ムカシ×ムカシ REMINISCENCE (講談社文庫)

  • 講談社 (2017年4月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784062936040

作品紹介・あらすじ

東京近郊に広大な敷地を持つ百目鬼家は、大正期の女流作家、百目一葉を世に出した旧家。その息子夫妻が屋敷内で刺殺され、遺産の整理と鑑定を請け負ったSYアート&リサーチの小川と真鍋、アルバイトの永田は新たな殺人に遭遇する。古い河童の絵と謎めいた文の意味するものは。Xシリーズ、待望の第4作!

みんなの感想まとめ

血筋が引き起こす切ない一家の騒動が描かれ、秘密を知った者の恐怖と儚さが交錯する物語が展開されます。ミステリー要素がありながらも、解決を急がず、登場人物たちの人間味や感情に焦点を当てるスタイルが特徴です...

感想・レビュー・書評

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  • 血筋が起こした切ない一家騒動。
    秘密を知ったが最後という怖ろしさがあるのに、儚くて美しくて、切ない。

  • 密室殺人?
    あーそんなのもあったね
    ってくらいに、ミステリ部分を解決しないミステリ
    なのに面白い( * ॑꒳ ॑*)

    Xシリーズではネジの外れたような天才が登場しないからこそ新しくて面白い。小川さんの人の良さ、健気さに感情移入します。そのせいで今回は危ない目にあったけど。

    その裏で、数十万ユーロの取引をする椙田さんはやはりやり手だった。

    小川さんの前職の話
    永田さんと真鍋くんの関係
    踏み込んだ話は今後出てくるかな?

  • いつものとおり小川さんと真鍋くんが何となくがんばります。まあそんなことより各務さんが出てくれたことが1番驚きました。「ドルで?」ってやりとり、なんかいいですねえ。

  • 220521*読了
    XシリーズはGシリーズとは違い、あの人の気配をそこまで感じない。
    殺人は起こっているのだけれど、平和的というか…。

    今回は資産家の夫妻の殺人から物語が始まり、小川さん、真鍋くん、そして永田さんのやりとりと共に進み…。
    いつもの人たちのいつものような会話に安心する。
    今作のキーワードは河童、そして一葉。樋口一葉でもあり、資産家夫妻の孫である一葉さんであり、一葉さんにとっての曽祖母である百目一葉であり…。

    女性は若さを売り物にする、若くなければ何者かになれない、というような部分は胸にぐさっときました。
    私も小川さんに近い年齢なので…。
    一番親近感が湧くのは小川さん。ちょっとせっかちで、うっかりものなところも自分に似ていて…。笑
    だから、小川さんには幸せになってほしい。死にたくならないでほしい。

    いつの間にか、森博嗣さんの小説でもスマホらしきものが出てきていて、「すべてはFになる」から読んでいると、時の流れを感じる。

  • 今年初の森作品。Xシリーズ、第四作。相変わらずのモヤモヤ感満載な終わり方。まあ、このシリーズの特徴ですね(^^; 各務亜樹良、四季博士、V・S&M両シリーズのどこら辺なんだろ、時間軸って…。本当に気になるわ!笑

  • 面白かった。
    探偵役としては頼りないけど、小川さんは今までに読んだシリーズの中で一番魅力的な人物だな、、、。

  • 本シリーズでは今のところ一番面白いと思いました。文学的でロマンティックでそして悲劇的なストーリーで、そんな雰囲気がとても好きでした。
    そして結末ですが...いろいろ思うところがあり、考察を検索していて、衝撃。なるほど全てが腑に落ちたという感じでした。読み直してみると伏線もところどころに散りばめられていました。

  • 小説として面白いという評価はあまり無さそうだけど、久々に読んだXシリーズでは、この本が一番好きだなと思った。
    ジェンダーの話も森作品でズバリ触れられるのは、やや珍しい。あ、森作品では、ジェンダ、ですが。

    この本が好きだなと思えたのは、小川さんが周りの人たちを観察して、好意的に評して、自身のことも、明るい諦めの境地で言及している様子に好感がもてたから。
    武道をはじめたキッカケは萌絵なのかな?
    小川さんが亡くした、大切な人って誰なんだろう。私が既読分を全部忘れてるだけかもしれないけど、この先が楽しみだな。


  • Xシリーズ4弾。真鍋の芸大の同級生永田絵里子が登場。百目鬼家を巡る殺人事件。孫君坂一葉の鬱的な話。作家としてうまくいかない、先祖の女流作家百目一葉の話。祖父の百目鬼は養子であり先祖との血縁がなく、自分が誰か分からなくなり事実を無にするために家族を殺す。森博嗣っぽい話。百目鬼家にあった絵で儲けた椙田と各務アキラも出てくる。新キャラの永田は天真爛漫な感じで真鍋とのやり取りもなかなか面白い。
    椙田から永田に対して、秘密を共有しているという感覚を味わわせることで自分も仲間になれたと感じやる気を出せるというテクニック。人を使うときには重要らしい。

  • Xシリーズの文庫は、帯が太めで、紙がざらりとした質感で好きです。本編を読む前に、表紙の絵と、帯の質感を楽しんで、それから中に入っている栞の詩を読むのが好きです。SMシリーズからずっとそうしてきているので、森先生の講談社文庫の小説を読むときの、一種の儀式のようにも思ったりします。

