まほろばの王たち (講談社文庫)

  • 講談社 (2017年10月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784062937818

作品紹介・あらすじ

大化の改新から四年。朝廷の権勢が増すにつれ、都と山の民の紛糾は激化。都では鬼が現れ、山からは神が姿を消していた。物部の末裔である広足は、葛城に住まう験者・役小角に仕え、民同士が争わず共存できる道を探る。神や妖たちとの呪術戦、仲間を信じ奔走する者たちの姿に胸躍る傑作冒険ファンタジー!

みんなの感想まとめ

テーマは、飛鳥時代を舞台にした異なる民の対立と共存の模索であり、主人公の広足は物部の末裔として、神々や妖とともにその道を探ります。物語は、中央集権を推し進める都の権力者たちと、平穏を求める山の民との緊...

感想・レビュー・書評

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  • 飛鳥時代、都を広げ中央集権を押し進めようとする中大兄皇子と側近の中臣鎌足は、都の人々を脅かす鬼の出没を山の民の叛意とみなし、征伐すべきものと考えていた。
    一方で、山に住まう古き神々が姿を消し、山は精気を失い、山の民は散り散りになっていた。
    賀茂の修験者・役小角と、小角に仕える飯炊の広足は、両者の間の対立をおさめ、異変の真の原因を探ろうとするが…

    主人公の広足は、物部の末裔の姫。相次ぐ政変に翻弄されながらも清い心根を持つが故に、作る食事は聖餐となり、神を喜ばせる大いなる力を持ち、小角に見出される。
    陰陽道とか修験道とかの話になると、とかく安倍晴明がイケメンで役小角は奇怪な山伏風…という、多分漫画か映画でついてしまったイメージと違い、この作品では小角は清冽なイケメンなのも面白い。

    物語のスケールからしたら、一冊では足りない。駆け足すぎて勿体無いほど。
    大海人皇子や、鵜野讃良が超絶愛らしく、清々しい物語の中にもさらに際立っていて、もっともっとこの子達の活躍が見たかった。

  • 中国古代ものが得意な仁木さんが、「大化の改新」時代の飛鳥王朝に挑戦したのですね。
    ただ穏やかに暮らす事だけを願う山の民と、国家統一を企てる里の民の争いは、いつの時代でも戦争だけじゃなくビジネスな小さな人間関係の中でも起こっている業のような気がします。
    普通の人間だけでなく術を操る役小角、神様や鬼、妖まで登場させ、対立する考え方のどちらかのみを正としない結末は、千里伝に似た構造という印象を受けました。
    かなり珍しい舞台の作品だと思うので、是非シリーズ化して欲しいです。

  • 乙巳の変前を起点に異変の起こる飛鳥京と山々の怪異を、物部氏の娘・広足と役小角が解きほぐしていく飛鳥時代ファンタジー。

    中大兄皇子や中臣鎌足、賀茂氏の長の大蔵という朝廷側の国造りの思惑。
    その国に組み込まれることを拒む山の人々と神々。
    互いの存在を脅かすことなく、暮らしていけるのか…。

    鬼が跋扈し験力が飛び交う、という描写は歴史モノのエンターテイメント小説としてライトなイメージを受けます。
    が、その深いところにあるテーマはもしかしたら、「多様性を認め合う」ということなのかもしれません。

    アニメ化が似合いそうな小説です。

  • 大化の改新前後の古代日本を舞台にしたファンタジー。
    古き山の神や妖たち、役行者として広く知られている役小角と物部の遺児のヒロイン。
    勢力を拡大しようとする中大兄の朝廷と山の民たちとの対立に鎌足の陰謀と、いやいや、これはもうなんとも魅力的な登場人物たちと舞台装置だ。
    中でも幼いながらも勝ち気な大海人とさらに幼いのにとても賢い後の持統天皇ささらがとても可愛いかった。

    役小角はファンタジー界では安倍晴明に並ぶスーパースターだと思うのだけど、これまであんまりメジャーな物語はなかった気がするので、ここで一つおもしろい物語が語られたのはいいなと思う。

    一応ヒロイン広足が主人公というか語り部的役なのだけど、結構視点が変わっていくのとヒロインの活躍はあんまりないので少し惹き込まれにくかった。
    ちなみにヒロインの作る料理が神々の力となる件はちょっと僕僕先生と繋がりがあるのかと思ってしまった。

    それとこれは作者の作風かもしれないけど、いろいろな戦いの決着が割とあっさりしているのでもう一つ盛り上がらなかったのはちょっと残念。

    なにはともあれ、この舞台装置で続編を書いて欲しい。

  • 山と里、山に棲む者たちと里に住む者たち。排除しあうのか認め合うのか。大道を通し強い国を造るのが大事な人々と気ごころを通じ合うことができるのだろうか。
    役小角とコンガラ、セイタカ がお気に入りです。

  • 飯炊きだ。奈良の山奥紀伊半島。なじみのあるところだけに臨場感が違った。美しい

  • 大海人皇子と鸕野讃良皇女が出てくるけど…
    どちらも子供なんだよねぇ…
    いやまぁ年齢とかいいんだけどね、物語だから。
    同じ著者なので、どうしても"僕僕先生"を思い出します。

  • 新しい強い国を目指す<里>と古代からの神とともに生きる<山>の対立をあおる神喰い・人喰いを陰で操る者と、役小角との対決。

  • 「僕僕シリーズ」が好きなのでこの作品も手に取りました。
    物語の舞台、時代がいいですね。
    登場人物が魅力的でした。
    仁木さんらしい、どこか優しい感じがよかったです。
    楽しめました。

  • 面白かった!
    平安以前のお話ってあまり読む機会がなかったけど、好きです。
    昔読んでいた少女小説を思い出しました。
    (これより前の時代の話ですが)
    小角が気になる!他にも小角が題材になっている作品を探してみようかな

  • 〈僕僕先生〉シリーズ著者がおくる、傑作和風冒険譚!
    大化の改新から四年。中央集権化が進むにつれて、都と山の対立は激化する。物部の末裔・広足は、葛城に住まう験者の役小角に仕え、民同士が争わずに共存できる道を探り奔走するが……。傑作冒険ファンタジー!

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著者プロフィール

1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部に入学後、北京に留学、2年間を海外で過ごす。2006年『夕陽の梨─五代英雄伝』で第12回歴史群像大賞最優秀賞、同年『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。「僕僕先生」シリーズは読者の圧倒的支持を集め、ベストセラーとなる。著書に「千里伝」シリーズ、「くるすの残光」シリーズ、「黄泉坂案内人」シリーズ、「立川忍びより」シリーズ、『撲撲少年』『真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝』『三舟、奔る!』など多数。

「2022年 『モノノ怪 執』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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