生還者 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 163
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062937108

作品紹介・あらすじ

どちらかの生還者が嘘をついている…!? ヒマラヤの峻厳な高峰に隠された悲劇。日本推理作家協会賞候補となった緊迫のミステリー!

感想・レビュー・書評

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  • 下村敦史『生還者』講談社文庫。

    これまで数多くの山岳小説やドキュメントを読んできたが、これほどレベルの高い作品と出逢う機会はそうそう無いだろう。しかも、本格的な山岳ミステリー小説である。デビュー作の『闇に香る嘘』にも驚かされたが、本作ではさらに驚かされた。

    ヒマラヤで雪崩に巻き込まれ、死亡した兄の遺品を整理するうちに主人公の増田直志はザイルに施された細工に気付く。兄の死は仕組まれたものだったのか…直志が疑念を抱く中、兄の登山隊に関係する二人の男と奇跡の生還を果たす…

    緻密に計算されたパズルのピースのような謎が散りばめられ、そのピースが次々と繋がっていく。ピースが繋がる度にパズルの全貌は姿を変え、なかなか本当の姿を見せてはくれないのだが…

    これまでに読んだ山岳小説やドキュメントの傑作を比較的阿多らしいところからざっと挙げれば、夢枕獏『神々の山嶺』、沢木耕太郎『凍』、山野井泰史『垂直の記憶』、谷甲州『単独行者』などがある。本作はこれらに肩を並べてもおかしくない傑作だと思う。

  • 兄の死を追求する山岳ミステリー。増田とえりなが、結婚すれば一ひねり面白かったかも。

  • ヒマラヤで日本人の登山グループが雪崩に巻き込まれる。生還した二人の証言がことごとく異なるなか、遺族のひとりである登山家と週刊誌の記者が真相を追う山岳ミステリー。

    富士山登山すら経験のない私には、未知の領域である山の描写が興味深く、臨場感があって疑似体験できた気分。
    夏になると、図書館で目にとまるのは一気に読めるミステリー系の本が多くなり、これもその一冊。『闇に香る嘘』以来の作者だが、安定感のある読みやすさで、もう何冊か読みたくなった。

  • 図書館で借りた本。山岳ミステリー。雪崩で婚約者を亡くした兄。兄の恋人をずっと好きだった弟。兄と恋人は厳冬期の白馬岳へのツアー登山に参加するが、予想外の天候悪化と新米ガイドの未熟さで遭難。ツアー参加者の男性は自力下山し残してきた女性達の救助依頼をするが雪崩で女性達は死亡。その時ガイドは…という事の発端はここから始まる。月日は流れ、登山を辞めたはずの兄がネパールのカンチェンジュンガに行き、そこで雪崩に巻き込まれ死亡。弟はなぜ兄がまた登山を?そして多くの謎が残るメモや遺品。弟は女性記者と共に真実を突き止める。山好きには面白く読める話かな。

  • 主人公の兄が雪山で死亡。
    その登山隊の関係者2人が救出されるが、証言は正反対のものだった。主人公は兄の死の真相を追求する、とういお話。


    雪山なので証拠らしい証拠は何もなく、証言だけがほとんど。その中で真相を追求する難しさが面白かった。

    登山の用語が難しくて、調べながら読んだ。

    すごくドロドロした人間模様に引き込まれた。前半なかなか真相に近づかないのでモヤモヤするけど、後半は特に面白くて一気読み。ハッピーエンドなので読後感も良くておすすめです。

  • 最後にわかる真実。よくあるパターンだ。それでも山岳ものは面白い。自分は一時よく山登りというよりトレッキングをやった。3000メートル級を適当な高度から日帰りというパターンだ。縦走は経験がない。またもっと低い山でいいのでトレッキングしたい。簡単に出来そうでなかなか腰が重い。

  • 山岳ミステリ。生還した2人。真実を語るのは誰だ。
    山岳物はわりとすきなのだけど、ザイルを切ったのは誰だとか、そう言う話には飽きていた。この作品にも謎のひとつとして、ザイルの切り口に関することもあるが、メインではない。
    これからも楽しみな作家さんの1人だ。

  • ずっと積読だったのだが、読み出すとあっと言う間。面白かった。

  • デビュー作より面白かった!

  • 無いっちゃない展開なんだけど、結構予想がつかなくて一気読みした。

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著者プロフィール

1981年京都府生まれ。99年、高校を自主退学し、同年、大学入学資格検定合格。2014年に『闇に香る嘘』で第60回江戸川乱歩賞を受賞。同作は「週刊文春2014ミステリーベスト10」国内部門第2位、「このミステリーがすごい!2015年版」国内編第3位にランクインするなど高い評価を受けた。他に『叛徒』『生還者』『真実の檻』『緑の窓口』『サハラの薔薇』『黙過』『悲願花』『刑事の慟哭』など多数。

「2019年 『サハラの薔薇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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