まるまるの毬 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 218
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936873

作品紹介・あらすじ

親子三代で菓子を商う「南星屋」は、  売り切れご免の繁盛店。武家の身分を捨て、職人となった治兵衛を主に、出戻り娘のお永と一粒種の看板娘、お君が切り盛りするこの店には、他人に言えぬ秘密があった。愛嬌があふれ、揺るぎない人の心の温かさを描いた、読み味絶品の時代小説。吉川英治文学新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 表紙絵に魅了されて購入。あまりにも美味しそうだったので・・・。物語の方は家族愛、兄弟愛に溢れた素敵な作品でとても面白かった。これは読まないと損だと思う。
    あらすじ(背表紙より)
    親子三代で菓子を商う「南星屋」は、売り切れご免の繁盛店。武家の身分を捨てて職人となった治兵衛を主に、出戻り娘のお永とひと粒種の看板娘、お君が切り盛りするこの店には、他人に言えぬ秘密があった。愛嬌があふれ、揺るぎない人の心の温かさを描いた、読み味絶品の時代小説。吉川英治文学新人賞受賞作。

  • 平台で見つけて表紙買いした、久々の掘り出し物。
    とは言え、吉川英治文学新人賞受賞作なのだから
    その面白さは折り紙つきということか。

    とにかく面白い。
    わくわくはらはらどきどきが止まらない。

    そこに甘党の私には垂涎のお菓子たち。
    どうにもこうにもページを繰る手も止まらない。

    治兵衛をはじめとする南星屋の家族たち。
    そのひとりひとりだけでなく周囲の人々までもが
    それぞれの人柄でくっきりと描き分けられていて
    互いの関わりの中で見せる表情のひとつひとつが
    すんなりと心に入ってくる。

    作りものの違和感がない時代小説。
    この作品は高田郁さんの「みをつくし料理帖」に
    肩を並べる秀作だと私の中では抜群に評価が高い。

    まだ読みたい。さらなる連作を期待しています!

  • 南星屋は、諸国遍歴の末に江戸に戻った主人治兵衛と娘のお永、孫娘のお君が、下町で安くておいしい諸国のお菓子を売る店です。
    連作短編集で、基本は人情ものですが、最後のほうでは治兵衛の出生の秘密に起因する大きな事件が持ち上がります。
    食べ物屋を扱った時代小説がブームのようですが、その中で
    扱っている物がお菓子で主人公が老人というのが特徴的です。その分、どこかしっとりと落ち着いた雰囲気がありますし、そこに明るい孫娘がうまく絡んで色を添えています。
    困難があっても、そこを乗り越えようとする前向きさが心地良い暖かな作品です。

  • ランキングを見て目に留まったこの本。ずっと昔に読んだ「金春屋ゴメス」の作者さんですな。それが結構だった記憶もあり、皆さんの評価も良かったこともありで買ってみた。
    ある事情から武家の家を出て、菓子屋を目指し、諸国を回る中で各地の銘産のレシピをものにし、今は江戸で小さいながらも菓子屋を構える治兵衛。出戻り娘のお永とその娘お君の3人で店を切り盛りし、地元では売り切れ御免の繁盛を見る。
    3人を中心に語られる“家族”の物語。
    武士になる自分の将来を厭い菓子屋に弟子入りをしてきた少年の、父を見る思いの切なさ。その父がそのまた父を見る思いの苦さ(若みどり)。
    父の思いを忖度して、心の毬を己の内側に向けるしかない娘の忍耐(まるまるの毬)。
    血が繋がっていないことが分かっても、寧ろ強くなった兄弟のつながり(大鶉)。
    一瞬の気の迷いが本物の輝きを持つことになる、夫婦になることの不思議(梅枝)。
    二人の息子のことを中心に、親子とか結婚とかについて考えることが多いこの頃の中で、色んな思いが次々と湧いてきて沁みた。

  • 表紙買い(笑)。
    時代小説ですが、お菓子屋さんの話なので、歴史に興味がなくても楽しめます。
    エンターテイメント的設定です。
    でも、ほろ苦さの残るラストも良い。
    1話、1話が30分程度で読めて、通勤時の読書にぴったり。少し心が豊かになって電車を降りる感覚でした。

  • 時代小説は気後れしてしまうが、和菓子職人が主人公という所に惹かれた。複雑な出自を持つ親子三代が経営する南星屋を舞台に短編形式で紡がれる人情もの。各話で登場する諸国の和菓子にも唆られるが、身分制度の厳しい江戸時代を舞台に懸命に生きようとする登場人物たちの家族愛に惹き込まれる。何よりキャラクター造形が素晴らしい。シリーズ物はあまり得意でないが、お君ちゃんを主人公にした続編を期待してしまう。現代劇は金吾が治兵衛同様に家徳を捨て南星屋に弟子入りすれば概ねハッピーエンドだが、そうもいかない時代のほろ苦さを残し終幕。

  • 和菓子屋さん。
    続刊読みたいな。あるのかな。



  • 人情もの。
    お江戸の時は、徳川家斉の頃。
    お上の御落胤が理由あって、長屋暮らしの町人、菓子屋の親父に。秘されたいちもつを腹に抱え、ある一家の出戻り女房になった娘、お武家に嫁ぐことになったが波乱の末出戻りになった孫娘。
    一家三人が紡ぐ家族物語。
    誰よりも思う気持ちはあるが、口下手で思う苦難葛藤を自分の中だけで抱え込む故、伝わらず。
    誰よりも愛情はあるのに、すれ違う。と思いきや、実は通じる以上に意を汲んでいたり。
    時代物を読むと、花鳥風月を愛でる時間のゆとりや物事に対する執着や、森羅万象をそういうものだからしょうがないと捉える潔さを感じるね。
    個人の権利だとか何だとか、そういった価値観がぶつかり互いにそぐわないと感じた時に実に息苦しいなどと思うことがある時、やはりこの時代のものの捉え方って良いなーと思わずにいられない。

  • とても読みやすくて良かった。西條さんの本は何冊目だったかな。奥が深いので読んでて楽しい。

  • ご主人、人が良すぎ。
    住職が好きだった。

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プロフィール

1964年、北海道中川郡池田町に生まれる。北海道帯広三条高等学校を経て、東京英語専門学校を卒業。 2005年、『金春屋ゴメス』が第17回日本ファンタジーノベル大賞 大賞を受賞しデビュー。2012年、『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞を受賞。2015年、『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞を受賞。

「2018年 『秋葉原先留交番ゆうれい付き』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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