図書館の魔女 烏の伝言 (下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 356
レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936545

作品紹介・あらすじ

姫を救出せんとする近衛兵と剛力たち。地下に張り巡らされた暗渠に棲む孤児集団の力を借り、廓筋との全面抗争に突入する。一方、剛力衆の中に、まともに喋れない鳥飼の男がいた。男は一行から離れ、カラスを供に単独行動を始めが……。果たして姫君の奪還はなるか? 裏切りの売国奴は誰なのか? 傑作再臨!

感想・レビュー・書評

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  • 廓に囚われたニザマの姫君の救出に動き出す、姫の近衛隊と剛力たち。
    地下に張り巡らされた複雑な水路の中で彼らを導くのは、港湾都市の〈鼠〉と呼ばれる孤児たちです。
    年齢も立場もまったく異なる彼らが行動を共にする中で、だんだん互いに友情を育んでいく描写に胸が熱くなりました。
    特に、過酷な人生を歩んできた孤児たちが、近衛や剛力たちの前で年相応の子供らしい表情を見せるようになっていくごとに彼らの出会いを本当に幸福なことだと思いました。
    彼らの誰もが欠けることなく物語の結末を迎えてほしいと、必死に祈りながら読み進めていました。

    そして、図書館の魔女・マツリカが登場してからクライマックスにかけての、物語が収束していく感覚にしびれました。
    言葉を喋れないからといって、言葉に不自由だからといって、彼らが言葉を持たないわけではないのです。
    彼らはそれぞれの手段で、なんと雄弁に語ることだろう!
    言葉や知恵がほとばしる物語があたえてくれた高揚感に酔いしれながら読了。

    シリーズ続編は2017年刊行予定だったようですが、本日時点ではまだ出版されていない様子。
    本作では登場しなかったキリヒトやキリンの物語を期待!
    物語の余韻に浸りつつ、全力で待ちたいと思います。

  • 上巻を読み終えたところでは
    文字を追うことに疲れ切ってしまい
    ななめ読みもいいとこだった、、、
    そもそも名前が入ってこなくて、、、

    終盤にさしかかって
    ようやくマツリカの名が出てきたときに
    大げさだけど光明が差したよ、、、
    これを待ってたんだってば

    わかるよ、わかるけどね
    前作に心を持ってかれちゃった身としては
    続編には恐ろしく期待もするし
    期待し過ぎて買ってから何ヶ月も寝かしたし

    下巻を読み終えて
    そうだよね、まだ続けてくれるよね
    という安堵の気持ち

    でなきゃ
    持ってかれたままのわたしの心は
    行き場をなくしてしまうんだから

    心から続編を楽しみにしている

  • まさかのエゴンが一番把握していたという。字も書けるしまたでてきてほしいなぁ。剛力のみんなキャラが好き。ミツクビの部下は将来キリヒトとぶつかるのは必至でしょうね。
    また続きが気になるところで終わってしまったので今から楽しみです。

  • 面白かった!
    上巻読み終えた時はそこまでじゃなかったけど、全部読んだらやはり期待を裏切らない面白さ!

    前作の話や登場人物が少し絡んでるので、前作をもう一度読み直したくなった。
    中世架空の世界のファンタジーミステリー。
    ああ、やはりなとわかる部分もあるのだけど、陰謀の全貌はラストまで読まないとわからなかった。
    謎解きのやりとりが面白かった。

  • 他所読みにくいけど古語を程々に使って、ファンタジーだけど歴史物の様な雰囲気があって、それでいて推理もあって飽きずに一気に読める

    個人的にはゴイが後半殆ど活躍しないのがちょっと残念

  • ぴぃ、ぴっぴ、ぴぃ
    この音に泣かされそうになるとは思わなかった。
    舞台が激動する下巻の方が、上巻より面白かった。
    上質なミステリのように、タネは全て読者に事前に提示してあり、解読することはできたはず。
    そんな伏線が後半になってきちんと回収されていくのが心地よかった。
    個人的にはユシャッバだのロッロアだの、変な名前!と思っていたところに、名の由来まで解説されたのには驚いた。

  • またしても、続きが気になり深夜まで読んでしまった^^; 相変わらず難しい漢字がイッパイだったけど、言葉について 改めて考えさせられた。仲間についても。。。 あいかわらずなマツリカにもニマニマ。。。 物語が気になって、けっこうな斜め読みだった気もするので もう一度、上巻からじ~っくり再読したい気分♪ シリーズ3作目も出てくるみたいですし。。。

  • 今回もまた、壮大な世界が広がっていました。キリヒトが登場しなかったのは残念でしたが、続編への布石のようです。楽しみにしてます。前作を読んでから時間が経ってしまったので、ちょっとニザマの政変の様子を忘れてしまっていました。残念。

