シャーロック・ホームズ対伊藤博文 (講談社文庫)

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著者 : 松岡圭祐
  • 講談社 (2017年6月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936996

作品紹介

ゴッド・オブ・ミステリー・島田荘司推薦! これは歴史の重厚に、名探偵のケレン味が挑む興奮作だ。
シャーロック・ホームズが現実の歴史に溶けこんだ。いかに彼は目撃者のいないライヘンバッハの滝で、モリアーティ教授に対する正当防衛を立証し、社会復帰しえたのか。日本で実際に起きた大津事件の謎に挑み、伊藤博文と逢着する。聖典【シリーズ】のあらゆる矛盾が解消され論証される、二十世紀以来最高のホームズ物語。

細谷正充 (文芸評論家)
 松岡圭祐の新刊は、なんとシャーロック・ホームズと伊藤博文が、明治の日本で共演する。おまけに扱う事件が、日本とロシアを震撼させた大津事件。時代ミステリーの秀作にして、新たなるホームズ譚の収穫。これほどの物語が文庫書き下ろしで入手できるとは、なんとも嬉しいことである。

北原尚彦(作家・ホームズ研究家)
 ホームズが死亡していたと思われ不在だった時期(ホームズ研究家=シャーロッキアンは「大失踪期間」と呼ぶ)に何をしていたのかについて、「チベットなど東洋へ行っていた」と説明されるものの、詳述されることはない。その謎に秘められた期間、ホームズは秘かに日本に渡っており、伊藤博文とともに難事件を解決していた。それも、歴史に残る重大な出来事に隠された真実を。──それが本書『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』なのである。
 本作では、歴史上の出来事とシャーロック・ホームズの年代記を巧みに組み合わせている。博文は一八六三年から六四年にかけて、実際に仲間とともに渡英している。だからこの際に、博文とホームズの(最初の)出会いがあっても不思議ではないのだ。
 本作は虚実の混ぜ具合が、実に絶妙だ。山田風太郎や横田順彌の明治小説と似た味わいの、重厚でありながら第一級のエンターテインメントなのである。

シャーロック・ホームズ対伊藤博文 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ゴッド・オブ・ミステリー・島田荘司推薦!
    「これは歴史の重厚に、名探偵のケレン味が挑む興奮作だ」―島田荘司。シャーロック・ホームズが現実の歴史に溶けこんだ。聖典のあらゆる矛盾が解消され論証される、20世紀以来最高のホームズ物語、ここに誕生。

  • ホームズがもしも実在したら。そしてもし伊藤博文と会っていたら。
    ifから始まる史実を絡めたフィクションはとても好きです。タイトルに惹かれて余分な知識を入れずに読んでみました。
    ネット上のレビュー評価は高いようですが、個人的にはそこまで好きにはなれませんでした。
    ホームズにも伊藤にも感情移入ができず、キャラクターに惹かれません。
    もしこの作者がイギリス人であったら、またはライトノベルとして出版されていたら、素直に面白かったと思えた気がします。

    松蔭先生の存在の書き込みがあっさりしており個人的にはがっかりで、先生の言葉など知っている人なら「あああれね」と思えることがさらっと書かれています。
    これはホームズやその他歴史についても同じで、知っている人はにやりとできる箇所がいくつかあると思います。
    ただ、歴史やホームズのマニアでなくともちょっと知っていればわかる程度で、
    自分としては物足りなさを感じました。
    自分の好きなホームズとはキャラが違うように感じ、生意気や無礼さが非常に目立ったのと、
    推理というより超能力のような、推理に至るまでの理由が納得の行かないところもありました。

    特に冒頭の第二次長州征伐の頃の長州藩の考え方についての記述が疑問です。
    まるで長州藩は徹頭徹尾、本気で攘夷をするつもりだったかのようです。

    日本女性が洋装でも背筋を伸ばしているのは、帯を潰さない為ではなく
    帯に支えられているから背筋が伸びるからです。
    洋服に慣れた現代日本人は姿勢が悪いですが、
    当時であればみな姿勢は良かったでしょう。
    ホームズが着物を着たことがないからこその推理ミスなのかもしれませんが。

    伊藤を大事な人物と認識しているのに、必ず帰還すると断言してくれ、と約束をして共に危険な場所へ赴くのは、
    本来感動するところなのだと思うのですが
    自分には蛮勇に思えました。

  • 2017年6月講談社文庫刊。書下ろし。ホームズが、伊藤博文のいる日本で、大津事件に挑むお話。ホームズにあまり感心できませんでした。らしくないような。

  • 本当に伊藤博文とシャーロック・ホームズが出会ったように感じながら、とても楽しく読めました。
    シャーロック・ホームズのお話は子供の頃に読んだことがありますが、あくまでも海外の事件で距離感がありました。本作では日本の事件を伊藤博文とシャーロック・ホームズが解決へ導いていくので、親近感がわきます。クライマックスへ向かうにつれ、とてもハラハラドキドキしながら読みました。

    大人しくしていられないシャーロック・ホームズはいつもやんちゃで好奇心旺盛。まるで子供のようで、また首を突っ込んでる! と毎回心配になる反面、彼が絡んでどのような事件展開になるのかと楽しみでもありました。

    タイトルを見たときに、どうやって伊藤博文と絡むのかと本の発売を心待ちにした甲斐がありました。
    伊藤博文については千円札の人というイメージしかなかったので、とても興味をかき立てられて人物史を読んでみたくなりました。

