かわいい結婚 (講談社文庫)

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  • 講談社 (2017年6月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784062936736

作品紹介・あらすじ

「かわいい結婚」…「結婚ってなんなんだ?」という疑問から生まれた作品。結婚して仕事をやめ、専業主婦になった29歳のひかり。しかし、家事能力はゼロ。当然、部屋は散らかり放題。もちろん食事も作れない。夫とは仲良しだけど、こんなに家事が延々と続くなんて……。 騙された!わたし騙された!騙されてた! 結婚生活のリアルをコミカル&ブラックに描く。ほか「悪夢じゃなかった?」「お嬢さんたち気をつけて」二篇収録。

みんなの感想まとめ

結婚生活のリアルをコミカルかつブラックに描いた作品は、結婚に対する期待や現実のギャップを鋭く捉えています。主人公は専業主婦としての生活に戸惑いながらも、周囲の期待に対する女性の思いを浮き彫りにします。...

感想・レビュー・書評

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  • 表題作をふくむ全3篇収録の短篇集。どの作品もとってもおもしろいです。どちらかといえば、女性向けなのかもしれませんが、オトコの僕が読んでもすごく楽しめました(まあ、僕はオトコとしてのマジョリティであろう「性欲原理で女性を見てばかりのタイプ」や「男尊女卑タイプ」では、どちらかといえばないからかもしれません)。

    頭にも胸にも特に響いたのが『悪夢じゃなかった?』という作品。カフカの『変身』のパロディから始まります。ある朝目覚めると、主人公の男が若くグラマラスな女に変身している。
    この主人公は、たとえば「女性専用車両に乗るのは本当の女じゃない、ブスとババアだけで、彼女らは女ではない」というような考え方をしている。そればかりか平然と、恋人にもそう言ってしまう。性欲でしか女性を見れていないような次元にいるのでした。そんな、女性を蔑視している主人公が、多くの男からの性欲の的になる若くグラマラスな女性に変身するのは皮肉が効いています。そして、主人公はだんだん女性が感じている不快さを、身をもって感じていくようになる。

    読みながら、これだけ女性の生きる世界について「はー! そうなのか! 考えてみればそうだよね!」と本質的なところを知ったり考えたりしたことはなかったです。僕と言う男が、なんとなくわかった気でいたり、知ろうとしてさえいなかったり、こっちが介入するものでもないしと遠ざけていたり、瞬間的に放っておいたり、誤解していたりした、女性が生きているその世界が描かれている。つまり、女性はこの世界をどう感じているのか、女性からこの世界がどう見えているのかが描かれている。

    まだまだ誤解があり、予期しにくい間違いをこれからもしでかす危険性を持っていることをふまえつつ言いますが、女性といくら話をしてもきっとわかることができなさそうなことを、この作品から肌感覚レベルでわかることができる、というか。

    なんて優しくて、なんて大変で、そして楽しくて哀しい生のなかを生きているのだろうか。強めの抑圧に境界を定められながら、その内を手一杯走りまわるかのよう。「生きがい」と「危険」の濃淡のはっきりしたワンダーランドで精いっぱい生きているような感覚でした。例外はいろいろあるでしょうけれども。

    『悪夢じゃなかった?』を読み、個別的に見ればまた違うのだろうけど、女性一般の存在っていうか、人生としての女性性に「あなたがたが好きだわ」と思いました。とはいえ、ここでも描かれている、男性のいやらしさや汚さを僕も持っていて、それは逃れられないサガのようでもあり、残念な気持ちはある。残念な気持ちというか、原罪を抱えているかのような感じがします。そういったところは今後、自分で考えていけばいいのだけど……。
    ともあれ、ラストで腹の底から笑えました。可笑しいのと嬉しいのと驚きと優しさで笑えました(ネタバレになるので詳しくはいいません)。ここは、はっきり言いきっておきます、『悪夢じゃなかった?』は傑作です!!

    最後の『お嬢さんたち気をつけて』も都会と田舎の対比がうまかったですし、もちろん口火を切る『かわいい結婚』もギャップにおどろく作品でおもしろかった。

    アマゾンをちょろちょろしている時に、なんとなしにクリックして手にいれた作品でしたが、そういう出合いもあなどれません。苦味のあるコメディといった感じですが、そういうテイストで突き抜けてくる印象があります。満腹!っていうくらい楽しみました。

  • 女性ならこうした方が良い。こうであってほしいと期待されること。
    またそれに対しての女性の思い。
    がよく書かれていると思いました。
    途中、少し描写が長いと感じましたが、
    ページ数も少なめで、サクッと読めます。
    世間で言うところの「しっかりしている主婦」や、「男性」は
    読むとイライラしてしまうかもしれませんが・・・
    「しっかりしていないバツイチ」の私は楽しめました。

