夜は終わらない(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062938136

作品紹介・あらすじ

婚約者が自殺したとの一報が入った玲緒奈。しかし彼女には、次に殺さなくてはならない別の婚約者がいた。セックスや結婚を餌に次々男を惑わし、財産を巻き上げ、証拠を残さず葬り去るのが日常の玲緒奈には不思議な掟があるのだった。「ね? 私が夢中になれるようなお話をしてよ」死の直前、男に語らせる話の内容で命の長さが決まっていく。最期の気力を振り絞り話し続ける男たち。鬼気迫る物語が展開され、すべては一点へと…。

感想・レビュー・書評

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  • 星野智幸『夜は終わらない(上)』講談社文庫。

    読売文学賞受賞作にして、現代の「千夜一夜物語」。あの木嶋佳苗事件を彷彿とさせる玲緒奈を主人公にした何とも奇妙な物語。ミステリーなのか…はたまた…

    次々と男たちに寄生し、男たちの財産を巻き上げて、男たちを亡き者にしていく玲緒奈。男たちの残り火の長さを決めるための儀式は男たちが自ら語る奇妙な物語…

  • 2020/12/18購入

  • 婚約者を拘束し、自分を満足させる物語ができなければ財産を奪って殺すという掟を持つ女。男は話の面白さで生き残る時間が決まる。いつものように男に話をさせるのだが、話に出てくる人物がまた別の物語を語り出し、その物語の登場人物がまた別の物語を語り出す。どこまでも続くと思われる劇中劇中劇中・・・劇が、いつの間にか一点に集約され予想外の結末を迎える。小説の構成も高度に仕組まれていてとても面白いし、そこで語られるセリフにも惹かれる。「本物よりも本物らしく。高揚もカタルシスも不要」「一体感というのは中毒だ」

  • あらすじ(背表紙より)
    「婚約者が自殺した」との報せを受けた玲緒奈。しかし彼女には、次に殺す予定の別の婚約者がいた。男を惑わし、財産を奪い、殺す。玲緒奈には不思議な掟があった。夜が始まると彼女は言う。「私が夢中になれるようなお話をしてよ」死の直前、男の語る話の内容で命の長さは決まる。命を懸けた究極の物語が始まる。読売文学賞受賞作。

  • 死にたくなければ、私が夢中になれるお話をしてよ 死の直前、男たちに物語をねだる玲緒奈。ある夜、男が語った〈物語〉は玲緒奈を虜にしていく。時空を超えた世界にリアルが紛れ込み、交錯する物語は、やがて……。現代の「千夜一夜物語」文庫化。解説・野田秀樹。

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著者プロフィール

1965年、 アメリカ・ロサンゼルス市生まれ。88年、 早稲田大学卒業。2年半の新聞社勤務後、 メキシコに留学。97年 「最後の吐息」 で文藝賞を受賞しデビュー。2000年 「目覚めよと人魚は歌う」 で三島由紀夫賞、 03年 『ファンタジスタ』 で野間文芸新人賞、11年 『俺俺』 で大江健三郎賞、15年 『夜は終わらない』 で読売文学賞を受賞。『呪文』 『未来の記憶は蘭のなかで作られる』 など著書多数。

「2018年 『ナラ・レポート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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