも近くにありました〜
      Joshin推しなんですが、タイガースファンではないんですね!これが(・・;)
      歩いてすぐというのが、ええんです。

      最近、どこの電器屋も、おもちゃ、ゲームコーナー充実してますよね〜
      お正月なんか、ほとんど、そこ狙いな感じですね。
      2024/02/23
    • ultraman719さん
      ゆーき本さん

      ちなみに、冷蔵庫は、今夏に買いました!
      省エネ家電補助金で、少し得しました!
      ゆーき本さん

      ちなみに、冷蔵庫は、今夏に買いました!
      省エネ家電補助金で、少し得しました!
      2024/02/23
  • 街の電気屋VS大手家電量販店。
    おもしろかった。
    街の電気屋さんの役割り、存在意義みたいなものが詳細に描かれていますね。
    電気屋の従業員もみんな一生懸命で前向きで好きになります。特に社長である母ちゃんのキャラが気に入りました。
    大手家電量販店と競いながらも街の電気屋さんの気づきのサービスがとても素晴らしい。私も仕事で常に「かゆいところに手が届くような仕事をしよう」と努めていますが、この本読んで、さらに一生懸命気配りしていこうと決意しました。

  • 小さな町の電気屋の息子に生まれた轟雷太は、大手家電メーカーで働くために東京に出た。
    それなのに3年でリストラ対象に。
    父が亡くなった後、母が社長をしている実家の電気屋に戻ることになる。
    しかし、地元には大手家電量販店があり、小さな町の電気屋には価格でほとても対抗出来ない。
    なので、高くても顧客重視を掲げて奮闘する。
    大手家電量販店にいる幼馴染みの竜三は、喧嘩を仕掛けてくるし、今まで大手メーカーで培ってきたものは殆んど役に立たない。
    それでも、自分が出来ることを仲間と一緒に考える雷太には、少しずつ道が開かれる。

    2023.11.9

  • 「街の電器屋さん」が家電量販店にどう立ち向かったのか興味があり手に取りました。
    住宅業界で働いているため、ハウスメーカーに対する地場工務店の存在意義を教えられた気がします。

    印象に残ったフレーズは以下のとおり。
    ・非効率なことこそ付加価値
    ・お客様の話を聞くことが大事
     ここに至るまでの道のりを聞いてから情報提供
     それがプロの仕事
    ・売上目標ばかり追求したらお客様満足度は下がる
    ・商品は我が子と同じ
     お客様の手に渡ったら、役立っているか、心配して時々は様子を見る等、気にかけてこそお客様との信頼感が増す
    ・サービスする心とは、それぞれが持てるものを精一杯与えて、相手はそれに応えること
    ・商人は売上よりも利益
     利益を上げることで社会貢献ができる
    ・商売は、自分たちの持ち味を見つけ、伸ばし、発揮すること
    ・価格には「心+価格」というものがある
     お店の心をプラスした価格を提供することが商売には大切
     それぞれのお客様に相応しい心のサービスを提供すること
    ・お客の心を掴むには、お客の望むことを何でもやる
    ・「気づき」のサービスとは、お客様が何を求めているか気づくこと
     それを確立することが他との差別化、高売りに繋がる

  • 東京でリストラされた主人公が、uターンして実家の電気屋で働き出す話
    ちょっと子供向け的な、クセのない、ちょっと物足りない感じ。

  • 時間を忘れて読み耽る体験を、久々にさせてもらった。

    大好きな江上剛さんの作品だし、描かれている背景がかなり自分に関連する舞台になってるからである。

    いわゆる家電量販店と町の電気屋さんの戦いなのだが、主人公や周りを固めるキャスト、対峙する敵、その歴史、バックグラウンドが複雑に入り組み、一級の企業小説を作り上げている。

    これ以上は、面白くすぎて言えねーw

    池井戸潤さんや企業小説が好きな読者なら、間違いなく秒でストーリーに入り込んでしまうと思う。それくらい面白い小説。ぜひ読んで欲しい。

  • 家電量販店に負けないように街の電器屋さんが創意工夫し、お客様の為にサービスを重視して奮闘する物語。

  • 町の電器屋さんが、巨大な電器屋と渡り合っていくにはどうすればいいか?という経営戦略を、青春物語を交えながら、わかりやすく解説した小説。
    安売りに反抗して「高売り」する方針の真髄が面白かった。

  • 主人公の雷太と自分の考えが似ていると感じ、一緒に社会勉強をしているような心持ちで読み進めた。

    展開は多少ご都合主義かな?という気もしたし、首をかしげるようなシーンもあったが、色々な気づきも得られたため面白かった。

    【 印象に残ったポイント 】
    ・中小企業の価格を「+付加価値」とポジティブに捉える。
    大手と比較し、どうしても商品価格を上げざるを得ない。その上で、大手では出来ない付加価値をつけねば生き残れない。
    ・売上より大事なのは利益
    会計畑の自分にとっては営業目線の考え方が新鮮だった。
    ・地元への愛情と主体的な関わり方。
    その地に生まれたというだけで無条件に関わる故郷。都会では自分のことだけ考えていれば良いが、地方の故郷では自分も当事者である。

  • 両親も大きな買い物で取り付けが必要なものは、まちの電気屋さんにお願いしています。
    大型店は安いけど、家に入るのか確認してくれないから不安だそうです。
    わかるわーって思いながら読んでいました。

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著者プロフィール

1954年、兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。77年、第一勧業銀行(現・みずほ銀行)入行。人事、広報等を経て、築地支店長時代の2002年に『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。03年、49歳で同行を退職し、執筆生活に入る。その後、日本振興銀行の社長就任、破綻処理など波瀾万丈な50代を過ごす。現在は作家、コメンテーターとしても活躍。著書に『失格社員』(新潮文庫)、『ラストチャンス 再生請負人』(講談社文庫)、『我、弁明せず』『成り上がり』『怪物商人』『翼、ふたたび』(以上、PHP文芸文庫)、『50代の壁』(PHP文庫)など多数。

「2023年 『使える!貞観政要』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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