- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062937344
感想・レビュー・書評
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ふう…久しぶりに感想が書きにくい作品に出会ったな。
とっても疲れた。
ホント“道徳”って何なんだろう。
なんだか答えのない問題を解かされたような気分だし、何か得体の知れない真実が隠されている気がして怖くもなった。
でも読まずにはいられない。
特に終盤100頁ぐらいは一気読みだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「爆弾」が面白かったので読んだ。
最初からこの作者さんは「人間」が書きたかったんだなぁと感じた。若干入り組みすぎてる感じもあったけど展開は好みだった。 -
面白かったが、周囲から見た犯人・向の人物像と、終盤で明らかになった向の犯行動機が、自分の中では一致しなかった。
単行本で読んだが、文庫本の方には「文庫化で大幅加筆、完全リニューアル」と紹介されてるので、どう違うのか気になるところ。 -
面白かったっちゃあ面白かったけど、所々いまいち釈然としない。
確実にベストセラー作家になる為に注目を集める殺人を犯すのは合理的なのか?と思ってしまうからか。
理屈としては合っているんだろうけど、筋が通ってるかと言われると、うーん、腑に落ちない。 -
とある陶芸家が自宅で死体となって見つかった。
服毒自殺と思われた部屋の壁には「道徳の時間です」の文字が。
同じくして、過去に公演中に壇上に上がり演者を刺殺した犯人の
ドキュメンタリーを撮る事になったカメラマンの主人公。
その犯人が公判中に呟いた言葉が「これは道徳の問題なのです」
主人公の地元で起こる連続イタズラと陶芸家服毒自殺事件とリンクして、
過去の事件をインタビューとして浮き彫りにするこの作品。
なぜこの映画を撮ることになったのか、犯人の目的は?
最初は乗り気じゃなかったのに気がつけばグイグイと読んでしまった。
作中で語られる「道徳」とは、実態が無いのに誰しもを押さえつける
枷として描かれている。教育論とかそういう小難しい事も出てくるけれど、
犯人や監督を動かす原動力を知れば最後は大いに納得できる。
ミステリで言うwhyに力が入っている作品が好きな人にはおすすめです -
呉勝浩『道徳の時間』講談社文庫。
第61回江戸川乱歩賞受賞作。かなり変わったミステリーである。テーマや作中に散りばめられた材料や伏線は面白いのだが、嫌な後味が残るだけで、今一つ判然としない作品だった。
有名陶芸家の死亡現場で、殺人をほのめかす落書きが見付かる。同じ頃、ビジュアル・ジャーナリストの伏見にもたらされたかつて町の小学校で起きた殺人事件の映画撮影のオファーとが、次第にリンクしていくが… -
問題。悪い人は、誰でしょう?彼を裁いたのは、「ルール」ですか?「モラル」ですか?-。
『スワン』以来の呉勝浩san。
ビデオジャーナリストの伏見祐大、QM(クエッション・オブ・モラリティ)、監督の越智冬奈、鳴川市、現在の連続イタズラ事件と13年前の小学校での講演者刺殺事件とのリンクなど。
「これは道徳の問題なのです」というキーワードに惹かれ、あっという間に読み終えました。とにかく、終始冷静で鉄面皮な越智冬奈が魅力的で、エビ料理屋で出会った時から釘付けでした。
黙秘の犯人、証言者の撮影、先生たちの真実、そして向家の過去。。最後の宮本先生のインタビューから、刑務所前エンドロールへの展開は感動しました。
【第61回江戸川乱歩賞】 -
「道徳の時間をはじめます。殺したのはだれ?」のフレーズとストーリーの骨組みは好きだった。
しかし、たしかに浅さが目立っていた。 -
道徳の問題。奥が深くて難しい。