迷宮百年の睡魔 LABYRINTH IN ARM OF MORPHEUS (講談社文庫)

  • 講談社 (2017年2月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (608ページ) / ISBN・EAN: 9784062936071

作品紹介・あらすじ

百年の間、外部に様子が伝えられたことのない宮殿より取材許可を得て、伝説の島を訪れたミチルとウォーカロンのロイディ。一夜にして海に囲まれたと言い伝えられる島には、座標システムも機能しない迷宮の街が広がり、かつて会った女性に酷似した女王がいた。あらゆる前提を覆す、至高の百年シリーズ第2作!

みんなの感想まとめ

人間とは何かという深いテーマを掘り下げながら、魅力的なキャラクターたちの物語が展開される作品です。百年の間、外部との交流を絶たれた国を訪れたミチルとウォーカロンのロイディは、特異な世界観の中で人間、機...

感想・レビュー・書評

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  • 百年シリーズ第2弾
    百年もの間、外部との交流を遮断してる国イル・サン・ジャックを訪れる人間ミチルとウォーカロンのロイディ。

    めちゃ良かったー( * ॑꒳ ॑*)
    前作よりも人間臭くなってるロイディかわいいよ˙ᴥ˙
    ミチルとロイディのやり取りが相変わらず素敵

    人間、機械、クローン、ウォーカロンが混在する世界だからこそ湧き出る疑問。生きてるとは?死とは?頭脳と躰の役割は?

    特殊な出生のミチルだからこそ感じるそれらの疑問に、すごく感情移入しました。ラストでメグツシュカが出した答えが素敵。

    メグツシュカの雰囲気や言動が、真賀田四季そのものでドキドキする。どこかで本シリーズと繋がっていないかな。真賀田四季の子孫か、冷凍睡眠しながら百年後も生きてる本人か。

  • 百年シリーズ第二弾。前作からの続きということで、ミチルとロイディの関係性や世界観について知識がある状態で読み進められたこともあり、純粋にストーリーを楽しむことができました。

    今作は一貫して「人間とは何か」というテーマにフォーカスした印象。ミチルとロイディの関係性があるからこそ、響くテーマでしたね。この辺りの肉体を捨てても人間として存在できるという流れは、S&Mシリーズでの真賀田四季の考えにも共通している気がしますが、このあたりは単純に森先生の思考が反映された形というだけなのか、シリーズをこえた繋がりがあったりするのか、どうなんでしょう?なんにせよこの後はついに四季シリーズへの突入なので、いろいろ楽しみに読み進めていきたいと思います。

  • 百年の間、外部に様子が伝えられたことのない宮殿より取材許可を得て、伝説の島を訪れたミチルとウォーカロンのロイディ。一夜にして海に囲まれたと言い伝えられる島には、座標システムも機能しない迷宮の街が広がり、かつて会った女性に酷似した女王がいた。あらゆる前提を覆す、至高の百年シリーズ第2作!

  • 『女王の百年密室』と同様、あっという間に読んでしまった。デボウ・スホが再び登場するのは驚き。
    ウォーカロンのロイディの成長からも目が離せませんでした。現代もAIが発達してきているけど、ロイディのように新しい回路が形成され、自分の意思で行動できるように変わっていくのだろうか。そうしたら人間がいなくなっても、今度はロボットが人間となり、社会はそのまま保ち続けられるのだろうか。

    また二人の旅が見てみたいと思いました。
    森博嗣さんすごい。

    人が死にたいと思うのを何によって抑制することができるのかという問い。
    このストーリーの末尾でミチルがメグツシュカに問う
    「生きているのと、そうでないのと、両者の違いはどこにありますか?」
    「あなたが生きていれば、あなた以外の誰かが、あなたに会いたいと思う。他人に、そう思わせるキーワードが、生きているということかしら。」
    この会話にヒントがあるのではないかと思った。

  • #読了 2025.8.28

    WWシリーズの読みたい本があったのだけど、どうやらWシリーズとこの百年シリーズを読んだ方がいいみたいなので、百年シリーズ2作目。

    半分ぐらい読んだところで娘の幼稚園などバタバタしてるうちに10ヶ月ほど間があいて後半を読み終えた。割と前半も覚えてた。

    ほんとに気持ちいいね。一応、殺人が行われて推理していく流れなんだけど、「主人公が推理する物語」のSFを読者は読むわけだから、普通の推理物を読む時と心地が違って、まずそこの違和感が気持ちいいよね(笑)
    そんでトリックもSFだから、主人公がとんでもない推理したなと思ったら、それを肯定する反応に読者は「…あ!そうなの!?」っていう最後のたたみかけが気持ちいい。
    そして、22世紀だけど一周回って栄えてない場所なのかなぁと思ったら、何周も回ってとんでもない科学の最先端で、もはや宗教や文化や精神世界や人間の不思議な力や心理がロジカルに語られる気持ちよさ。

