舞台 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.22
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本棚登録 : 2101
レビュー : 198
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062935821

作品紹介・あらすじ

太宰治『人間失格』を愛する29歳の葉太。初めての海外、ガイドブックを丸暗記してニューヨーク旅行に臨むが、初日の盗難で無一文になる。間抜けと哀れまれることに耐えられずあくまでも平然と振る舞おうとしたことで、旅は一日4ドルの極限生活に--。命がけで「自分」を獲得してゆく青年の格闘が胸を打つ傑作長編!

感想・レビュー・書評

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  • 自意識について考えさせられる作品です。主人公は露骨に「演じること」を嫌い、「それっぽい」ことに嫌悪感を覚えています。しかし、パスポートや財布などを盗まれ全てを失ってからは、そんな小さな拘り?には構っていられなくなる。
    何もなくなって不自由なはずなのに、徐々に自由になっていく様子には共感できるような気がします。冒頭以降は特に大きな展開はないのですが、何故か読み進めてしまう魅力がある小説です。

  • なりたい自分も、なりたくない自分も、正解ではない。
    「ナチュラルな欲求」が存在しない限り、正解には、一生めぐり合えない。

  • んんん。全然分からんかったなあ。
    暗い感情の話が長くて国語の偏差値低い自分には理解しづらかった。

  • 汚いし苦しいし、だけどそういうところ自分にもある。

  • あ、わかる。
    覚えのある感覚がたくさんあった。人間は社会的な生き物だから、否応なく他者からの目を気にして、演じてしまう。何がほんとで何が造った演技なのかもわからなくなってしまう。
    演じている自分を恥じて、自分を追い詰めてしまった葉太が、その苦しみから解放されるには、とことんまで追い詰められて、演じてるかどうかも分からない状態になることが必要だったのだろう。
    たくさんの死者は、生きている葉太の演技をじっと見つめるだけ。演じるというのは、生きているということに繋がるのだろう。ならば、精一杯演じきってみるのもいいのかもしれない。

  • ちょっと主人公の性格は極端だけど、でも共感できる部分がたくさんあって、勇気をもらえた

  • 地球の歩き方を丸暗記し初めての海外旅行でニューヨークに来た葉太。自意識の高すぎる姿にかなりイライラさせられた。誰しも少しは持っているものだなと思ってしまったけど葉太の意識や行動にはどうも共感はできない。1日4ドルの生活で少しだけ変わってきた葉太だが帰国の飛行機で舞台をどんな気持ちで読んでたのかな。

  • 主人公がめんどくさすぎる…!
    読んだ後疲れた…と思いました。

    葉太の「いかにも感」を恥じているところや、両親を軽蔑しているところが逆に「いかにも社会に不満を抱える若者感」「いかにも小説の主人公感」があって滑稽かなと。

    でも、観光地で堂々とガイドマップを広げる恥ずかしさはよくわかるなぁ。
    人はどこかで自分を演じているっていうのも納得できる。それが不幸なことなのかは疑問だけれど。

    大学生くらいが読むといいのかな?と思った。

  • ニューヨークが懐かしい。また行きたい

    葉太は苦しかった
    その苦しさを誰にも分かち合えなかった→躁鬱

    恥ずかしい。のんきな調子乗るやつが嫌い
    だけど、周りの視線を気にせずにありのまま生きることを切望していた。

    「ありのまま生きよう」と風潮とする世界が生きづらい?

    亡霊が見える意味。見られている。だから自意識が過剰になるのでは?演じなきゃと考えるのでは?

    怖いと気付くとは?自分は生きていると気づいたから。

    『腹が減ると不安になり、腹が膨れると大らかになる。もう分かった、大丈夫』
    『僕はもっと強くなれる。恥も外聞もかなぐり捨てて、苦しみから完璧に解放され、やっと、何も演じていない、まるごしの自分になれるのだ』
    ゴミを漁る=目指すまるごしのありのままの境地
    →欲望を抑えず、従うのが羨ましい。それが出来ないから。生まれつきその程度は人によって違うよね。

    ありのままブームになっているからこそ、それが出来ない苦しい人もいるのではないか。共感できる部分もある。


    西加奈子さんの「自分を作ってもええ」「取るに足らない悩みで苦しんでもいい」というメッセージ。

  • 自意識過剰。
    誰しも私も多少は人の目を気にすることも有るけれど、度を越している。読んでいて疲れてしまった。
    隠しているだけで世の中似たような人たちがたくさんいるだろうな。自意識で苦しくなって。無意識にまた思ってしまって。自分で自分の事が嫌になって。人のことも斜めから見る感じになって。でも恥ずかしいから平然を装って。感情が行ったり来たり。
    気持ちはよくわかる。私も多分ある。

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著者プロフィール

西加奈子(にし かなこ)
1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。2020年初夏、『さくら』が映画化決定。プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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