ミッドナイト・ジャーナル (講談社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062938105

作品紹介・あらすじ

児童誘拐殺害事件で大誤報を打ち、中
央新聞社会部を追われ、支局に飛ば
された関口豪太郎。あれから7年。埼玉
東部で、小学生の女児を狙った連れ去り未
遂事件が発生。犯人は二人いたとの証言
から、豪太郎の脳裏に”あのとき”の疑念が
よぎる。終わったはずの事件が再び動き出
す。<第38回吉川英治文学新人賞受賞作>

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んだ宮部さんの書評集に載ってて読みたくなった本。


    童誘拐殺害事件で大誤報を打ち、中央新聞社会部を追われ、支局に飛ばされた関口豪太郎。

    あれから7年。埼玉東部で、小学生の女児を狙った連れ去り未遂事件が発生。犯人は二人いたとの証言から、豪太郎の脳裏に”あのとき”の疑念がよぎる。
    終わったはずの事件が再び動き出す。

    記者物は好きだけど、抜いた、抜かれたという熾烈なんちゃってスクープ競争にいつもハラハラさせられて心臓に悪いw

    自分には絶対無理な仕事だよなぁと思いながら、いつも読んでる。

    丹念で地道な取材から、警察でもたどり着けなかった犯人に接近していく過程は、誰だって応援したくなるってもんだよね!

  • ドラマなんかで、調べたらこういうことが分かりました、というシーンを見るたび、「どうやって調べたんだろう」と思っていた答の一端がここに。
    「調査の結果、被害者はよくこのバーで飲んでいたそうです」
    誰に! 誰に聞いたん? それ知ってるのその人やてなんで分かったん? そもそもなんでそんなこと調べようと思たん?
    事件の真相が明らかになる過程ではなく、その情報をどう手に入れるか、どう報じるか、というテーマが新鮮でした。

  • 祐里が愛梨に会いに行ったところで あれ これ見たことあるぞと。ドラマ見てたんだ。それまでは全然気がつかなかった。でも気がついた後も 全くキャストとかは覚えてないなぁと。
    ジャーナルの人たちもだけど 出てくる警察官も 骨がある人が多くて 惚れ惚れしちゃった。お互いの駆け引きが面白い。
    星4.5

  • かつて、「読んでから観るか、観てから読むか」という映画の宣伝文句があった。
    読み手としては、映像が先では出演者とかのイメージが強く残り、原作を読むときの自由なイマジネーションが損なわれるので、「読んでから観る」派に与したい。
    この小説も、近くドラマ化されるというので、先手を取って、読んでみた。
    過去と現在の幼女誘拐殺人事件を軸に、話は展開する。
    新聞記者と警察との間の関係者たちのいがみ合いや駆け引き。
    他メディアとのスクープをめぐっての取材競争。
    ライバルを支局へとたらいまわしさせる新聞社内の権力闘争。
    さらには一面トップをかけての政治部と社会部との、臨場感あふれる丁々発止。
    業界内部のあれこれを、てんこ盛りした情報小説ともいえる。
    大物政治家のオフレコ発言が週刊誌に漏れ、その犯人捜しに国税を入れるという、あり得る挿話も語られる。
    これらが映像でどう描かれるのか楽しみである。

  • 久しぶりに面白い本に出会った

  • 児童誘拐殺害事件で大誤報を打ち、中央新聞社会部を追われ、支局に飛ばされた関口豪太郎。あれから七年。埼玉東部で、小学生の女児を狙った連れ去り未遂事件が発生。犯人は二人いたとの証言から、豪太郎の脳裏に“あの時”の疑念がよぎる。終わったはずの事件が再び動き出す。第38回吉川英治文学新人賞受賞作。

    とっても大きな帯がついていた。新聞記者ものはあまり読んだことがないが、結構スリリングな展開。警察関係者って口が軽い人もいるんですね。

  • タイトルだけは知っていた吉川英治文学新人賞受賞作。宮部みゆきの書評集で取り上げられていたのを見て、読みたくなった。大変面白かった。

    連続児童誘拐殺害事件を巡る、新聞記者と警察の群像劇だ。

    元新聞記者である著者の経験が十全に活かされ、記事作りの舞台裏が超リアル。

    派手なアクションも、サイコキラーもののエグさもない(そもそも犯人は名前とデータしか出てこない)。

    警察と新聞記者の腹の探り合い、心理戦こそが、本作のメインディッシュなのだ。何とも渋い「ブンヤ小説」である。

    記事の舞台裏の描き方はトリヴィアルですらあって、「こんな話を見せ場に持ってきても、新聞の記事作りに興味がない読者はついてこられないだろう」と心配になる。
    でも、その渋さが好ましい。

  • 事件をどう解決していくのかではなく
    情報をどう入手してどう伝えるのかの観点
    ウィスキーのくだりだけ不満

  • 情報を取得できるのは、生身の人間なんだと主張する。もちろんネットを駆使して情報を集める事はできるけど、一次情報にあたり、ウラを取るのはまだまだ人間に分がありそうだ。
    本誌とは直接の関係はないけど、著者のインタビューで「スポーツ紙や夕刊紙が部数を落とした最大の要因は、駅からゴミ箱が撤去されたから」なんだそうだ。これってすっごくよく分かる。そう家には持って帰れないところがよかったわけだ。

  • 新聞記者という仕事に触れることができました。展開も良く、スッキリ感もあり。ただ登場人物が多く、誰が警察で誰が記者なのか、よくわからないまま読み進めざるを得ないことがありました。

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著者プロフィール

1965年、神奈川県生まれ。明治学院大学卒業。産経新聞社入社後、スポーツ紙記者として活躍。2009年『ノーバディノウズ』が松本清張賞候補となりデビュー。2017年『ミッドナイト・ジャーナル』で吉川英治文学新人賞を受賞。2018年『傍流の記者』で直木三十五賞候補。著書に『四十過ぎたら出世が仕事』(祥伝社刊)『友を待つ』(祥伝社文庫)など多数。

「2023年 『あかり野牧場』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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