囲碁殺人事件 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062935937

作品紹介・あらすじ

山梨で行われた囲碁タイトル戦・第七期棋幽戦第二局二日目、〈碁の鬼〉槇野九段が、近くの滝で首無し屍体で発見された。IQ208の天才少年棋士・牧場智久と大脳生理学者・須堂信一郎は事件の謎に挑むが、犯人の魔の手は牧場少年にも襲いかかる。ゲーム三部作第一弾開幕! 文庫特典:短編「チェス殺人事件」併録。

感想・レビュー・書評

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  • #読了 ゲーム三部作の第1弾。IQ208の天才少年囲碁棋士である牧場智久が初登場する作品。囲碁のタイトル戦に参加していた棋士の首無し死体が発見される。短編「チェス殺人事件」も収録されている。

  • 探偵と思った人物が堂々披露した推理が外れる以外性が良かった。

  • 牧場智久シリーズ、ゲーム三部作第一弾。
    囲碁タイトル戦の最中、勝利確定かと思われた棋士が近くの滝で首無し屍体で発見された。
    囲碁に関する蘊蓄がたくさんなので、囲碁をまったく知らない私はスルーしてしまった箇所も多いが、囲碁を知っていたらもっと楽しめたのかもしれない。
    牧場智久シリーズは何作か読んでいるが、幼い頃は賢いとはいえ年相応の部分もあり、まだ探偵然とはしていなかったのだなと感じた。やはり順番に読む方がいいですね。

  • この設定だと天才少年棋士が探偵っぽいが、ワトソン然とした大脳生理学者が名推理を披露して謎を解くのがミソかな。作者の名前を見ると身構えてしまうが、ライトミステリ風で読みやすい。囲碁に関する蘊蓄はさすがに読み飛ばした。

  • 竹本健治を『涙香迷宮』から読み始めたので、これが牧場智久初登場作品かー、という感慨を持って読んだ。12歳の智久くんはちょっと生意気な、まさに小学生といった感じで、涙香迷宮の大人びた高校生の感じとは違うねえ。

    暗号は棋譜が出てきた時点で投げてしまったけど、ミステリとしてはかなりオーソドックスで、ウロボロスのような大混乱を気にして構えて読むと、意外と肩透かし。トリックも今読むとそれほどでもない気もするけれど、読みやすいし、どんでん返しだし、途中途中の伏線(私、毒でも盛られてるのかと……)もきちんと回収されて、面白かった。

    ただ、囲碁が全然わからない身には途中挟まれる石の並び方の図やその説明が悲しくなるほどわからず、結末を理解できるのだろうかと心配してたけど、そんな心配は無用だった。いやわかる方がより楽しめるんだろうけども。

    法月綸太郎の解説で、智久、典子、須堂の3人が『虚無への供物』の三人(藍ちゃん、久生、アリョーシャ)に倣ったものだろう、とあって、なるほどーと思った。あんなに不謹慎じゃないけど、典子の途中の後悔なんかには久生の影があるような気もしたし、何しろ作者が竹本健治だものね。『虚無への供物』からの影響を綺麗に溶け込ませるくらいするだろうな。
    解説にはこの作品の明るさについても言及されていて、他の作品と比べると少し浮いている、とあったけれど、私は涙香迷宮→ウロボロスシリーズ→本作という順で読み始めてしまった上に匣の中の失楽も未読なので、本作の立ち位置みたいなものはあんまり把握できていない。他も読んでみたいけれど、囲碁、将棋、トランプがゲーム三部作とまとめられながら、後の将棋、トランプを『狂い壁 狂い窓』と合わせて狂気三部作ともまとめられていると聞くと、ちょっと怖そうで腰が引けてしまうなあ……。

  • なんとなく玄人好みの難しいミステリ書く人ってイメージだったけど意外とすんなり読めた。
    ただ次からはそうもいかないみたいなのでこれだけでもういいかな。

  • 囲碁をある程度分かってないと、中盤がくるしい…
    単語が全然入ってこない…
    ヒカルの碁読んでたくらいの私には厳しかった⤵︎

  • 囲碁、全然知らないんです。
    なので棋譜を使った暗号は全然ピンと来なかった。
    ていうか、かなり囲碁に詳しくないと、暗号の真意は腑に落ちないんじゃないかな。

    囲碁界の鬼と言われる槙野九段がタイトル戦の第2局目に凄い閃きで勝利しかかったその夜、首切り遺体で発見される。天才少年棋士智久と大脳生理学者須堂が事件に挑む。

    1人殺されるシンプルな事件。
    途中棋譜の暗号から導き出される推理は根拠がよく分からなくて、集中して読めなかった。
    しかも推理が間違ってて読者は惑わされる。まぁ高根犯人だと動機に無理がありすぎるし、真犯人は別人フラグ立ってたけどね。
    真相は面白く読んだけど(特に頭を切り落とされた理由)、眼科医の死は謎のままだった。
    マジで予行演習なの? あんなに小心の犯人に予行演習でヒトを殺したりできない気がするんだけど。
    それとも全く関係ない事件だったってこと?
    ていうか、智久、『匣の中の失楽』のナイルズみたいだった。

    犯人、槙野を殺しただけなら師匠を思っての自殺幇助で不問ってのは許すけど、智久にあんな怖い思いさせといて見逃すのは、何だかなー。
    推理が真相とかけ離れてるからって、推理した人を脅すの意味分からない。
    どんだけ察してちゃんだよ。
    1番のツッコミどころは、槙野、死にたいならちゃんと自死しろや。
    飛び降りとかして頭潰して死ねばいいんだよ。

