- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062936163
作品紹介・あらすじ
謎々を拾った者が、次第に心を病み、墓地で死体を掘り返す――六本木界隈である怪談が広まっていた。そんなとき静岡で大地震が発生、土砂崩れの中から二つの屍体が発見される。屍体と怪談との類似点に注目、調査を始めた天才少年棋士・牧場智久が到達する驚愕の真相とは? 書き下ろし短編「オセロ殺人事件」収録。
感想・レビュー・書評
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囲碁殺人事件に続くゲーム三部作の二作目。終盤に至るまであっちこっちに散りばめられた謎がどう解かれるのかさっぱりわからなかったな。謎解きされてようやく「あー、あれがそういうふうになるのか!」と気持ちよかった。
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将棋殺人事件
竹本健治
2019年7月5日読了
竹本健治氏の、ゲーム三部作、囲碁殺人事件、将棋殺人事件、トランプ殺人事件の第2部作。
天才囲碁棋士、牧場智久を主人公に、大脳生理学の須藤、牧場の姉の典子などを中心に繰り広げられるミステリー小説。
将棋というよりも詰将棋をモチーフに、詰将棋の様なパズル性と、六本木で噂になっていたという都市伝説「恐怖問題」を絡めて展開される。
散りばめられた謎と奇妙な出来事がポツポツと出ては、途中までしか繋がらず終盤になって繋がっていく様は読んでいて面白かった。
詰将棋なので、伊藤宗看や伊藤看寿、詰将棋の作り方など詰将棋にまつわる有名な人物や作品も出てくるのでそこも面白いですね。詰将棋のルールなんかも出てきます。
文庫版にあたってオセロ殺人事件が短編書き下ろしとして収録されてます。
謎解きが好きな人は楽しく読めるかも。 -
将棋でも詰将棋がミステリーのメインになっている。実際の殺人事件とつながりのある噂の元を調べていくうちに詰将棋との妙な関連が疑われてくる。人間の精神の謎を含んだ奥深いミステリー小説。オセロ殺人事件の短編を含む(オセロとリバースと源平碁の違いが判る)。
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講談社文庫からの復刊分、2冊目。
相変わらず将棋も、詰将棋もまったくルールが解らないのだが、解らないなりに面白かった。
尚、前作同様、年代を特定する記述は削除されている。 -
竹本さんは『匣』が素晴らしかったんだけど、それ以外がどうにも微妙だなあ…。
〈ゲーム三部作〉2作目にして〈狂気三部作〉の1作目らしいけど、うーん…なんか、中途半端。将棋の部分も本筋と絡むというより、ただアイテムの一つにしかなってないし(併録「オセロ殺人事件」はそこんとこよくできてた)、〈狂気〉というのでどんだけ怖いんだと期待を煽られたんだけど、正直そうでもなく。ミステリ的にももう何十年も前の作品だからだろうか、やはり荒削りな部分は否めない。 -
詰め将棋のくだりは面白く読めたけど、将棋と事件を無理矢理繋げようとした挙げ句の果てに、風呂敷を畳みきれなかった印象を受けてしまった。⌈オセロ殺人事件⌋は題材と絡めて、シンプルにまとまっていたので、余計に惜しまれる。
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竹本作品三作目。ゲーム三部作、第二弾。真相としては普通だけれど、そこまでの過程が面白い!魅せ方が巧いよね^^ 詰将棋がいくつか出てくるけど、駒の動かし方くらいしか分からないから、その点が凄く残念…。
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文庫書き下ろしの「オセロ殺人事件」目当てに購入。
「将棋殺人事件」の方は既読なんだけどすっかり内容忘れてたので読んでて新鮮でした。都市伝説+詰将棋の話だったか。
竹本作品独特の、フワフワした空気感(匣っぽいと言えば良いかなぁ)を堪能。調査を進めるにつれ明らかになる事実から着地点が全く見えず、カットバックも入ってるし、解決に向けてはかなりアクロバティックに展開するので、これは幻想小説か?みたいな気分になる人がいるのも判る。私はこういう展開嫌いじゃない。
オマケの『オセロ殺人事件』は、大変ベーシックな推理小説で、解決のあのキーになる所とか痺れましたね。なるほど!と。
著者プロフィール
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