  • 処女作が大傑作である場合、2作目は見劣りしてしまうことが多い。
    1作目と同等であっても、どうしたって読者は1作目を基準に読んでしまう。
    結果、1作目と「同等」では、読み手としては「期待通り」でしかない。
    そして、「期待通り」ということは、「想像以上」には成り得ない。
    だから、「思ったほどでは無かった」という感想になってしまいがち。
    これは文学に限らず、あらゆる表現作品に言えることだと思う。

    そして本作は、数十年に一度という規模の傑作に続く「2作目」である。
    であるにも関わらず、本書もまた、数十年に一度の傑作であった、と言い切れる。
    本書は「2作目の壁」を、軽々と超えてきた。
    つまり、著者は「本物」なのである。

    いやもう、ほんと素晴らしい作家さんが世に出たものだと感嘆。
    前作に引き続き、その流麗な文章にただ酔いしれた。
    それだけでなく、物語から冗長さが減り、全体的にぐっと引き締まった印象を受けた。
    前作では、所々で冗長さを感じたのは事実。
    (自分は、著者の筆調に心底魅せられているので、気にならなかったけど)
    本作では、その冗長さはなりを潜め、より一層ぐいぐいと読み進められる。

    読了して、改めて全体を振り返ってみると、本作では目立った人物が少ない。
    というと語弊があるから言い換えると、「突出した人物」が少ない。
    前作は、マツリカとキリヒトを筆頭に、「異能の才人」が物語の中核を為していた。
    本作も、鳥遣いを筆頭に、それなりに「異能」を持った人たちが物語を引っ張っていく。
    主人公は、鳥遣いであるエゴンだと思うのだけど、でも「主人公」は不在だった気がする。
    「優秀な一般人」たちが、それぞれの限られた能力を駆使して難局を乗り越えていく。
    登場人物それぞれに見せ場があり、そこではそれぞれが強烈な個性を発揮している。
    それは前作とは違い、「個」の力ではなく、チームとしての総合力。
    前作も、チームとして乗り越えていくシーンは多々あったものの、
    それでもやはり中心となっていたのはマツリカであり、キリヒトであったはず。

    本書では、マツリカやキリヒトの位置を占める人物が不在だったと思う。
    結果、快刀乱麻といえるような、鮮やかな展開というのは本当に少ない。
    迷い、間違い、悩みながら、それでも着実に先へと進んでいく、そんな感じ。
    そして最後の「解決編」で、ようやく「主人公」が登場する、そんな感じ。
    その「解決編」で、隠されていた「本書の主人公」の異能に光が当たる。
    個人的には、いちばん初めの登場シーンで、なるほど本書はそう来るのか、と震えがきた。

    本書には「剛力」「近衛」という2つの集団が登場し、中盤以降、そこに「鼠」が加わる。
    この3つの集団による群像劇と、彼らを取り巻く権謀術数が物語の主軸となる。
    そして、きわめて良質な「謎解き」が、その中心を為している。
    このシリーズは異世界ファンタジィではあるものの、その本質はミステリィだと思う。
    まあ、ハイファンタジィはあらゆるジャンルを包含しているものだけど。

    一方で、異文化同士の交わりと、その中で培われていく信頼関係が主題なのかなと感じた。
    これは前作でも同様だったと思うのだけど、本作ではさらに顕著だったかなと。
    信義や「理」という、曖昧で定義が難しい、けれど非常に重要な概念。
    それを、物語によって鮮やかに描き出した作品であると思う。

    前作から共通しているテーマは、言うまでもなく「ことば」。
    言い換えれば、「コミュニケーション」。
    本書でも様々な側面から、「ことば」というその本質を追究し続けていく。

    あと、下巻の後半が始まってすぐくらい、やっぱり読んでいてニヤニヤが止まらなかった。
    こういうユーモアのセンスも、この作者さんは抜群だと思う。
    マツリカさまの素敵さは筆舌に尽くしがたいけど、やっぱり自分はハルカゼ好きだな。
    笑い上戸で、肩を震わせながら通訳をするというシーン、好きなんだよね―。

    すでに、シリーズ第3作も執筆が開始されているとのこと。
    今年中に出るかも?みたいな見通しもあったりするようで。
    次はどういう物語に誘ってもらえるのか、本当に楽しみ。
    解説で、豊崎由美氏が書いている、下記の文言、自分もまったく同じ気持ちです。
    <blockquote>完結して欲しくない。延々と、この世界にひたり続けていたい。</blockquote>

  • 図書館の魔女の続編ということで、読んでみたが、前作のインパクトがあまりに強かったので読後、もの足りなさが残った。面白い作品だとは思う。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。早大、東京芸大などで講師を務めたのち渡仏、現在はリモージュ大EDSHS EHICに籍を置き博士論文執筆中。専門分野は印欧語比較文法・対照言語学。『図書館の魔女』(上・下巻 講談社刊)で第45回メフィスト賞を受賞。

「2015年 『図書館の魔女 烏の伝言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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