    歴史的な重要な事件と個性の強い2人が対峙する様には大興奮でした。本当に2人が会っていたらいいなと思わずに入られません。

  •  シャーロック・ホームズは中学生の頃に全作読んでいるはずなのに、さすがにホームズのことを思い出すことは少ない。しかし、成長期に読んだ本の印象だけは最近読んだ本よりも何故か残る。ホームズを描写するワトソンとホームズの探偵事務所の情景はいつも思い出すことができる。当時、表紙などろくに付いていなかった文庫本を手に取って、子ども小説から卒業して大人の時代に自分は突入するとの自覚をもって開いたのがホームズの短編集だった。

     そのホームズのシリーズをまさか松岡圭祐の著書として読むことになろうとは! しかもエキセントリックなタイトル。歴史の中に実在の人物と架空のヒーローを織り交ぜて何位をしようというのか?

     しかし読後の印象は、松岡ワールドに入り込むシャーロック・ホームズのあまりのフィット感に愕然とするばかり。

    松岡圭祐とホームズがこんなにもフィットすることに今まで気づかなかった自分が、今さらながら愚かであった。『千里眼』シリーズを全部読んでいるくせに現代の臨床心理士を描いた作家の根幹に、実はホームズの観察力+推理力が潜在していたことを気づかずにいたのだから。

    ここで描かれるホームズは、持ち前の推理力で大津事件とロシアの裏事情にある謀略を抉ることで何と日本を救う。『催眠』や『千里眼』のシリーズで広げられた大風呂敷のプロットが、何とホームズと伊藤博文のいた時代に広げられる。ああ、松岡ワールドだなあ、と思う。

    このところ美人ヒロイン小説のシリーズに終始していた松岡圭祐が真向勝負の歴史小説『黄砂の籠城』に続き、歴史に推理と冒険を加えて原点回帰のスケール感のあるエンターテインメントを書いてくれたことが何より嬉しい。

  • 自分の中で伊藤博文よりもシャーロック・ホームズの方が知ってる人だった(笑) 明治時代の日本に来たホームズの様子を読めるだけでも有り難いです。しかも歴史に絡んできたヨ〜 イッキ読みでした!

  • これの面白さが分からない人は正典を読破してないか日本史に疎い。およそ完璧な日本版ホームズパスティーシュである。

    何が凄いかって、「最後の事件」「空き家の事件」の間にある矛盾をことごとく解消している事。ホームズはモリアーティが追い詰められたがゆえ逆上して滝に呼びだしたと思っているが、モリアーティはそうでなく逃げられる余裕があるからわなを仕掛けようとしている、これで正典の表現の矛盾ほとんどすべてが解消に向かうのだ。

    またマイクロフトとの関係を掘り下げたところも非常によい。シャーロックが言うよりもマイクロフトは案外、行動派なのだが、その理由も明示されている。

    またシャーロックが基本生意気だった正典前半と、謙虚になり酒もコカインもやらなくなる後半との変化を成長ととらえたプロットも見事。

    描かれている推理も正典調であり、これが飛躍した推理に見える人は、正典ホームズの超人的推理の楽しみ方を知らないか、根本的に勘違いしている。

    ところで日本史に疎い人がこじつけの批判をしているようだが、長州ファイブは実際、若い頃攘夷に明け暮れていたし、伊藤に変化が生じたのは俊助から春助に名を変えたころである。
    徹底徹尾長州藩が攘夷しようとしていたように読めるとか、意味不明な批判があるが、わけわからない。どこを読んだらそんなふうに読める? 長州藩のターニングポイントについても触れてあるのだが。
    和服女性の姿勢がよかったのは帯の締めつけがあったからで、帯が背もたれに潰れるようにしないため? おいおい。ホームズは「なぜ椅子の背もたれにもたれかからないか」を推理してるんだぞ。これと同じ観察の根拠は「英国人写真家の見た明治日本」にも載ってる。イギリス人の観察を文献のまま載せているのに、なにを曲解してるんだか(帯による姿勢など、そもそもこの小説の場面における焦点になっていない)。

    これは基本フィクションなのだが、ダートムアにキングス・パイランドという架空の地名を設定する正典よりも、この作品は地名等も現実を踏まえ、設定の飛躍はほとんどない。歴史に興味がない人にも読ませているぶんだけ秀逸である。

    これをホームズらしくないとか、つまらない揚げ足取りで日本史に間違いがあるとかいう人を、私は信用しない。

  • すごく良く練られたストーリーなのだと思うが、歴史的知識が乏しく、なんか聞いたことあるのが出てきた、くらいにしか思えなかった。

  • 途中で挫折。
    嫌なタイプのホームズ像(自分の気づいた事をベラベラと初対面の人に言う)が多く、ホームズ好きので、読み辛かったです。
    松岡さんの作品で唯一読了出来ませんでした。

  • ライヘンバッハの滝の戦いから、ホームズが身を隠すために日本へ渡っていた、という話。

    序盤から原典に対する現代人からの激しいツッコミのような展開でホームズを窮地においやり、そこから「シリーズ復活後の変化」まで踏まえた復活劇を描くという物凄い構成。ライヘンバッハの滝にて直接敵を葬ったというエピソードと、ちょうどその頃法治国家として歩もうとしていた日本を象徴する事件が絡み合うという奇跡。

    ミステリーとしても魅力的で、ある意味日本にとって「異国人であるホームズ」だからこそ解決できたというトリックも面白い。

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