    附の「チェス殺人事件」は多重解決ぽくて簡単な読み物としてはなかなか楽しめた。
    まぁでも自殺なんだろうな。迷惑。

  • 第七期棋幽戦第二局は、〈碁の鬼〉と称される槇野猛章九段の妙手で一日目を終えた。
    翌日の朝、対局の時間に槇野九段は現れず、近くの滝の岩棚で首無し屍体となって発見される。
    死の二週間前に目撃された奇妙な詰碁は殺人予告だったのか。
    知能指数208の天才少年・牧場智久と大脳生理学者・須堂信一郎が不可解な謎に挑む本格推理。
    ゲーム三部作第一弾、牧場智久シリーズ開幕。


    「囲碁の対局における緊張感だとか棋士の鬼気迫るほどの集中力と精神力、それからプロとしての苦悩なんかは見事に表現されていたと思います」

    「漫画『ヒカルの碁』の大ファンだからそれは知ってたけど(笑)」

    「でもミステリでまさか棋士の世界についてここまで描かれているとは思わなかった」

    「まあ……それはその通りかもな。もっとも、囲碁の知識がなくても十分に面白い『ヒカルの碁』に対して、こちらはそれ無しには面白さが半減するかもしれないと思う。囲碁について精通している人間が読んだら頷ける部分も多いんじゃないかな」

    「殺人予告が棋譜で成されているところも珍しいというか」

    「確かにオリジナリティはあるんだけどな。これも囲碁に精通している人でないと絶対解けないわけだから、大半のミステリファンは流し読みしたんじゃないかな」

    「それは確かにそうかも。じゃあ、ミステリとして見たときの面白さはどうかな?」

    「フーダニットの部分についてはあまり意識しなかった。アリバイが成立している人間が少ないし、殺人の動機が不明だから後づけでどうとでもなりそうな気がした。
    このミステリにおける最大の謎と魅力は『なぜ被害者の首は切断されたのか?』ということだろう」

    「いわゆるホワイダニットだね」

    「首を切断する理由で最もメジャーなものは『被害者を別人と誤認させる』ことだけど、本作では被害者が槙野九段であることは早々に確定していて、これが理由ではないとわかる」

    「じゃあ、一体……というところなんだけど」

    「正直この動機についてはあまり納得ができないな」

    「同感だね」

    「槙野九段は純粋語盲という病(?)に罹患していた。
    喋る言語は理解できるのに、それが文字になった途端、まったく認識できなくなるという脳の障害だ。
    彼はそのことに絶望し、棋士として全盛期である今が自分の人生に幕を引く最も良いタイミングではないかと思うようになった」

    「文字が読めないのは不便だろうけど……それが死に直結するような絶望になる気はしないんだよね。読書が死ぬほど好きっていう人ならともかく、碁打ちとして生きていくことは出来るのだから何も死ななくても」

    「しかも愛弟子に自分を殺してくれるように依頼するなんてな。死ぬんなら自分できっちりやるがいいさ」

    「その願いを聞き入れちゃう弟子も弟子だよ」

    「そうだな。それが納得できない一番のポイント。
    それから二つ目の納得できないポイントは、その病気というか障害を隠したいがために首を切断したってことだな。
    もちろん変死だから解剖はされるとしても、脳の検査までするもんか。
    仮にしたとしても脳外科の専門家でもない解剖医に『ああ、この人の脳は文字を認識できない障害がありますね』とかわかるわけないだろ。どんなトンデモ医学だよ」

    「首切りが事件の最大のポイントなのにねー。さすがにこれは無理があったわ」

    「メインキャラクターは結構上手く描けていると思ったな。キャラが立っているからミステリとしての精度は今ひとつなのに、わりとサクサク読める」

    「生意気で大人びている小学生が探偵役になるんだけど、ジツはその推理が間違っている……なんてのはちょっと面白い趣向だよね」

    「しかし、素人探偵が活躍するぶん警察の存在感が無いのが……初動捜査以降、警察まったく登場しないからな(笑)」

    「しかも、最後は犯人は逮捕されないでしょ。この結末はどうかって気がするけどね。いくら被害者に依頼されたとは言え、殺人と死体損壊、もしくは自殺幇助と死体損壊だよ。それをスルーしちゃう探偵役ってどうなんだろう」

    「美しいラストと言えばそうかもしれないけれど、納得はできないよなあ。あれっ逮捕しないの?ってびっくりした」

    「この作品はいわゆる『ゲーム三部作』と呼ばれるシリーズの第一作目にあたるわけだけど……二作目以降も読むかどうかはちょっと微妙になってしまったね」

    「読む前はけっこう楽しみにしていたのになあ」

    「まったく、残念だね」

  • 犯人が犯人足り得るかは難しいところだが、
    囲碁と内容の結び付きを強く感じられて良かった。

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著者プロフィール

1954年、兵庫県生まれ。22歳の時中井英夫の推薦を受け、雑誌「幻影城」に『匣の中の失楽』を長編連載、作家デビューする。2016年、数々のミステリ・ランキングに『涙香迷宮』が上位に入り、17年度第17回ミステリ大賞を小説部門で受賞。『囲碁殺人事件』ほかゲーム・シリーズ、「ウロボロス」シリーズ、『クレシェンド』『しあわせな死の桜』『凡虚学研究会』『腐食の惑星』等、著書多数。

「2022年 『狐火の辻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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