隠された牙 森林保護官 樋口孝也の事件簿 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 17
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936514

作品紹介・あらすじ

北海道森林事務局日高支所に勤務する二人の森林保護官。愛想はないが頼れる男・山崎とその部下・樋口孝也。前作『光る牙』で羆との死闘を繰り広げた二人が、森林事務所に日々持ち込まれる事件と対峙するミステリータッチの連作短編集。
*ニホンザリガニの保護に執念を燃やす自然団体の男。その裏側にある暗い炎のとは……。「砕けた爪」
*頻発するエゾシカと車の接触事故。心優しきラーメン屋の主人は、あるトラブルに巻き込まれてしまう……「溢れる森」
*林道計画の撤回を求め、抵抗運動を続ける男。山に生きる男の先にあるものは……「土葬」
*丹精込めて育てたサラブレットの怪死事件が連続する、羆の食害が疑われたが山崎と孝也はどうしても納得できなかった……「隠された牙」(表題作)
*オロマップ:北海道の日高山脈の南麓に吹く強風。山崎のむすめ・さゆみが連絡を絶った。わずかな頼りからその足取りを追い、孝也はオオワシの飛来地へと向かう……「オロマップ」
*降海型の虹鱒が住むという秘密のポイント・十二ノ沢に、孝也は向かう。そこで出会った謎の男と孝也は釣り勝負をするが……「波打つ背」
 北海道の駐屯地所属の元自衛官・行動派作家が大自然に生きる人の姿を活写する、ネイチャー・アクション・ノヴェルの誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 短編6作収録
    北海道日高の森林保護官のお話
    いずれの物語も楽しめますがやっぱり羆絡みは
    別作品「光る牙」のこともあり気になりました
    続編もあるのかななんて思ったりします

  • あの戦慄がふたたび―。「羆」の仕業かそれとも!? 競走馬の怪死事件。あの凄惨な「羆」の悪夢が、樋口孝也の脳裏に蘇る。孝也は上司の山崎と捜査に出るが。表題作「隠された牙」他、北海道日高の森林事務所に持ち込まれる事件と保護官の格闘を鮮やかに描く傑作。

  • 20200210

  • 吉村龍一『隠された牙 森林保護官 樋口孝也の事件簿』講談社文庫。

    吉村龍一の初の連作短編集。『オロマップ』を改題、一部加筆、文庫化。あの傑作『光る牙』の森林保護官・樋口孝也を主人公にした6編を収録。北海道日高の大自然を肌で感じられる傑作冒険小説。いずれの短編もスルメの如き味わいがある。

    『砕けた爪』。もしや『光る牙』の羆の悪夢再びかと思うような展開で始まる物語。羆の出没の恐れのある樋口の担当区域にキャンプを張り、居座る自然愛好家の徳永と原田の二人…

    『溢れる森』。エゾシカが事件の主役となる。かつて絶滅が危惧されたエゾシカだったが、近年は個体数の増加により害獣扱いされる。自然環境を維持し、共存することの難しさ…

    『隠された牙』。標題作。相次いで起きた競走馬の怪死事件。犯人は羆と思われ、樋口は上司の山崎と調査する。そして、事件は思わぬ展開を見せる。

    『土葬』。偶然、大規模林道工事に反対する富岡老人と出会った樋口。自然への畏敬。自然の力の前で人間は無力なのか。

    『オロマップ』。行方不明となった上司の娘、さゆみを探しに樋口は吹雪の中、オオワシ飛来地の赤平を目指す。

    『波打つ背』。中学二年の頃の樋口が描かれる。渓谷に潜むヌシの正体は…

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著者プロフィール

吉村龍一(よしむら りゅういち)1967年、山形県南陽市出身。高校卒業後自衛隊に入隊し、陸上自衛隊施設科隊員として勤務。除隊後、近畿大学豊岡短期大学卒業。2011年、「焔火」にて、第6回小説現代長編新人賞を受賞してデビュー。単行本として刊行された。2013年、第2作目『光る牙』を刊行、同作は第16回大藪春彦賞候補作となる。そのほかの著書に『旅のおわりは』(集英社文庫)がある。

「2017年 『隠された牙 森林保護官 樋口孝也の事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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