虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社文庫)

  • 講談社 (2017年9月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784062937511

作品紹介・あらすじ

『○○○○○○○○殺人事件』で鮮烈デビューした「奇才」による待望のメフィスト賞受賞第1作!上木らいちは援交をする高校生で名探偵でもある。殺人現場に残された12枚の遺体のカラーコピー、密室内で腕を切断され殺された教祖、隣人のストーカーによる盲点をつく手口――数々の難事件を自由奔放に解決するらいち。その驚くべき秘密が明かされる時、本格ミステリは新たな扉を開く! さらにパワーアップした傑作短編集登場。

みんなの感想まとめ

多様な事件を解決する高校生探偵の物語は、ただの下ネタに留まらず、挑戦的なミステリーとしての魅力を放っています。援交を繰り返しながらも、主人公の上木らいちは独自の視点で事件を解決し、その過程で人間性を描...

感想・レビュー・書評

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  • 最高にお下劣なミステリー ただの下ネタバカミスではない挑戦的な良作、援交探偵シリーズ #虹の歯ブラシ

    援交を繰り返しながら、様々な事件を解決してく全七編からなるミステリー短編集。援交探偵 上木らいちシリーズ第二弾!

    相変わらずの下品さが最高ですね。
    様々なタイプの謎をたっぷり詰め込んであって、読んでて飽きず面白いです。紫、緑、赤が好みの作品。やっぱり「変態」って魅力的ですよね。

    そして主人公の上木らいちと、買われる男性の方々の人間性描写がお見事。色情まるだしでサイテーですよ。

    本作ただのお下劣な本ではありません、ミステリーとしても素晴らしいです。
    バカミスぶりに惑わされずちゃんと読めばわかりますが、作者のミステリーへの情熱と研鑽ぶりがしっかり伝わってきます。特に最終章での作品へのこだわりが半端ありません、ここまで整理できているのはちょっとすごいですよ。

    作者のチャレンジングで本気度が垣間見れる、本格エロミステリー。超良作ですが若い女性の皆さまや、下ネタが嫌いな人にはおすすめできませんのでご容赦を。

  • '23年10月10日、読了。ebookjapanの電子書籍で。早坂吝さんの小説、三作目。上木らいちのシリーズは、二作目になるのかな?

    これは、ちょっと…文庫版はかなり加筆修正されているようで…作者の力の入れ具合は、よくわかります。だけど、さ…(⁠╥⁠﹏⁠╥⁠)

    特に、というか唯一、かな?解決編が、僕には「ガチャガチャ」に思えます。やり過ぎ、では?
    他の短編は、それなりに楽しめました。僕は、特に「青」と「緑」が好きです。早坂さんらしい感じ!「青」なんて…バカミスすぎでしょ┐⁠(⁠´⁠ー⁠`⁠)⁠┌

    上木らいちシリーズ、次も読んでみたい!ハハハ!

  • ある意味伝説のデビュー作後1作目
    1作目よりさらに賛否両論だろう2作目
    怒るならまだしも壁にぶん投げる人すらいると思う
    僕は(まあ、最後はどうかと思うが)涙とよだれと拍手で今後も買いますと誓った
    ただ、短編集なんだけど1つだけ化け物級のがまざっているのです。本格ミステリです(おい、怒るなよ)天才です。これだけは真面目なミステリ読者も絶対に認めないといけないですよ、タイトル言ったらこれかと警戒して読まれるので言わないけど、騙されなかった人はマジ変態だと思います、友達になってください。一体どんな私生活おくってんすか
    ぼ、ぼ、ぼくはだまされたからねっ(いやまじで)

  • 上木らいちシリーズ2段目。

    著者は設定も内容も、
    中々チャレンジングなことをしていると思う。

    気楽に読めるけど、
    色々な意味で、
    なにー!?って思わせてくれます。笑

  • 前作の『○○○○○○○○殺人事件』は面白かったけど超くだらない作品だったから今回もそうなんだろうな…と思って読んだが
    …おや?
    相変わらず下品だけど意外と本格ミステリとしてちゃんとしている。

    …と思わせてやっぱり最後にやってくれた。
    いやもう発想力がえげつない。
    どうやったらこんなん考えつくんだ。

    読者やミステリ業界を完全におちょくりまくっていて若干腹が立つが、その才能は認めざるを得ない。
    まさに鬼才。
    悔しいけどハマりそう。

  • 援交探偵、上木らいちを主人公にした連作短編集。前作『◯◯◯◯◯◯◯◯殺人事件』で衝撃的なデビューを果たした援交らいちだが、今作はよりその特異なキャラクター性を煮詰めた短編集となっている。本来、探偵は謎めいたものであり、その人物の秘するものが色々とあけっぴろげになる性的な物事からは距離を置かれることが多いが、らいちはそんな常識をあざ笑うように簡単に股を開きチンポをしゃぶり抵抗なく誰とでも寝る、究極的なまでに世俗的なキャラクターである。白眉なのは峰不二子のように色仕掛けを武器にしているわけでなく、純粋にカネと享楽のために寝ているという部分だろう。この軽薄さが逆に謎めいた印象を彼女に与えており、また係る事件もどことなく淫靡な雰囲気の漂うエロい事件である。