    Xシリーズの1巻目を読んだときは、えらくあっさりしているな、いやSMシリーズもVシリーズもあっさりしていたけれど、と思ったものでしたが、だんだんと色が変わってきました。タマムシ色というか、ある角度から見ると驚くほど透明で、またある角度から見ると濁っているように思うほど濃厚で、毎回それを体験しては、ううむさすが!と唸っています。

    猫目トーチカさんが解説の部分でもおっしゃっていますが、これまで森先生が培ってきた読者との「信頼関係」をあますところなく使っていて、特にエピローグの会話は鳥肌ものです。たぶんXシリーズから入るひとにも理解できるような造りにはなっていると思うのですが、SM・Vシリーズを体験してきていると、まるで走馬灯のように、つまり自分自身が経験してきたように、あああのときの事件の、あのときの彼の行動はつまり…と、ふいに過去の体験が現実に繋がって意味をなす瞬間を感じます。

    どかんと突き飛ばされるような衝撃ではなくて、どちらかといえば、あと数時間遅れてこの場所に来ていたら、私も事故に巻き込まれていたのかも…とうすら寒くなるような、そんな衝撃がじわじわと心を侵食するのが、恐ろしくもあり楽しくもあり。

  • 『常軌を逸した短絡的な判断だが、自分の命よりも大切なものを守ろうとした。』

    Xシリーズ第4弾。タイトルからエピローグまで、首尾一貫してリーズニングの連鎖で描写されている。森作品の大部分は、ファクトベースで話を展開してこの辺りの解釈をオープンにする傾向が強いため中々新鮮。

    「血」というコンディションは、「性」というそれと、非常に類似した性質を有する。いずれも「命」とともに授かるものであり、「生」に多大なる影響を与えうる。これらが「命」よりも大事なものになってしまったとき、できることは「生命」を断ち切ることだけ。なんとも皮肉な話である。

  • Xシリーズ4作目
    面白く、切なく、悲しいお話
    真鍋くんと永田さんの今後の関係性が楽しみ!

  • 第4弾
    もう何度目の読了か。 何回読んでもラストが切ない。 いつも、そんなことで?と思うこともあるけれど、 それがその人にはとても大きなことなのだと、結局思ってしまう。 何回も読んでいるから泣かないようになったけど。 そしてやはりあまり好きになれないキャラはずっと変わらないのだ。

  • 再読。Xシリーズ第四弾。今作の犯人の動機は明かされてしまえばわりと簡単な部類なんだろうけれど、それでもその本当の部分はきっとその現実に直面した本人にしかわからないものなんだろうと思う。小川さんはいつも貧乏くじを引いてしまうなぁ…。

  • 百目鬼…全国におよそ860人おり茨城栃木に多い。実際にある苗字なのだな。
    永田絵里子がレギュラー化、恋愛話を挟んでくるのかなあ――そういうのは余計なんだけど(* > <)といいつつ、椙田・各務の話は割と好きだったりする。

    最後に真賀田との関連を匂わせたりして、お金の流れは恋愛のように気持ちのベクトルがわかって面白いと思った。好きも嫌いも、誰かにとって気になるところへ気持ちやお金が集まっていくのかな。

    解説で漫画があるのは新鮮だった。
    いつもの鈴木刑事は登場しなかった。

  • 今回は保呂草さん改め椙田さんが仕事をしてたみたいです。


  • そして、好きな音楽は、ずっと同じもので、思い出すシーンも、ただ一つで、その失われた一番大切なものが、今も一番大切だと思っているのだった。もしかしたら、失っていないのではないか、と思えるほどに。
    第4章 人間の夢 より

    Xシリーズのプロローグ的な立ち位置にある短編『ライ麦畑で増幅して』の存在感がひしひしと感じたシリーズ4作目でした。楽しく読了。
    本シリーズ、レトロやノスタルジィ、リアリティをテーマに掲げられているようですが、椙田を除くレギュラのメンバが比較的(他シリーズと比べて)一般人が多いのが珍しいなと今さら思いました。また、話として、というよりかはこういう文章を書ける作家だったのだな、とも。

    2010年代前半に書かれているものですが、ジェンダの話題もちらりと出ていて、固有名詞も思いの外多かった気がします。S&M,V,G,よりも自由に書かれている気がしました。ブログか何かでXシリーズの登場人物は今後どうなるかが決まっていないからX2もあるかも、と言っていたことがあったので(結局WWが始まりました)、未確定故の自由さが垣間見えます。

    本作の引用分は『樋口一葉集』より。小説以外にも評価が高いと言われている日記も収録されているみたいなので、河童の日記はここから取ったのでしょうか。樋口一葉、芥川(短編に河童があります)、からの井戸、河童、日記と、見切り発車感は否めないですけれど、良質で美しい文章が多かった気がします。
    解説では猫目トーチカさん。ワンシーン、コミカライズされていましたが、真鍋って眼鏡だったんですかね。

  • Xシリーズの4。からくりはそんなに難しくないが、その奥にある動機は深い。Xシリーズの軸はそこにあるのかも。常連たちの関係もだんだん変わってきたし、以前のシリーズとの関わりも出て来そう。

  • 意味ありげな一族や、キーとなりそうなアイテムなど本格らしい要素を散りばめても結局のところ書くのは、犯行へ及んだ犯人なりの理由。しかも想像で補完するところが多い。自分が望む自分であるための犯行。

  • 2018/5/8読了。シリーズものの1冊としてではなく、純粋に面白い。トリック等のミステリーとしての要素ではなく、登場人物の感情の揺らぎ、人間模様の表現が秀逸。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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