恩讐の鎮魂曲 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 370
レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062938365

作品紹介・あらすじ

恩師と向き合う悪徳弁護士・御子柴礼司。「贖罪」の意味を改めて問う、感涙のリーガル・サスペンス。
谷原章介さんが「王様のブランチ」の「思い出の一冊」に選んだ『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』シリーズ最高傑作!

少年時代の凶悪犯罪が暴露され、悪評が拡散する弁護士・御子柴。勝率九割の敏 腕も依頼者が激減、事務所移転を余儀なくされた。そんなとき少年院時代の教官が殺 人容疑で逮捕され、御子柴は恩師の弁護を力尽くでもぎ取る。罪を自ら認める教官だ ったが、御子柴の弁護法廷は驚愕の展開に!

感想・レビュー・書評

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  • 御子柴シリーズはやっぱり、面白い!今回もグイグイと読ませてくれた。

    本職の方が読んだら有り得ないと思われるかもしれないが、御子柴という弁護士のトリッキー?な角度からの立証とか、裏付けを探すシーンが非常に面白いし良くも悪くも機転が利くなぁ、と。

    この本の中で、誰しもが嘘をついてその真実側をひた隠しにする。という流れがあるが、それは本当にその人のためになるのか、正しいのか。と。そして、人の感情というのは法では計り知る事ができない。だからこそ、法がある。その法に則って、その人に裁きをくだす。だけれども本当にそれで、その人の全部が分かったのか?という気分にもなった。。。

  • 弁護士・御子柴シリーズ、第3弾。
    前作で、少年時代の犯罪履歴を暴露された御子柴は、悪評がたたり、仕事が激減し、事務所の移転を余儀なくされる。

    そんな時、関東医療少年院時代の恩師でもあり、彼が弁護士を目指すきっかけともなった稲見教官が、殺人容疑で逮捕される。
    果たして、御子柴は、彼の無罪をどう証明するのか?

    シリーズに共通する法廷での驚愕の展開は、今回も健在です。
    物語が進むにつれ、少しずつ見えてくる真実。果たして、本当の悪は誰なのか?
    二転三転する真実に、とまどいを見せる関係者たち。

    最初のプロローグである船の沈没事故は、タイタニック号やセウォル号の様であり、後段になって、なぜこの話が最初にあるのかが、徐々に見えてきます。
    なるほど、そう来たか?

    あっと驚くどんでん返しも、最後に待っています。
    弁護士を挫折しそうになった最後、優しい手紙にウルウルしました。
    一気読み必至の一冊です。

  • 御子柴シリーズ。
    ぼんやりとしか思い出せない一作目を、読み返したいと強く思った。
    感情的になる御子柴も良かったし、稲見にも引き込まれたし、良い作品だった。

  • なにこの事件?という海難事故のシーンから始まり
    これがあらすじにある老人の事件へ
    どうつながっていくのか、という興味があるなか
    感情の揺れだとか熱意だとか、
    道標べを示してくれた恩人のために人間臭さを滲ませたり、いつまでも敵わない人に翻弄されたり、御子柴弁護士の過去2作にはない、いい意味での揺れ必死さが楽しめる。
    真犯人は?でもどうやって?でもなくなぜ?が
    解き明かされるなか、成長し生まれ変わった元少年と
    その元教官、男の信条、勝ったのはどっちだ。
    本人は、そう感じていないようだが
    読んでいる方としては、意外と・結構すがすがしい。
    そして、そうと受け止められない本人のこころが
    最大に揺れ動くなかのラスト1ページと最終行。
    読者の御子柴観もこの作品で大きく動いたのではないか。

  • 御子柴シリーズは主人公が健全でない故の面白さがある。そしてある意味自虐的、少々エスでないかと思える。

  • 介護施設で働く職員の多くは低収入。それなのに従業員が足りないため皆が長時間の重労働を強いられている。閉鎖的な環境は介護される側も介護する側もストレスを鬱積させる。家族も施設に対して立場が弱く物が言えない。そんな中で起きた悲劇。誰も責められない日本の闇を垣間見る。
    今回最大の敵は弁護する被告人。被告人である本人自身が有罪を望んでいる。生きるための行動規範を授けてくれた最大の恩人に報いたいのにそれができないもどかしさ。全編通じて迫ってくるのがどうしようもないもどかしさ。できることは何なのかを深く考えさせられた。

  • 面白かった

  • 絶対零度な御子柴が前作では倫子と関わり合いを持つことで、今作では稲見と再会することで、徐々に人間らしくなってきた。御子柴の過去が酷すぎてどうしても入り込みたくないという気持ちになるが、最後のページは泣いてしまった。

  • 御子柴と稲見の思いはどっちも凄く切実で胸に迫った。

    その分ちょっと彼女の心情がわかんなかったなあ…。そもそもどうするつもりで追ったのか。最初からその方向性で考えてたって事?それって人物描写と結構そぐわなくないか?まあだからこそのメンタルやられてた設定なのか。あと彼がいじめられっ子で結構心優しかったって設定もよくわからなかった。額面通りそんな人でも非常時にそっちに行っちゃうと帰ってこれなくなるってはなしなのか?

    といった細かい部分は気になるけど、何しろメインの二人の部分はブレないので全体としては結構いい。

  • シリーズものは回を重ねるとマンネリ感が出てくるものだが、この御子柴弁護士シリーズは、この3作目に至っても新たな感動を与えてくれる。セウォル号を彷彿とさせる海難事故で起こったある事件が、ストーリー展開の底流にあり、最後まで結末を予測させない。恩師の頑なさに困惑する、らしくない御子柴も魅力。

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著者プロフィール

中山 七里 (なかやま しちり)
1961年生まれ、岐阜県出身。男性。幼少の頃から読書が趣味で、高校時代から執筆を開始。花園大学文学部国文学科在学中に江戸川乱歩賞に応募したこともあった。
就職後は執筆から離れていたが、島田荘司を生で見た体験から執筆活動を再開。2009年、第8回『このミステリーがすごい!』大賞で『さよならドビュッシー』と『災厄の季節』の2作が最終選考にダブルエントリーされ、前者で大賞を獲得して48歳で小説家デビュー。後者も、「読みたい!」との声が続出したため、『連続殺人鬼カエル男』と改題し、2011年に文庫本として出版される事となった。
代表作に『さよならドビュッシー』などの「岬洋介シリーズ」、『贖罪の奏鳴曲』にはじまる「御子柴礼司シリーズ」。多くの作品が映画・テレビドラマ化されている。

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