パノララ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.69
  • (4)
  • (3)
  • (4)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 67
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062938433

作品紹介・あらすじ

28歳のわたし・田中真紀子は友人のイチローに誘われて、彼の家に間借りすることになった。けれどもその建物は、コンクリート三階建て・黄色い木造二階建て・鉄骨ガレージの3棟が無理矢理くっつけられた変な家。そしてわたしは、ガレージの上の赤い小屋に住むことに。全裸で現れる父親を筆頭に、個性派揃いのイチローの家族たち。ヘンテコな家でおかしな生活が始まった。そんなある日、イチローから「たまに同じ一日が二度繰り返される」という不思議な経験を打ち明けられる──芥川賞作家が描く未体験パノラマワールド!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 普通より少し波乱に満ちた人生と、それぞれに少し不思議な能力をもつ三兄弟の家に間借りすることになった主人公。主人公もまた複雑な過去を持ち、他人との距離感をつかめずにいる。一番共感したのはその主人公の、優しさや冷静さや諦めを含みながら周りを観察するその視点。自分やまわりを客観的に見つめながらも、思う通りの行動はできないということはよくあるものだ。。
    最後、主人公が、ぎこちなさを伴いながらもちゃんと自分のしたいことを言葉にできたのは貴重な瞬間だった。それと、主人公はその優しさ、繊細さゆえに間借りしている家族たちの信頼を少しずつ得ているようにも見えたので、それもまた希望にうつった。

  • 2018028

    友人の家にある小屋に住むことになった女性の田中さん。同居する家族の将春さん、妻で女優のみすずさん、そして、父親が異なる3人の子供達。

    家族でいることは、どんなに時間が経っても、どんなに嫌っていても、決して変わらない事実。言いたいことは言わないと、いくら家族でも伝わらない。家族でいることは、簡単なようでいて難しいと思う。当たり前のことを毎日の様に繰り返すことは決して簡単じゃない。それでも帰れる場所があるって、それが本当の家族ではなくても、素敵なことだと思う。。

  • 自分の中の色んなものが渦巻いて言葉にできない、
    こんなに読むのを止めれなかった小説は久しぶりで
    僕の中でちょっと衝撃的な一冊になりました。

  • 「ループする時間を描くことによって、ループしない人生のかけがえのなさに光をあてる。どんなに昨日と同じ日常でしかないと思っても、やっぱり特別な今日なんだ。」
    という感想を持ちたかったのだけど、ループするのが特別な日になっていて、そう簡単に予定調和な感想は持たせてもらえない。
    タイトルのパノラマ撮影は読後にニヤリとしてしまうウマさがある。レンズの歪みと、異なる時間を一枚の写真に閉じ込めることによって生じる歪み、その時空の歪みと整理のつかない気持ちの歪みがうまくシンクロした物語になっている。

  • 新しい町に住むと知らない路地を歩いたり、日常でなかったものが当たり前になっていく。顔見知りもできたりして、自分の人生の一部になっていく。都心の風景は他とは違う速度で変わり続けるから同じではないけれど、そこにいたことで救われたりもする。

  • 芥川賞作家が描く、未体験パノラマワールド!

    友人のイチローに誘われ、奇妙な家にある赤い小屋を間借りすることになったわたし。個性派ぞろいの彼の家族たちと生活していると、「たまに同じ一日が二度繰り返される」とイチローから打ち明けられて……。

全6件中 1 - 6件を表示

プロフィール

1973年大阪府生まれ。『きょうのできごと』で作家デビュー。『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、『春の庭』で芥川賞など受賞歴多数。著書に『その街の今は』『きょうのできごと、十年後』『千の扉』他がある。

パノララ (講談社文庫)のその他の作品

パノララ (講談社文庫) Kindle版 パノララ (講談社文庫) 柴崎友香

柴崎友香の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
西 加奈子
恩田 陸
米澤 穂信
西 加奈子
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする