ともにがんばりましょう (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936033

作品紹介・あらすじ

地方新聞社、入社六年目の武井涼。極度のあがり症で一切の交渉事に向かないが、委員長に口説かれ労働組合の執行委員を務めることに。折しも会社からの深夜労働手当引き下げ案が大きな波紋を呼んでいた。組合対経営陣。緊迫の団体交渉を克明に綴り、働くことへの熱い思いを描き出す傑作エンターテインメント!

感想・レビュー・書評

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  • はじめてやわ!
    労働組合と会社の交渉の小説なんか!
    更に、交渉ごとを関西弁でやるんで、激しいし、面白い!
    塩田さんの描く小説は、関西弁が生きているけど、関西出身だけやなくて、高校の時、漫才もしてたんや!
    激しく納得!

    深夜手当なんか、法律通りにしかくれてへんし、羨ましい感じするけど、毎日、そんなんしてたら、しんどいか…
    前の会社は、組合あっても御用組合、今は、ないし…まぁ、自身がそう労働組合とかに興味ないし、あんまりなら、辞めるぐらいの帰属意識しかないんで、今まで何してるんか知らんかったけど、頑張ってはる!
    特に、一般企業やなく、新聞社が舞台やから、更にこの辺の交渉は激しくなるんやな。
    でも、根底になくてはならないのは、双方の信頼感。
    なので、「ともに……」ってタイトルにあるんかな。
    「敵は倒すためにあるんやない。歩み寄るためや。」やね。
    新聞人としての誇りもあるんやろな。上方新聞への愛着も。

    ないしな〜その愛着…
    ええことでは、ないんやろうけど…と言ってても、別に変える気もないし。

    とはいえ、こんな激しい交渉乗り越えたら、やり遂げた感も半端やないし、更に、彼女絡んだら、達成感でいっぱいで良い感じ!



    「食べてるときが一番幸せ」
    「それ、まぁまぁ寂しいで」


    「みんな大人になるんが嫌なんは、忘れたらあかん事情が増えていくからかもしれん。でも、だからこそ人の気持ちが分かるようになる。年取るごとに賢なったように錯覚してまうけど、犠牲の上に成り立つ学習を繰り返してるだけやったら、結局アホやと思わへんか?」

    • 風鎮さん
      わいは箸を置いて、ごっそさん言うた時がいっちゃん幸せを感じまんにやわ。ほな、さいなら。
      わいは箸を置いて、ごっそさん言うた時がいっちゃん幸せを感じまんにやわ。ほな、さいなら。
      2023/05/06
    • ultraman719さん
      私もそうですよ。
      私もそうですよ。
      2023/05/06
  • お仕事小説、こちらは大阪の新聞社が舞台。
    若き記者武井の目線で労働組合と経営側とのにらみあいが語られる。
    「がんばります」では少し独りよがりで「がんばってください」だとやや無責任、ちょうどいい塩梅なのがこの「ともにがんばりましょう」であるそう。
    労使協議会は労協、労使の意見交換の場で、複雑な課題は専門委員会で解決。半沢直樹ばりの会議室での関西弁が飛び交う攻防、阪神甲子園球場のライトスタンドの様相というたとえ、交渉時はエレベーターを使わない、支部長が交渉本部発着時に拍手をして送り迎えする慣例、ビラを経営側に渡すときの様子を記念撮影するなど、泥臭い交渉場面が目白押し。
    若き七人の侍、要求決定、交渉本部設置、闘争本部設置、祭りのあと、という各章のネーミングもドラマになりそうな熱気が帯びる。
    最後のハッピーエンドは猫のニャー吾郎の写真が花を添える。

    • aoi-soraさん
      ☆ベルガモット☆さん、はじめまして
      フォローして頂き、ありがとうございます(⁠ ⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)
      色々なジャンルの本が並んでいて、とっても魅...
      ☆ベルガモット☆さん、はじめまして
      フォローして頂き、ありがとうございます(⁠ ⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)
      色々なジャンルの本が並んでいて、とっても魅力的な本棚ですね
      私には手の届かないような文学作品や短歌関連の本…
      憧れます(⁠*⁠˘⁠︶⁠˘⁠*⁠)⁠
      これから色々参考に゙させて頂きますね
      どうぞよろしくお願いします♪
      2023/09/05
    • ☆ベルガモット☆さん
      aoi-soraさん、はじめまして。
      こちらこそ多くのいいねとフォロー&コメントありがとうございます!
      アイコン可愛いですね♡読みたい本...
      aoi-soraさん、はじめまして。
      こちらこそ多くのいいねとフォロー&コメントありがとうございます!
      アイコン可愛いですね♡読みたい本や読了本が似ていたのでいいねしちゃいました♪素敵なレビューで読みごたえがあります。今後も参考にいたしまーす。
      2023/09/06
  • 新聞社の労組話。所々での軽妙な遣り取りにクスっとしながらも、著者の体験に裏打ちされた迫真に迫った経営層との団体交渉場面は手に汗握る。
    寺内が男前過ぎる感があるが、主人公が憧れるロールモデルとしてはこのぐらいの設定で良かったのかもしれない。
    このテーマなら恋愛要素はいらないかな、と思いつつも映像化がもし視野に入っていればやむなしか...。

  • まったくの個人的事情から書かせて頂くと、もう10年近く前、労働組合のない会社から組合活動が真っ赤に燃え上がる会社に転職しました。身の回りの単語すべてが不可解で、オルグなんてきっと怪しげな集まりなんだろうと新人ほぼ全員でサボって怒られた、なんて事もありました。

    あの頃この本に接していたら、もうちょっと上手く立ち回れたかなあ、と(笑)。労使交渉という取っつきにくい分野に果敢に手を出したエンターテイメント小説です。政治的に何か訴えるわけではなく、一方で活動の時代錯誤感を嗤うわけでもなく、ただひたすら読み物に徹する姿勢はこのジャンルではむしろ稀有と言ってよく、純粋に面白く、ためになりました。

    ただ、舞台設定の秀逸さとは裏腹に、人物設定はちょっと甘いのかなあと。主人公は自己主張ができないダメ男と言うよりは、冷静な観察眼を持つ切れ者という要素が目立ちましたし、セクハラ広告のオチはちょいと酷いかと。楽しいんだけど、もうひと押し踏み込みたかった。惜しいなあ、という印象です。

    ちなみに、身の回りの単語は今でも半分くらい分かっていません。役員、回ってこないといいなあ…。

  • 前半が軽くて笑っちゃう場面多いのに後半は重くなる(よい意味で)本でした。初めてのパターンだったな。これは。面白くてかつ心に響く本であった!!

  • 軽妙でいて手に汗握る。
    脳内大爆笑シーンも多く、登場人物も個性的でまさにエンタメ。
    社会人経験は長くとも組合経験は未熟なためとても興味深く、今後は組合活動に注目しようと思います。

  • 組合の団体交渉一色。
    こんな作品初めてでした。

    私も会社の執行委員に誘われたこともありましたが、
    こんなに大変なのか・・・・と。

    YASUSHIも登場。
    面白かったです。

  • ほっこり サラリーマンの経験が無いから組合ってモノが理解できてないけど 人間と人間だからね

  • 自分は本を読むのは好きだが、得意ではないです。
    この本は読むのに時間がかかったため、本の世界に引き込まれはしなかったです。

  • 元新聞社の著者だからこそ描ける
    関西の地方紙を舞台にした労働組合小説‼

    臨場感、抜群、手に汗握る、団交(笑)
    強面の労担、北斗の剣を異名にもつ参謀など前に、社員の代表として、秋年末交渉に臨む広宣部長

    20年後にこの会社あると思うか?

    経営者と社員はいずれも船員、浮くも沈むも自分たち次第、明日を向いて、『ともにがんばりましょう』♪

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著者プロフィール

1979年、兵庫県生まれ。神戸新聞社在職中の2011年、『盤上のアルファ』でデビュー。2016年『罪の声』で第7回山田風太郎賞を受賞し、“「週刊文春」ミステリーベスト10 2016”国内部門第1位、2017年本屋大賞3位に輝く。2018年には俳優・大泉洋をあてがきした小説『騙し絵の牙』が話題となり、本屋大賞6位と2年連続本屋大賞ランクイン。2019年、『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞受賞。2020年、21年には『罪の声』『騙し絵の牙』がそれぞれ映画化された。

「2022年 『朱色の化身』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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