  • グロすぎる
    あまりに地方暮らしの女性の現実が詰まりすぎ

  • 1話目の主人公に全く共感できず、幼稚だなと思ってしまった。
    2話目の「悪夢じゃなかった?」が1番面白かった。

  • ・離婚なんてダメだけど、でも離婚したいときにできるだけのものは、ちゃんと持っておかなきゃね

    かわいい結婚はやすらかな絶望のなかにある

    友だちと話すとき、結婚できるかどうかの話が挙がる機会が多くなった、体感。私たちはなんとなく、結婚=女の人の幸せという強迫観念にかられている。ある程度は憧れていて、ある程度は諦めている。
    そういえば私が、中高かろうじて勉強をしていたのは、一人で生きていかなくてはならない、と思っていたからだった。かわいさは武器にならないから、私のことは私が養わなければならない。
    これを言ったら笑われたけど、当時はとても本気だった。ネットではこういう女の子、何人かみかけた。可愛い顔なのに努力して勉強してる子意味わからんな、と思ってた。(ごめんなさい)

    最近友だちがわたしは結婚できないと思うからいっしょに住もうと、酔って電話をかけてきた。結婚、そんなにいいものかしらという態度をとりつつ、結婚できそうだよねといわれると安心する。

    私は私が幸せにしておきたいから、適度に散財しながら貯金するし、ごはんも作るし、ネイルもするし、嫌なことも必要ならしなけれゃならん。

  • 表紙が可愛いけれど、ぬるいのに確固たる「絶望」が全編に漂っててしんどくなる読書でした。
    面白かった…キッツい。
    よく見たら英題に“Silly”ってついてる。ギャッ。

    テンションと解像度、気味が悪いほど高くてお腹いっぱい。
    宮﨑あおいが宣伝してる服屋って言われてハッキリ想像がつくのが怖いです。山内マリコさん同世代すぎる。
    しかし、宮﨑あおいさんがearthの宣伝してたころこの話し方するかな?と思って3話目もまた違った魅力でした。
    お嬢さんたちの将来が違っても、歩んでる道には同じように“絶望”しかないというところ、それでも友情は続いていくんだろうなという希望も諦念もありました。

    「悪夢じゃなかった?」、男性→女性をこう描くのか、と信頼感を覚えてしまいました。
    最高の形では!?コッワ!!と思います。
    結局、女性同士しか連帯出来ないんだ…と深い溝をしみじみ感じました。わからないからと相手を攻撃しなきゃ良いだけなのに。


  • かわいい結婚
    私も結婚したらこうなりそうだなぁ〜と、、、ぴかりんの単純なところがとっても可愛い、旦那さんはなんやかんや言うてぴかりんの事が大好きで手を焼くのも愛おしいと思っていて欲しい

    悪夢じゃなかった?
    終わりが凄くいい、女って大変だけど楽しいんだな
    これめちゃくちゃ面白い

    お嬢さんたち気をつけて
    女の友情っていいよな、こんな親友本当にいいと思う、どちらにもそれぞれの幸せがあって、それと同じようにそれぞれの悩みがあって、最初は似た2人だったのにそれぞれの女性として頑張っていく姿が本当に良かった

  • "女として生きること"をブラックユーモアたっぷりに描かれた短編集。面白いのにしんどい。
    恋愛も女子会もファッションも楽しいと感じることはあれど、女として強いられることや危ないことが社会には多くて辟易する瞬間もあるなと改めて痛感。
    『かわいい結婚』の「死ぬまで、エンドレスに、家事はつづく」ことに気づいてしまった絶望感はやばい。苦手な家事をこんなにひかりは頑張ってるのに妻だから当たり前として全然褒めたりしない旦那にもめちゃくちゃ腹立った。
    『お嬢さんたち気をつけて』では、結婚ルートに行ってもキャリアルートに行っても本当の幸せには程遠いのかもなと思う。でも二人の友情は微笑ましかった。

