22年目の告白-私が殺人犯です- (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1913
感想 : 179
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936484

作品紹介・あらすじ

驚愕の先の涙、涙! 小説というもう一つの衝撃。
書籍編集者・川北未南子は苦悩していた。突如現れた美しい青年・曾根崎雅人から預かった原稿は、巧みな文章で綴られ、彼女を魅了した。しかし、そこに書かれていたのは、22年前の、すでに時効が成立した連続絞殺事件、その犯人による告白だったのだ。はたして、この本は出版されるべきなのか。だが――わたしはもう悪魔の虜になっていた……。
出版された『私が殺人犯です』は、たちまちベストセラーとなり、曾根崎は熱狂を煽るかのように挑発行為を続ける。犯人逮捕を果たせなかった刑事の無念。そして、被害者遺族たちのやるせない思い――。社会の禁忌に挑む小説版『22年目の告白』が登場。

感想・レビュー・書評

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    今年2番目の「2023年のベスト本」です。
    牧村航(こう)刑事が、時効になった犯人を追い詰めていきます。

    2017年。帝談社の編集者である川北未南子30才のもとに22年前の「東京連続絞殺事件」を題材にした小説「私が殺人犯です」の原稿が届く。この事件は、被害者を親族の前で絞殺する。身の毛のよだつような殺人です。

    その犠牲者5人は、第一の被害者は、1995年1月14日に椅子に縛られた夫が妻の前で絞殺され。第二は、妻と幼い5才の娘の前で、会社員の夫が椅子に縛られ背後から絞殺された。第三は、暴力団の幹部の愛人が、幹部と幼い息子の目の前で絞殺され。第四は、医師の妻が、夫の前で絞殺され。第五は、4月27日に刑事の上司が牧村刑事の前で首を吊て殺される。

    2010年に刑事訴訟法が改正され、1995年4月28日以後の事件は、刑罰が死刑に相当する事件の時効が廃止された。1995年4月28日午前0時以前の事件は、15年で時効が成立します。22年前に起きた「東京連続絞殺事件」は、2010年4月27日に犯人が逮捕されないままに時効が成立しました。それから7年目に「東京連続絞殺事件」を題材にした小説「私が殺人犯です」が帝談社から出版されました。

    その内容は、犯人しか知りようのない事柄が、綿密に書かれています。小説としても大変レベルの高いものです。そして著者の曽根崎雅人が、私が殺人犯ですとして登場しました。世間は、マスコミは騒然となり、告白本は200万部のダブルミリオンを超える売れ行きです。そんな中で、私たち遺族にとって時効はないと。心のマグマが噴き出した遺族が、曽根崎を殺そうと第三の被害者の息子が拳銃で、第二の被害者の娘が包丁で殺しにきます。

    社会派サスペンスの本書は、2017年6月10日公開の映画「22年目の告白 -私が殺人犯です-」の小説版として著者、浜口倫太郎さんが書き下ろした作品です。
    浜口倫太郎さんの本を読むのは初めてです。

    【読後】
    読みやすく、息つく間もなく次々に物語が進んで行きます。この事件には、六番目に牧村刑事の妹、里香が殺されています。この里香が、すべてを繋いでいきます。真犯人が意外な人で、そして刑事をやめた牧村が華麗に転職します。なんとも面白く、楽しく、字が小さいのに、読むのを途中で止められず、どうなるんだと思い続けて読み終りました。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    22年目の告白-私が殺人犯です-《文庫本》
    2017.04発行。字の大きさは…小。2023.01.19~20読了。★★★★★
    ブックオフ、66円で購入2023.01.15
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  • R1.6.20 読了。

    時効を過ぎた殺人事件の犯人が、殺人についての内容を記した本を出版したところから、物語は始まる。一気読みしたけど、もしかしたら同名映画を先に見たほうが良かったかも。
    最後は良い終わり方だったのに…。