    そうね。生きてるってなんだろね。

    次回は百年シリーズ最終話。ミチルの葛藤は落ち着くとこに落ち着いてくれるのかな。たのしみ。

    ◆内容(BOOK データベースより)
    周囲の森が一夜にして海と化したという伝説を持つ島イル・サン・ジャック。22世紀の旅人ミチルとロイディがこの島で出会った「女王」は、かつて別の地に君臨した美しき人に生き写しだったー。王宮モン・ロゼで発見された首のない僧侶の死体、犯人と疑われたミチル、再び消えた海と出現した砂漠。謎に満ちた島を舞台に、宿命の絆で結ばれた「女王」とミチルの物語の第2章がはじまる。

  • 女王は繋がりあって、遡るとどこにたどり着くのしょうか。四季じゃないかな、だったらいいな、と思っています。
    殺人に動機がないのは森ミステリィの王道ですが、今作では合理性がありました。よくこんなこと思いつくなと関心しきりでした。

  • 周囲の森が一夜にして海と化したという伝説をもつ島イル・サン・ジャック。22世紀の旅人ミチルとロイディがこの島で出会った「女王」は、かつて別の地に君臨した美しき人に生き写しだった-。王宮モン・ロゼで発見された首のない僧侶の死体、犯人と疑われたミチル、再び消えた海と出現した砂漠。謎に満ちた島を舞台に、宿命の絆で結ばれた「女王」とミチルの物語の第2章が始まる。
    迷宮百年の睡魔 より

    このシリーズは、とても高度な想像力の上に構築されている.
    途中で、
    瞼が重くなり、
    目を閉じて、
    思考の中へ飛び込むと、
    目を開けているときには気がつかなかった
    つながりに気づき、
    そして、
    謎は深まる.

  • 百年シリーズは3部作だけど一応書かれた順に追っているので2部まで読んでGシリーズに入りました。
    ミチルとロイディのテンポ感のいい会話が好きです。百年後の未来、生きる死ぬの概念は今よりもあやふやで、人間みたいなウォーカロンが、この世を支配し(支配という言い方すらもはや違和感ありますが)当然のように共存する未来を違和感なく想像できます。
    さすが森さんの素晴らしい建築描写...といいたいのに私の脳内では想像できない複雑な造りで、一体どこに何があるのか途中から分からなくなってしまいました。
    3作目も楽しみです。

  • 再読。数年前に訪れたモンサンミッシェルを思い出しながら読みました。人が首を斬られて死んだりしてるのに、幻想的でなぜかロマンチックな世界観になるのがさすが森ワールド。ロイディがとてもとても愛らしい。

  • 前作よりもより難解でSF感の強い作品だった。
    まさか途中で一年も経過するとは…
    というか、メグツシュカ様、四季では…?
    ミチルとメグツシュカ様の海のシーンは、なんだか「有限と微小のパン」の犀川先生と四季のラストシーンを彷彿とさせられました。
    「あなたの頭脳にキスしたいわ」って、四季も言ってませんでしたっけ…?気のせいかもだけど…
    どうやらWシリーズに話が続いてる?繋がってるみたいなのでそちらも読まなければ…!

  • 文字通り、睡魔と迷宮に突き落とされ沈められた気分。

    ひとつの躰に、ふたつの独立した精神がある。
    理解と同時にじわじわとゾッとした。多重の人格の意味、そしてそれは、実験。
    結局、頭脳だけを抜き取られた状態では半永久的に死ぬことがない?wシリーズがこの先の未来であるのなら人類はすべて、ゆるやかな自殺を強いられていて、例え実行したところで結局死ぬことがない。みんながみんな、夢の中にいる。

    頭脳を生かすために躰は存在している。
    人間が機械になるのでなく、機械が人間になり得るということ。
    「人間としての誇りを持ちなさい」と繰り返すメグツシュカ。
    機械が人間になるのが怖いのではなく、人間という名前の椅子取りゲームに敗北する恐怖。共存ではなく、淘汰される存在になるのか。

    それにしても「人間として認識できなかった」から攻撃された、というのは背筋を這いのぼる寒気を感じるな…。人間という定義を徐々に人がはみ出しているのか、ウォーカロンと人の区別がつかなくなっているのか。ただ純粋なバグか。浦沢直樹のPLUTOでいう「機械が人に近づき過ぎた」のか。