  • 読みやすかった!短編集。3つ目が違う雰囲気漂ってて同じ作家なのにすごいな〜と思った。私は1つ目の話が好きだったかなー。主人公かなり変わった人だったけど。

  • 悪夢じゃなかった?が一番面白かった。
    男尊女卑の主人公が女性になってしまって…という話。テンポも良い。

  • 山内マリコさんの小説初めて読んだけどめちゃくちゃ面白かった。結婚についてコミカルに描く感じすごく好き。登場人物もどの人も濃くて一気読み。

  • 女性の理不尽さや常に沸々とある静かな怒りがユーモラスに描かれていて面白かった。

  • 初めて読む作者 山内マリコ氏の本である。
    単行本で、3話。
    料理も掃除も出来ない女性 ひかりが、主人公。
    主人の正幸ことまーくんと結婚するのだけど……
    家事一つ満足に出来ない主婦。
    勉強も嫌いて、仕事もやる気の無く、ゲーム好きな夫。
    しかし、家の汚れが、酷い事で、一発、発起、家事代行の仕事で、家の事をやり出して、面白さを感じる事が出来たのだけと………
    よくよく考えると、主人のまーくんの世話をすると言う事の意味が、わかる!
    題名の「かわいい結婚」、おままごとのような結婚生活を思っていたのだろうか?と、まだまだ、これから出産育児、と、人生は長いよ、と、言ってあげたい!!!
    「悪夢じゃなかった」カミュの変身ではないが、朝目が覚めると、主人公裕司は、女になっていた!
    母親からも息子の女友達と、思われ飛び出したけど、ハイヒールの履き心地の悪さ、下着売り場でのブラの種類に、ショーツのソングまで、右往左往。
    そして化粧品やコスチュームも……
    女の苦労が、わかってくる。
    お金を遣いすぎたので、神待ちと言う 家出少女に宿を提供すると言うネットを見て、40位の男と、会うのだが………酷い目に、否 酷い目を合わして飛び出す。
    どうなって行くのだろうかと、サクサク読んでいく。
    年上で付き合っていたけど、別れ話が出た彼女のアロマサロンへ!!!
    そこで、彼女の本音も!
    一夜一緒に過ごしたら、元の男性になっていた!
    そして2人は意気投合!!!の幸せな終わりになっていた!
    「お嬢さんたち気をつけて」は、2人仲の良い女性が、都会と、田舎!
    そしてその後、キャリアウーマン、出産間近の主婦との相違が、……

    女性の事が細やかに書かれているが、この小説に登場する女性の誰もが、好きな人物であった。
    話はとても面白かったけど、共感出来そうな感じが、思い当たらないのは、昭和女だからかも知れない。

  • 個人的には『悪夢じゃなかった?』が1番好き!

  • 柔らかい絶望と安心感。
    昔に戻りたいかと言われると戻りたくない。大人ってつまんないよね、でも自由だよねという気持ちになる。

  • 山内マリコさん作品記録9

    山内マリコさん、こういうテイストの作品も
    書かれるんだ〜!と新鮮な気持ち。

    『かわいい結婚』のひかりのように
    一生この家事が続くのか〜と思う瞬間、
    専業主婦じゃない今でもあるから
    わたしは働いていたほうが良いなと思ったり
    自分の境遇と重ね合わせながら読んでいました。

    『悪夢じゃなかった?』は
    コミカルながらもどこかじーんときてしまうから
    不思議。

    『お嬢さんたち気をつけて』は
    登場人物の口調などから
    少し昔のお話かと思いきや現代のお話で驚き。
    1.2作目とは違ったテイストで面白かった。

  • 山内マリコ先生の描く女の子は、もっと強くてしなやかであって欲しかった…!
    好みの問題だけど、あまり感情移入はできなかったなぁ。

  • Twitterに脳みそ乗ったらたような内容で新鮮味がなかった……

  • 義母の懇願で仕事をやめて家庭に入ったあかり。結婚はゴールだと思ってたのに、家事はぜんぜん好きになれない。そして家事代行サービスのパートに入ることで家事のやり方・楽しさは学べたけど、今度はなぜわたしだけが家事を?これを一生くりかえすの?と絶叫。最後は、どうせ家事しなきゃなら新しい恋とか面倒、自分のだらしないところも情けないところもすべてさらけだせる今の夫でいい、という地点に落着する「かわいい結婚」。深い考えもなく男尊女卑な考えの沢村が、ある朝目覚めると女性に変身していて、自分が男のときには考えもしなかったいやらしい視線、あぶない目、女性の生きづらさ・本音を目の当たりにし、もとに戻ったあと、自分を見限った元カノともやりなおせて、昼はスーツでサラリーマン、夜は女装家として妻とおでかけし、仲良くクラスストーリー「悪夢じゃなかった?」。同じものを選びすぎて、見分けもつかないといわれたこともあった地方在住の女子二人が、地元に残る選択、東京に残る選択をしたあとの、それぞれの苦しみと喜びを描いた「お嬢さんたち気をつけて」。

  • 21歳の私は時々なにもかも投げ捨てて誰かのお嫁さんになれば人生イージーじゃね?って考えることがある。そんな私にどんな選択をしてもイージーなんてねーよって教えてくれるのがこの本。私のバイブル。

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著者プロフィール

1980年富山県生まれ。2008年に「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞。2012年、受賞作を含む連作短編集『ここは退屈迎えに来て』を刊行しデビュー。その他の著書に『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』『一心同体だった』『すべてのことはメッセージ 小説ユーミン』『マリリン・トールド・ミー』など。

「2024年 『逃亡するガール』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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