    幕開けからしておっぱいコピー事件と呼ばれるひどい事件から始まるわけだが、この事件も作りは非常に秀逸であり、タイマー設定できない連続コピーが逆に容疑者のアリバイを証明しているというのが素晴らしかった。また時間をたっぷり掛けた理由がバイアグラによるもの=普段は不能であることを解決編のフェラで解き明かしたりするアクロバティックさが良い。一見するとバカミスだが、その実しっかりとした論理に裏打ちされており、推理小説としての満足度は非常に高い。コピーではなくカメラというのは盲点で、容疑者のプロフィールによって明かされていたわけだが、このギミックはなかなかに面白いと思った。

    他にもセックス教団の教祖がイカという衝撃的な真相の事件と密室を合わせた短篇などもお気に入りである。しかし触れなくてはいけないのは、最後の赤と、キーパーツとなる橙だろう。最後の最後で上木らいちの正体に迫るわけだが、連作短編の太字の部分を繋ぎ合わせて矛盾を突き合わせて浮かび上がる正体は複数のパターンがありはっきりとしない。つまりはどの色を選ぶかでらいちの正体が確定するというマルチエンディング仕様である。それはさながらUMAの正体に迫るようであり(それを意識したのからいち人間じゃない説もある)またミステリの多重解決ものを利用した落とし方でもあるのだろう。複数人説、老婆説、男説など、正体明かしの時に出てきがちなネタを全部拾っているのが小憎らしい。そして発散に至るわけだが、それも含めて謎めいた印象を保ったままなのが実によかった。

    文体も非常に俗っぽくて読みやすいが、あとがきの作者の言葉を読んでなぜ波長が合うかその理由がやっと分かった。作者が好きなのは安部公房とカフカで、これは僕が学生の時に好きだった作家の二巨塔である。一気に読み切ってしまったが、次作の文庫落ちが待ち遠しい。メフィスト賞作家にハマるのは殊能将之依頼かもしれないな。

  • 叙述トリック部分がわざわざご丁寧に太字で書かれているので「実は高齢者?」「実は男?」「実は人間じゃない?」とか想像しながらも「でもそれってありふれてるし、しかもそれを太字にしちゃったらバレバレじゃない?」と違和感がありつつ読み進めていくとラストの考察パートが面白い。
    それでいて一つ一つの作品も、なんだか驚いたような驚いてないような、感心するようなしないような絶妙なトリックで終始力が抜ける仕上がりになっている。
    採用する記述組み合わせを変えることで多様な真相が生まれる、というのは、後期クイーン問題に対する解答の変奏と言えるし、その結果意味不明な世界観の解答がたくさん生み出されるので変な解答編好きとしてはたまらない。
    そしてその多様な結論が出てくるという話が、虹の色の受け取り方の違いと結び付けられるのは、あまりにも美しく計算し尽くされている。

    ような気がしたけど、その計算され尽くした結果も作中作オチで、それがありならなんでもありじゃん!なので、なんだか締まるような締まらないような感じで、いい感じの「え、これはなに?」感を湛えた読後感だった。

    今までに多様なトンデモ叙述トリックを通過してきた人がより楽しめる贅沢なミステリでしたね。

  • ◯×8に続き、これまた援交探偵という他に類を見ないエロミス。AIと言いエロミスと言い、探偵の設定がぶっ飛んでるんだよね。エロいことしてるだけで描写はないので普通に読める。歯ブラシの色と曜日でそれぞれの客とのちょっとしたミステリー。紫から黄色までは、まあ普通。青は教祖が面白すぎたけどww
    それにしても、最終章の種あかしがいくつかに分岐している(?)んだけど、夢オチよりもひどい結末が(選択肢の1つとして)書かれている。橙の話が唐突すぎて理解不能。そんな主人公が◯◯認◯◯◯なんてチートすぎる!シリーズものだと思ってたのに!確かにフォントが違うところと題名に違和感があったけど、そんななんでもありなんて、これまたメフィスト賞らしい本でした。

  • このチャレンジ!
    めっちゃイカれてて最高にイカしてる!

  • 内容(「BOOK」データベースより)

    援交探偵・上木らいちが住む高級マンションの自室には、曜日ごとに通ってくる固定客用に虹色の歯ブラシが揃えられている。現場に女性の胸部の死斑変化を記録したカラーコピーが残されていた事件、セックス教団の教祖が密室で殺害された事件…エロい難事件の数々を、らいちがロジックで鮮やかに解き明かす!

  • 全部で七篇の短編集・・なのだが、冒頭から読むことが望ましいだろう。
    援交探偵、上木らいちが主人公の本作。
    援交相手(客)が関わる不可解な事件を紐解いていく。
    さて、なぜ冒頭から読むことが望ましいのか・・それは七篇目を読んでみれば分かるだろう。どんでん返しではない。一篇~六篇が全て伏線になっている。

  • エロミス
    エロいこと自体が事件のキーになるような話が
    なかなか面白い
    また、最終話は賛否両論になるとは思うが、
    素直にすごいと思った

  • 援助交際をしてる女子高生探偵が様々な事件を解決する本格ミステリー。
    曜日ごとに決まった固定客がいて、それぞれの客にまつわる事件が起こるというのは題材として面白い。気軽に読めるミステリーとしてはよかった。
    ただ、最後の章(らいちの正体が語られる章)は微妙だった。とんでもない設定だ。

  • 虹の各色をタイトルに冠した、長め短めいろいろの七つの話が収められた短編集。
    一話ごとの「援交探偵」上木らいちの推理と活躍を楽しむのもさることながら、ラストのエピソードで、らいちの正体と謎について展開される怒涛のような論理と検証!?には、脳みそぐちゃぐちゃにかき回されました。

  •  援交探偵・上木らいちが虹色に含まれる色に因んだエロい難事件を解決するエロ×本格ミステリー短編集で、下ネタとガチガチのロジックの融合が面白く、特に「赤」に纏わる話が凝っていて前作よりも好きだった。※性的描写が多いので苦手な方は御注意を。

  • 2025.12.28 読了 #37

    デビュー作の『○○○○〇〇〇〇殺人事件』がとても面白かったので、2作目も読みたいと思った。
    しかしどの書店に行っても無いので、調べてみると北海道は札幌の書店に僅かあるだけだった。
    取り寄せてこの度読了。取り寄せて正解だった。

    帯にも堂々と書かれているが上木らいちは「援交探偵」であり、「最もエロい探偵」なので、成人向けな描写、下品な言葉は多くはあるが、耐性がある方になら是非おすすめをしたい作品だと思った。
    (世の中にあるミステリーの状況なんて無限大にあって、中には現実離れしたようなものも多いのだから、性に関わるミステリーなんてどちらかというと現実的な方だろう。)

    本作は短編集であった。
    前作から引き続き、「ギリギリ許せないかもな。」と思える、想像を逸する結末のものを含め(笑)、全7つの章が入っていたが、早坂先生の作品は本当に読みやすく、話の内容が入ってきやすいのでスラスラと読み進めることができた。

    ただし、真の凄さは最後の「赤」の章にあった。
    それまでも充分に面白いエロい短編集として楽しめたのだが、この章では、各章に散りばめられた伏線のような表現について取り扱い各章ごとの情報をまとめながら矛盾なく説明しようとする。

    私の言語化能力ではうまく表現できないが、「言語」が内包している「曖昧さ」を利用した論理展開を、早坂先生自ら自作に対して論理100%で評価、批判した上で作品として完成させている。どころか面白さを爆増させているのだ。そしてタイトルを回収しているのだ。

    私自身が感じた本作への感想を、文末の解説でですごく分かりやすく深水先生が語ってくれているので是非解説も含めて多くの人に読んでみてほしいと、そう思った作品だった。

  • 読了。援交探偵の女子高生が殺人事件を解決する話。援交探偵?とあり官能小説と思ったが違うようで、別のノベルズ版を読んだことがある。どんな背景で主人公が援交しているのか不思議だでったので買った。ロジックとして、成り立つかと納得できた。読後は悪くない。

  • 援交探偵シリーズ短編集。おっぱいコピー、セックス教団、侵入オナニーなどの卑猥なワードがちらほら。しかし単なるイロモノではなく、特に「青の章」では『〇〇〇〇〇○〇〇殺人事件』を彷彿とさせる鮮やかな衝撃があった。1冊を通した大きな謎は多重解決も真っ青な仕掛け。

  • エロミスであることもトリックに活かせてる、本格ミステリ短編の傑作。麻耶雄嵩とは違う形でミステリの枠を押し広げる野心的な作品になっている。

  • もう、この作者は真面目なのか不真面目なのかわからない。援助交際探偵、上木らいちの元にやってくる顧客と謎。
    まあこの謎が一筋縄ではいかないのです。エロスとミステリ、あるいはホラーは昔から相性が良いとされてきたがこんな離れ業ありかよ、と言って本を壁に投げつけたくなるレベルである(褒めてます)。
    どの謎も魅力的だがどこか抜けていて、眉をひそめたくなる。そんな相反する謎とエロスがこの一冊にはあるのだ。読んで叫ぼう、「アホか」と。

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著者プロフィール

早坂 吝(はやさか・やぶさか)
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。
2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞し、デビュー。
同作で「ミステリが読みたい! 2015年版」(早川書房)新人賞を受賞。
他の著書に『虹の歯ブラシ 上木(かみき)らいち発散』『RPGスクール』『誰も僕を裁けない』
『探偵AI(アイ)のリアル・ディープラーニング』『メーラーデーモンの戦慄』などがある。




「2019年 『双蛇密室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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