    人間、機械、クローン、ウォーカロン。
    クローンの定義が掴めなくて、終盤に向かうにつれて大混乱。
    やっぱり名前が共通してたことには意味があったのか

  • 一作目よりさらに面白いと感じました。
    百年ほど前に作られた背中にパイプが飛び出ており、空気圧で動く人形…
    これはβの、棺に入っていたあの人形か、その作者のものなのかと疑っちゃいますね。

  • このシリーズを読んでいると、現実から離れて作品世界をミチルと一緒に過ごしているような感覚になっていく。

    綿矢りさが解説で視覚優位な描写によって非現実化していると書いていて、まさにそのとおりだと思った。いい解説文だ。

    ロイディが時間とともにミチルの影響を受けてファジイな思考をするようになっていくのがおもしろい。この2人はどうなっていくのだろうか。

  • 前作を読むと世界観やキャラクターの登場する意味がしっかり分かる。
    殺人事件のトリックはさほど重要ではなく、人間とは何かというのが大きなテーマとなっている。
    ロイディがどんどん人間臭くなってきているのがいい。

  • 相変わらず    
    いったい   
    何を考え  
    どう行動し  
    何を想い  
    どう暮らし  
    何を思慕し  
    どう生きていれば  
    こんな小説が書けるのだろう

  • 220703*読了
    メグツシュカ様、シキ様!!
    百年シリーズを読む前に Wシリーズを読破してしまったのだけれど、今作でその二つが繋がりを見せて、テンションが上がりました。

    島の機構がダイナミックすぎる。これもマガタ・シキのなせる技。
    メグツシュカ(シキ)様が束の間滞在し、実験を行なっていた、その島での出来事。
    密室殺人が起きるのだけれど、それが霞んでしまうくらいのことが起きてしまう。
    ミチルがロイディの視点になるシーンは、私が読んできた小説の中でも経験したことがない表現。
    でも、それに違和感を感じさせず惹きこませるのが森博嗣先生の力。ひれ伏したい。

    Wシリーズでのウォーカロン、クローンの先駆けとなる実験をしているシキ様。
    ミチルとメグツシュカのやり取りはただの会話とは思えなくて、事実、親子の会話でもあるわけで。
    そこに漂う想い、天才のシキ様はどう感じているのかと予想してみても、きっとその予想は当たらない。

    私は先にWシリーズを読んでいるから、そちらでのロイディを引き取る場面が何度もよぎりました。
    あのシーンにどう繋がっていくのか。ああ、気になる。

  • 100年の間、外部に様子が伝えられたことのない宮殿より取材許可を得て、伝説の島を訪れたサエバ・ミチルとウォーカロンのロイディ。伝説の島で起きた事件に2人は巻き込まれていきます。

    百年シリーズ第2作。生とは何か、人間とは何かを問う物語。


  • こういった小さなプライベート・ソサイエティ(私設社会)は、世界中でさまざまな形態が試行され、模索されている。
    第1章 海はいかにして押し寄せたか より


    人に支配されることが嫌いなのに、なんとか自分を支配しようとしている。

    僕からの光は直進して彼に届き、彼からの光は反射して僕に届く。
    第3章 王はいかにして君臨したか より


    テスラが人型のロボットを作ることを発表したのが
    つい先日。作品内の舞台は22世紀。アジアが遠いと話していたので、ヨーロッパのどこか? 人口は(ちょうどいいくらいに)減り、エネルギー問題もクリア。トヨタのウーブン・シティのような実験都市がそこかしこに、というイメージ。またメグツシュカ、デボウと真賀田四季との関連性があるのかな、と考えつつ読み進めました。
    本作は今から約20年前の2003年刊行という驚異的な耐久力。また、そうとは感じさせない想像が尽くされているように思えました。未来は一人ひとつのAIを持つようになる、とまで話しているくらいなので、幻想小説とはいえ作者の想像上の未来が描かれているのかもしれません。

    一般的にSFの未来ものはディストピアを描きがちですが、言ってしまえばそれは現実からの乖離と想像力の欠如を補った結果のようにも思えます(そしてなぜかアジアンテイスト)。少なくとも森博嗣さんの描く未来の方が現実の延長線上にある気がして、まだ読んでいないW,W2が楽しみです。

    クローン、人間、ウォーカロン、機械。境界は今よりずっと曖昧になるのかもしれません。機械が人間になる、という台詞はその境界も幻だという示唆であり、ひとつの真理。だんだんスホが真賀田四季に思えてくるのが不思議です。

  • 再読。百年シリーズ第二弾。再読だけれど内容はすっかり忘れていたので終盤のメグツシュカとミチルの会話にはまた痺れることができた。ミステリとしては第一弾の「女王の百年密室」より低めだが本書の核心的な部分はそこらへんにあるのではないようには感じた。ここらへんからすっかりWシリーズとリンクしていたんだなぁとWシリーズを読み終わってから思える。

  • まあまあ

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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