  • めちゃくちゃ面白かったです!!
    なんとなく先が よめてしまいましたが
    浜口さんの書き方が、個人的に凄い分かりやすく好きでした

  • 休日に一気読みでした。
    まさに止まらない、止められない。

    映画も我慢して、予備知識入れないようにして大正解です。
    映画も観たいのだけど、この読了感が壊れるのが恐いので、暫くは寝かせておこうと思います。

    何を書いてもネタバレになりそうなので、以上。

  • 映画視聴済にも関わらず、初めて手に取ったかのように夢中で読んだ。

  • 「私が殺人犯です」時効となった連続殺人事件の犯行を告白したのは、住民票、戸籍がなく、学歴、職歴、何もかもがわからない謎の人物曾根崎雅人。
    彼の告白本を担当編集する事になった川北未南子は、彼の美しさ、優しさ、優雅さ、そして何より読者を魅了してやまない文章に惹かれていく…。彼の中には天使と悪魔が同居しているのか。曾根崎雅人は本当に5人を殺した犯人なのか⁉︎

    映画の為の小説という事で淡々としているかな。深みはあまりない気がした。だけど曾根崎が色々とやらかしてくれるのでドキドキハラハラ飽きる事なく読み進めることができた。ラストも、おぉ!と思う事もあったし、やっぱりと思う事もあったし楽しめた。面白かったです。

    22年という月日を皆がどのような思いで過ごしたのか。そこがポイントだ。被害者家族、刑事、そして犯人。それぞれ、何年経っても忘れられないものなんだと強く思う。

    映画化にあたりひとつ気になることが。主人公に1番近い川北未南子が映画の相関図に入っていないということ。彼女の存在は無くなってしまうのかな?
    「ソネ様」「子宮ボイス」そして「ソネ立ち」(笑)藤原竜也は曾根崎を上手く演じられるだろうなぁ。映画楽しみだ。

  • 藤原竜也さんが好きで、映画を観るために予習したもの。
    しかし、面白かった!!
    これは最後やられた!!!
    読みかえすと切なくなってくる…(涙)

  • 会社の方から薦められ、先に映画を見ていた。

    ミステリー好きの私には映画がどうもイマイチ。
    犯人が出てきた瞬間に犯人がわかってしまう。なんだこりゃ?という印象。

    しかし原作は作り方が違う。

    やっぱり私は文章で追う方が好きだ。
    圧倒的に面白い。

    編集者目線もとてもいい。

    曽根崎、牧村の魅力も本の方が100倍魅力的に描かれている。

    そして本好きにはたまらない構成。

    映画を見た以上の感動!
    満足!!

  • 藤原竜也主演で映画化されていた物の原作だと思って読んだのですが、映画のノベライズだったことを他の方のレビューで知りました。
    時効を迎えた連続殺人の犯人が手記を出版して、その犯人の美貌や立ち振る舞いが世の女性たちを虜にし、一代ムーブメントを巻き起こす…メディアに出演し、被害者遺族を挑発し続ける犯人。一体こいつは何がしたいんだ?この物語はどんな結末を迎えるのだろう??とページをめくる手が止まらず、1日で読んでしまった。読みやすくて、ミステリ的な面白さもあり、そして最後はちょっと泣けた。
    犯人が美形でちょっと騒がれてた(整形ですけど)リンゼイ・アンホーカーさん殺害事件の市橋と、犯人が手記を出版した神戸の酒鬼薔薇聖斗を掛け合わせたような感じだろうか。
    あと、この本のいいなぁと思ったところは、登場人物がみんな本を愛していているところです。随所に本への愛情が感じられて、嬉しくなりました。
    映画は未見ですが、見てみたくなりました。

  • 最近はブグログさんのアプリで評価が高い作品を読んでいるのですが、これも傑作でした!著者の文章表現の相性が僕にはすごく合っていたという点もあります。読んで損無しでしょ 恐れ入りましたました。

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著者プロフィール

1979年奈良県生まれ。2010年、『アゲイン』(文庫時『もういっぺん。』に改題)で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞しデビュー。放送作家として『ビーバップ!ハイヒール』などを担当。他の著書に『22年目の告白-私が殺人犯です-』『廃校先生』『シンマイ!』などがある。

「2021年 『ゲーム部はじめました。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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