呉越春秋 湖底の城 六 (講談社文庫)

  • 講談社 (2017年9月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784062937566

作品紹介・あらすじ

天才軍師・孫武を迎え入れた呉は、連戦の末に楚都を陥落させた。呉軍を率いる伍子胥は、殺された父兄の仇を討つため、平王の墓を暴き、屍に三百回も鞭を打つ。虚しさを感じつつも復讐をはたした伍子胥のもとに、孫武の病の報せが舞い込んだ。中国歴史小説の第一人者が綴る春秋戦国絵巻。心を揺さぶる伍子胥篇。

みんなの感想まとめ

復讐と戦略が交錯する壮大な物語が展開される中、呉と楚の戦いが終息を迎え、新たな世代の激突が予感される。伍子胥の復讐劇は、その壮絶さに心を揺さぶられ、彼の行動が歴史的な意義を持つことを実感させる。特に、...

感想・レビュー・書評

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  • 楚と呉の戦いは終わりを迎えて呉越の話に向かう。
    この小説のクライマックスが近づく。
    6巻の終章あたりで次々に主要人物が亡くなり、新たな世代の激突の予感。

  • 最終巻で本の感想を書く。

    「死者に鞭打つ」
    現代においては嫌悪感があるが、伍子胥の復讐が中国史上稀に見る壮絶さであったことはよくわかる。
    ここまでで伍子胥の復讐劇は終わり、この先、「呉越同舟」や「臥薪嘗胆」など有名な四文字熟語の物語へ。

  • 呉に勝利をもたらす孫武のあざやかな兵法には、賛嘆と痛快さを感じてならない。まさに神算鬼謀の天才軍師である。
    歴史というのは、いわば集団劇のように有名無名の多くの人たちによってつくられるのか、それとも個人の英雄的なちからによってつくられるのか…… 孫武、申包胥、そして伍子胥、彼らの姿を見ると後者のように思われた。

    「勝った者は、かならず美化されます。」『蔡と唐』より。
    「━━戦いとは、情報戦である。」『大別山の戦い』より。
    「わずかのあいだにみえた勝機をつかみそこねると、その怠慢はかならず苦戦に変わる。」『柏挙の陣』より。
    「法に例外を設けると、それがとりとめのない紊乱のもとになる。」『楚都近し』より。
    「性根が腐りきっていないかぎり、人はなにかのきっかけで善良にかわりうる。」『追う者』より。
    「人は大事をやり遂げると満足する。同時に、人格の成長が止まる。生涯の敵がいるとおもえば、つねに用心をおこたらず、怠倦におちいることがない。」『好敵手』より。
    「人がほんとうに屈するのは、武の力ではなく、徳の力である。」『好敵手』より。
    「老いるとともにめんどうなことを避ける性向が強くなる。」『申包胥』より。
    「━━知らぬということは、気楽なことだ。」『去就』より。
    「将の優劣は、攻めるときにではなく、退くときに、あきらかになる。」『ふたりの呉王』より。
    「━━大きなものを得れば、大きなものを失う。」『黄金期』より。

  • 今流行りの始皇帝よりも前の話で、紀元前6世紀、春秋戦国時代の中国が舞台です。
    呉と越という小国同士の激しい対立を軸に、復讐・忠義・覇権争いが交錯する物語です。
    呉王闔閭が天下取りを狙う一方、父王を殺された越王勾践が復讐を誓い、策士・范蠡の知略と共に国の再興を図る過程が描かれています。
    伍子胥や伯嚭など、実在した歴史的人物たちの思惑や悲劇も交え、ただの戦記ではなく人間ドラマとしての深みを持った構成でした。
    歴史の大きなうねりの中で、それぞれの信念がぶつかり合う重厚な一冊です。
    読み始める前の予備知識がなかったために、人物を想像するのが困難でしたが、読み続けていくにつれて、その世界観にのめり込んでいきました。
    全9巻と長いですが、読み応えは抜群でした。

  • 中国・春秋戦国時代。楚王に父と兄を処刑され復讐のため呉で生きる伍子胥が中心の伍子胥篇。
    「屍に鞭打つ」がここに。
    そして「孫氏の兵法」で有名な孫武との出会いと2人の信頼関係。後宮の女性たちを兵に仕立てるエピソード。
    点であった歴史上の事実やエピソードがストーリーになると、生き生きと人間味を帯び、身近に感じます。

    「生まれてから死ぬまでの時間が、すべて有意義であるという人などひとりもいない。むなしさにさらされている時を、意義のあるものに更えるところに、人のほんとうの心力と智慧がある。」
    うんうん、どんなときも工夫と心持ちで次への力に変えよう。

    次は越の范蠡篇へ。

  • 公子光は後の闔廬(こうりょ)である。占いとは、事の成り行きや吉凶を亀甲(きっこう)のひび割れや筮竹(ぜいちく)に仮託する行為である。つまり目の前の偶然に将来を重ね見るわけだ。現在のトランプやサイコロにも通じる。私が子供の時分は、「あーした、天気になあーれ」と履いている靴を放り投げて翌日の天気を占ったものだ。
    https://sessendo.blogspot.com/2022/03/blog-post_34.html

  • 伍子胥と孫武は楚を陥落させた。
    それにしても平王の墓を暴いて死体に鞭打つってすごすぎ。この巻がピークかなぁ

  • 復讐者・伍子胥としてのエピローグ。全ての景色が単色に見えるほどに仄暗さが伍子胥を覆う。ただひとりで国をも潰えさせた復讐劇も、寂寥感が伍子胥を包み込む。伍子胥を中心とした春秋時代は新たな戦国時代へのプロローグとなる。

  • 133

  • 呉vs.楚、逆転また逆転。胸躍る中国歴史ロマン 楚都を陥落させた呉軍の伍子胥は、父兄の仇を討つため、平王の墓を暴き、屍に鞭を打つ。復讐を果たした彼のもとに、孫武の病の報せが舞い込んだ。中国歴史小説の第一人者が綴る春秋戦国絵巻。伍子胥篇最高潮。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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