流 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 164
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062937214

作品紹介・あらすじ

台湾で不死身のはずの祖父が何者かに殺された。 無軌道に生きる17歳の主人公にはわからないことばかり。直木賞受賞の青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。
    内戦で敗れ、追われるように台湾に渡った不死身の祖父。
    なぜ?誰が? 無軌道に生きる17歳のわたしには、まだその意味はわからなかった。
    台湾から日本、そしてすべての答えが待つ大陸へ。
    歴史に刻まれた一家の流浪と決断の軌跡。

    中國本土から国民党とともに台湾渡った祖父が殺された。
    台湾を舞台とした主人公葉秋生の成長物語。
    以前、台湾を舞台とした小説を読み、もっともっと
    台湾の事、台湾の歴史を知りたいと思っていた。
    このお話は1970年代から80年代の台湾に投げ込まれたようだった。
    暴力シーンが苦手なので、何かと親に鞭打たれたり、
    喧嘩三昧がヴーーーッて思ったし、
    喋り言葉の「」の中が漢字で書かれ、横に小さな日本語のルビが
    ふられているのも、最初は読み辛くて馴染めなかった。
    しかし、いつの間にか猥雑な街並み…小さな路地にひしめき合うように
    連なる古い商店街や出店。
    そこに入り込んでいたようです。
    賑やかな音や悪臭さえ漂ってきているような感じがした。

    家族や国や戦争。
    とても壮大で複雑。
    どの視点から戦争を描くかによって、全く違うものに見えて来た。
    親日家が多いと信じていた台湾。
    本省人と外省人によって日本に向ける意識が全く違う事を知った。
    台湾・中国・日本…。
    台湾の事、ほんの少し知る事が出来たかな。

  • 『流』
    戦時からバブルまでの台湾が舞台です。
    街の喧騒、タチの悪い輩の喧嘩、抗争の描写を通じて
    当時の事情、社会が見えてきます。
    中国、台湾そして日本。

    台湾を中心として歴史、生活をのぞける小説としての位置づけに加えて、主人公の兵役、受験、恋そしてルーツへの想いの描写が不思議な読了感の世界へ誘い込みます。

    生々しい描写が多いため、嗜好は分かれる小説かもしれません。

    https://twitter.com/rtaka1624/status/1231191777572319232?s=21

  • 台湾は約50年前にはこんなにも荒削りの地だったとは。
    中国、台湾、日本の3国の激動の史実、そこに一人の男の青春ストーリーが落とし込まれている。それは岩が流転するかのような青春だ。
    汗と血の匂いが感じられる行間に、いかなる時も生きていることを讃えようとする作者の姿勢がみえた。

  • 東山彰良『流』講談社文庫。

    直木賞受賞作。台湾、日本、大陸を舞台に、17歳の葉秋生が自らのルーツを辿りながら成長していく物語。角の取れた梁石日といった感じの作品。日本人とは明らかに考え方が異なる別世界で物語が展開するためか、なかなか馴染めない作品だった。

  • 始まりは、大好きだった祖父の不審な死。
    常に、というか、たまに忘れてしまうのだけれど、誰に、どうして殺されなければいけなかったのか?ということが、常に主人公の心の底にあります。
    最初の方に、主人公が色々とやらかすのですが、それを、なんでそんなことやる?とイライラと読んでましたが、後半に向けて一気に色々なことがやって来て盛り上がってきます。

  • 前作『ブラックライダー』はその良さをさっぱり理解できなかったのですが、本作『流』に関しては何の文句もありません。直木賞選考委員全員マルの勲章は伊達ではありませんでした。かつての同賞受賞作、金城一紀の『GO』を彷彿とさせる青春小説の傑作です。
    いや、青春小説という枠だけに当てはめるのは良くないですね。祖父殺しの犯人を追いかける点ではミステリであり、毛毛とのロマンスのくだりは恋愛小説の側面があり、何と幽霊も出てくるのでホラーの要素もあります。それ以外にもハードボイルドとか国際小説とか家族小説とか、まるで海外の総合小説のように様々な読み方ができる作品だと思います。人によってはウンコ小説と名付けるかも(けなしているわけではないです、念のため)。
    このように美点の多い作品ですが、個人的に一番気に入ったのは、作中の至る所に散りばめられたユーモアに加え、作者自身がとても楽しんで書いていることが伝わってくる点でした。特に地の文の生き生きとした筆致とスピード感は素晴らしいの一言。それに引っ張られて、一読者として作者と一緒に笑い、感動することができました。いやあ、楽しかった!

  • その時代に生きる人の躍動感と人間臭さが文章の行間から味わえる作品だ。
    プロローグから始まってエピローグ迄の中で、話しの軸となる部分が有りそれに幾つかの物語が加わっている。
    祖父の死について犯人を真実を捜していく事に目がいってしまいがちだが、読んでいくにつれこれは一人の青年の成長を描いている作品だと納得した。

  • 2020/01/31読了
    #このミス作品6冊目

    重厚なストーリーで後半の展開が見事。
    ただ、好きか嫌いかと言えば嫌いな部類。
    直木賞作品は私には早すぎたようだ。

  • 直木賞選者の好きそうなテーマの小説。
    秋生という大陸から台湾に渡った3世の人生を追っていく青春小説。喧嘩、幽霊、恋愛、兵役、復讐など盛りだくさんで読みがいのある本でした。

  • 湿度がすごい

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著者プロフィール

1968年台湾生まれ。5歳の時に日本に移る。2002年『逃亡作法 TURD ON THE RUN』で「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞しデビュー。’09年『路傍』で大藪春彦賞、’15年『流』で直木賞を受賞。『罪の終わり』で’16年中央公論文芸賞受賞。’17年『僕が殺した人と僕を殺した人』で織田作之助賞、読売文学賞、渡辺淳一文学賞を受賞した。

「2021年 『どの口が愛を語るんだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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