流 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1002
レビュー : 128
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062937214

作品紹介・あらすじ

台湾で不死身のはずの祖父が何者かに殺された。 無軌道に生きる17歳の主人公にはわからないことばかり。直木賞受賞の青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 東山彰良『流』講談社文庫。

    直木賞受賞作。台湾、日本、大陸を舞台に、17歳の葉秋生が自らのルーツを辿りながら成長していく物語。角の取れた梁石日といった感じの作品。日本人とは明らかに考え方が異なる別世界で物語が展開するためか、なかなか馴染めない作品だった。

  • 湿度がすごい

  • 前作『ブラックライダー』はその良さをさっぱり理解できなかったのですが、本作『流』に関しては何の文句もありません。直木賞選考委員全員マルの勲章は伊達ではありませんでした。かつての同賞受賞作、金城一紀の『GO』を彷彿とさせる青春小説の傑作です。
    いや、青春小説という枠だけに当てはめるのは良くないですね。祖父殺しの犯人を追いかける点ではミステリであり、毛毛とのロマンスのくだりは恋愛小説の側面があり、何と幽霊も出てくるのでホラーの要素もあります。それ以外にもハードボイルドとか国際小説とか家族小説とか、まるで海外の総合小説のように様々な読み方ができる作品だと思います。人によってはウンコ小説と名付けるかも(けなしているわけではないです、念のため)。
    このように美点の多い作品ですが、個人的に一番気に入ったのは、作中の至る所に散りばめられたユーモアに加え、作者自身がとても楽しんで書いていることが伝わってくる点でした。特に地の文の生き生きとした筆致とスピード感は素晴らしいの一言。それに引っ張られて、一読者として作者と一緒に笑い、感動することができました。いやあ、楽しかった!

  • 半分ヤクザの祖父が殺された!酷い殺され方だった。
    主人公の葉秋生は祖父が殺された事で悩み考え自分の人生が非常に目まぐるしくなり、ヴァイオレンスでエキサイティングな青春時代を過ごす事になる!
    自分の祖父の死の真相を追いながら台湾から日本へそして大陸へと流れて行く!


    ↑これは一般的な解釈による粗筋です。

    私はこう思います↓
    葉秋生は暇だった何に熱中することもなく唯々流されるままに生きる。兵役が嫌だから大学に行こうとするが受験の為の勉強が嫌で嫌で、外をほっつき歩くからトラブルに巻き込まれる。祖父の死を言い訳にし好き放題流れに身を任せ青春時代を謳歌する!
    読んでて痛快な青春小説!!!



    何故か私には村上龍の【69sixty nine】とこの小説が被ってしまう!?

  • その時代に生きる人の躍動感と人間臭さが文章の行間から味わえる作品だ。
    プロローグから始まってエピローグ迄の中で、話しの軸となる部分が有りそれに幾つかの物語が加わっている。
    祖父の死について犯人を真実を捜していく事に目がいってしまいがちだが、読んでいくにつれこれは一人の青年の成長を描いている作品だと納得した。

  • 当時の台湾の熱気、喧噪、匂いの中に急に放り込まれた感じになる
    内省人と外省人の距離感とか、アジアらしい迷信や風俗なども興味深い
    台湾の不良も派手な学ラン着てたとか思わず笑ってしまった
    不思議な話は多くあるけどそっちに寄り過ぎず、いい具合に物語が進んでいると思う

  • 直木賞選者の好きそうなテーマの小説。
    秋生という大陸から台湾に渡った3世の人生を追っていく青春小説。喧嘩、幽霊、恋愛、兵役、復讐など盛りだくさんで読みがいのある本でした。

  • 近所に匠書店というエ○DVD屋さんがあります。ここに文庫コーナーがあり、50円から200円で売られています。値段の付け方が良く分からないのですが、ブックオフで324円で売られていた「流」が50円の書棚に置かれていました。「安い」というだけで買った本作ですが、価格の数十倍も楽しめました。

    発端は75年、蒋介石が死去した直後の台湾。主人公は17歳の高校生に葉秋生。本書の読みどころは、次の3点にあります。
    1)物語の冒頭、秋生が愛する祖父が無残な形で殺されます。祖父は誰によって、なぜ殺されなければならなかったのか?秋生は、成人後も、謎を追い、大陸に侵入します。まず、本書はミステリーとしての面白さがあります。
    2)本書は秋生が17歳から26歳までに体験することを描きます。17歳の頃はゴキブリを怖がる兄ちゃんですが、級友やヤクザとのトラブル、幽霊騒動、恋愛と失恋、軍学校、兵役を通して、彼は成長してゆきます。このあたりは一種の教養小説としての面白さがあります。
    3)舞台は70年代から80年代の台湾ですが、台湾の猥雑な雰囲気を本書から読み取ることができます。また、当時は大陸から逃げてきた国民党の人々が存命しています。日中戦争や国共内戦が、いかに人々を苦しめたのか、我々は本書で断片的でも知ることができます。

    本書は色々な読み方ができると思いますが、私は青春小説として読みました。おススメの★★★★。「あのころ、女の子のために駆けずりまわるのは、わたしたちの誇りだった」ことを思い出せたら、本書を読んだ価値があると思います。

  • 長編青春小説!
    みんなが思うことなんだとしても、登場人物の識別が大変!何々叔父さんがどの叔父さんか瞬間でわからない。
    でも、一種の成長ストーリーと近現代の台湾、中国の歴史観からを感じることができて物語としてはとても魅力的。毛毛はきっといい女なんだろうなぁという妄想が膨らんでパンパンな私です。

  • 自分の意思ではどうにもならない世の中の流れ。
    その世界でもがき生きているのが我々人間なんだって思わせてくれる作品でした。

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著者プロフィール

東山彰良(ひがしやま・あきら)
1968年台湾生まれ。2002年「タード・オン・ザ・ラン」で第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞。03年同作を改題した『逃亡作法 TURD ON THE RUN』で作家デビュー。09年『路傍』で第11回大藪春彦賞。15年『流』で第153回直木三十五賞。16年『罪の終わり』で第11回中央公論文芸賞、17年『僕が殺した人と僕を殺した人』で第34回織田作之助賞、18年第69回読売文学賞、第3回渡辺淳一文学賞をそれぞれ受賞。近著に『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた』『越境』など

「2019年 『宮辻薬東宮』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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