カルマ真仙教事件(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.52
  • (8)
  • (37)
  • (32)
  • (5)
  • (2)
本棚登録 : 359
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936910

作品紹介・あらすじ

★事実と物語が融合した注目作★
公安は、防げなかった。
平成最悪のテロ事件を。

元警視庁公安部の著者が自らの捜査経験をもとに、
平成の世を震撼させた最悪のテロ事件を警察視点で描く!

**********************************
警視庁公安部OBの鷹田正一郎は絶句した。
カルマ真仙教元信者の死刑囚が、秘かに五億円もの金を残していたらしい。
その大金は、とある貸金庫に眠っているという。
死刑囚とは誰なのか。それは教団の隠し財産なのか。

二十年の時を経て、鷹田は孤独な捜査を開始する。
平成が終わろうとする今、あの忌々しい事件の記憶を紐解き、
カルマ真仙教と向き合う時が、再び来たのだ。
*********************************

平成を生きる同時代人としてページをめくれば、きっと誰しも何かを思い、何かを感じる小説だと思います。ぜひお手に取ってみてください。(編集部)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • フィクションとされているが
    ほぼほぼルポタージュのような内容。
    公安とはなんとも不思議で謎な組織だ。

    敵を知るために交流を深める感じがなんとも不思議

  • 世の中を震撼させたオウム真理教。
    その教団が起こした数々の事件を、元公安部の著者が小説化したもの。
    どこまでが事実に即しているのかわからないが、当時の無差別テロ発生の混乱が甦る。
    気付けば地下鉄サリン事件からは29年もの時が経っているのか…

    2024.3.3

  • 2018年1月18日。地下鉄サリン事件などオウム真理教が引き起こした一連の裁判が結審した。

    だが、すべての闇が解明されたわけではない。

    多くの人が、いまだに筆舌に尽くせない苦しみの中にいるのだ。
    そして、オウム真理教は形を変えて、いまだに生きながらえている。


    著者は警視庁公安課などで、オウム真理教による一連の事件捜査に従事した自らの経験をもとにして、この小説を書き上げたという。


    主人公・鷹田正一郎は、国家の安寧のために危険な団体の危険な行動を未然に防ぐために情報を収集していく。

    その過程の中で、憲法で保障された「信教の自由」を悪用し、増長していくオウムの危険性を察知する。

    いざ攻防戦、そのときに松本サリン事件が発生してしまう。


    読み続けていく中で感じるのは、ぶつけようのない「怒り」の感情。

    なぜ、多くの罪のない人たちが人生を狂わされてしまったのか。
    なぜ、頭脳明晰な若者たちが殺人集団になってしまったのか。
    なぜ、オウムの暴走を止めることができなかったのか。


    誤った思想は、多くの人の人生を狂わせ救いようのない苦しみへと陥れてしまう。

    久々に、読みやすいのに読み続けるのが辛い小説に出会った。

  • THE REAL。自分が生きて来た中で1番大きな事件を当事者が書いているので引き込まれないわけがない。早く中巻を読まなくては。

  • 濱嘉之『カルマ真仙教事件(上)』講談社文庫。

    オウム真理教による一連の事件捜査に従事した元公安捜査官の肩書を持つ著者が自らの経験をもとに執筆した書き下ろしフィクション小説。半年掛けてやっと上中下巻が全て刊行されたので読み始める。

    どこまでが事実で、どこからが創作なのか。平成に起きた実際の大事件を題材にしているだけに非常に面白い。カルマ真仙教元信者の死刑囚から密かに五億円を預かる男の余命は三ヶ月…警視庁公安部OBの鷹田は終止符を打ったはずの二十年前の事件の記憶を呼び覚ます。

    待った甲斐があった。中巻に急ぎたい。

  • 感想下巻へ

  • 濱嘉之の3冊目読み。かな~り久しぶり。
    たしか、「警視庁情報官」のシリーズを2冊ほど読んだのだったかと。。。

    筆者が元公安警察官だったことに興味を抱いて手に取ったものの、“情報戦”の描写の性質上の問題か?現代事件史の紙芝居的にしか見えず、「ああ、この人の本はもう読まないかも」と思っていたのだけど・・・。

    題材に興味を惹かれ過ぎ、ブクログレビューで初めて目にしたときから、いつか読みたいと思い続けた。そしてついに手に取ったら・・・


    面白い。
    上述のシリーズ(2冊)と異なり、主人公の人物像が掘り下げられ、十分に感情移入して読める。

    また・・・あくまでフィクションだと謳われているけれども、固有名詞も一文字違いであったり「音」の雰囲気が似せられたりしている地名やら人名やら・・・・。

    オウム事件のルポを読むような感覚で物語にのめり込まされる。

    中巻、下巻も楽しみ。

    ★4つ、9ポイント。
    2018.09.03.新。

  • オウム事件をモデルにした物語。作者自身警察OBであり、事件の真相をより近くで知る人物だからこそ、描かれる物語にはとても臨場感を感じることができる。ただこのような作品は、どこまでが真実であり、どこまでがフィクションなのか、境界線がよく分からない。
    上巻。まだ序盤に過ぎない。なんとなく物語の結末は予想できてしまうが、読み応えはある。オウム事件を改めて知るうえでも読んでみる価値はあると思う。

  • オウム真理教による一連の事件捜査に従事した元公安による小説。
    フィクションというもののノンフィクションようで、小説としての面白さは感じられなかった。

  • 警視庁公安部OBの鷹田は絶句した。カルマ真仙教元信者の死刑囚から、秘かに五億円もの金を預かっている男がいたのだ。死刑囚について口を閉ざす男の余命は三ヵ月。二十年の時を経て、あの時が蘇る。すべての蛮行に終止符を打ったはずだったのに。自らの捜査経験をもとにした著者渾身の注目作!

全28件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1957年、福岡県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業後、警視庁入庁。警備部警備第一課、公安部公安総務課、警察庁警備局警備企画課、内閣官房内閣情報調査室、再び公安部公安総務課を経て、生活安全部少年事件課に勤務。警視総監賞、警察庁警備局長賞など受賞多数。2004年、警視庁警視で辞職。衆議院議員政策担当秘書を経て、2007年『警視庁情報官』で作家デビュー。主な著書に「警視庁情報官」「ヒトイチ 警視庁人事一課監察係」「院内刑事」シリーズ(以上、講談社文庫)、「警視庁公安部・青山望」「警視庁公安部・片野坂彰」シリーズ(文春文庫)など。現在は危機管理コンサルティングに従事するかたわら、TVや紙誌などでコメンテーターとしても活躍中。

「2022年 『プライド 警官の宿命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

濱嘉之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×