家族シアター (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.83
  • (35)
  • (69)
  • (57)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 856
レビュー : 72
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062938488

作品紹介・あらすじ

近くにいるから傷つけ合う。遠くにいてもわかり合える。
大好きだけど、大っきらい--読めばきっと、あなたの「わが家」に帰りたくなる。

弟はアイドルオタク、姉はバンギャ。趣味も性格も正反対。犬猿の仲の二人は顔を合わせれば衝突ばかり。ある日、盗み見ている姉のブログに不審な投稿を発見してしまった弟。日に日に覇気がなくなっていく姉の様子が気になって仕方ない(「サイリウム」より)。

息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画。親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」より)。

真面目な姉を鬱陶しく思う妹。
趣味で反発し合う姉と弟。
うまく息子と話せない父。
娘の考えていることが理解できない母……

あなたの家族もこの中に。家族を描く、心温まる全7編。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ああ、わかるわかる、とスラスラ読めてしまって、数時間で読了。さまざまな家族の、どこにでもある暖かくて少しギスギスしたストーリー。
    大体の人が家族に一番ぶっきらぼうで、一番甘えてる。大切なことほど言わなかったり、言えなかったり。
    でも伝えることが全てっていうわけでもない。でもどこかで一番大切だって自分が一番よく知っている。
    1992年の秋空がとても好きだった。不器用な妹と、器用なつもりでこれまた不器用な姉の、素敵な姉妹の話。

  • 家族をテーマにした小説はたくさんあるけれど、辻村さんのそれは、痛い部分や目をそらしてしまう部分をすくい上げて形にしたような物語だった。
    兄弟や姉妹の話が多くて、弟が二人いる私は何度も胸がきゅーっとなった。
    親とは違う距離感、存在。私のところは姉弟だけで旅行に行くくらい仲が良いけれど、それでもいろいろある。喧嘩もするし、鬱陶しいときもあるし、でもものすごく大切。いつもどこかで気にしているし、何かあれば気が気じゃない。
    久々に、弟たちを誘って出かけようかと思った。最近どう?なんて、ちょっと姉らしい一言を添えて。

  • 家族をテーマにした短編集です。妹、弟、母、父、姉、祖父、夫の視点で描かれる、それぞれ異なる家族のお話。妹視点の「『妹』という祝福」や、父視点の「タイムカプセルの八年」が特に良かったです。

  • よかった。
    どれも ちょっといい話だったところが
    よかった。

  • 近くもあり、他人のように簡単に離れるって事も出来ない、家族という微妙な距離感から生まれる誰もが経験したことのあるような感情は、時には残酷でいたたまれない気持ちにさせられる。
    ここでも、親子であったり、姉妹であったり、父母であったり、祖父と孫娘であったり。
    それぞれの関係は決して良いものではないのだけど、どこかで繫がり、また家族という絆から生まれるものであろう温かさや愛おしさは、分かりあえる訳ではなく、恥ずかしさのなかから、絞り出した言葉や行動に愛が詰まってて、最後にはホッコリさせられます。
    この中でも私のお気に入りは 『1992年の秋空』 で、自分の経験と重なる訳ではないのですが、姉妹の噛み合わないのに、心のどこかでお互いを思い合ってる姿がとても歯がゆくもあり、愛おしくも感じた話しで好きです(^○^)
    作品の中で、どれか自分に重ねてしまう、そんなエピソードがおそらくあると思います。

  • 今まで著者の作品をデビューから追ってきたが、ここまで居心地が悪くて、愛を感じる作品はなかった。
    著者が、結婚、出産、育児を経験したからリアリティが出せたんだと思う。
    短編集だが、エピソードによっては涙を我慢しなければならなくなるので自宅で読む事をお勧めする。

  • 人は聖者ではない。依怙贔屓もするし、家族は絶対。普段の小言も、相手に期待がなければ、そこまでのエネルギーをかけない。食べる人がいるから料理を作りたくなるってことだね。人間は考える葦である。社会的なつながりを求める欲望が人間なんだなあと再確認。

  • 「タイムカプセルの八年」は、どこかで読んだ話だなと思ったら、『時の罠』というアンソロジーに入っていた話だった!

    学者で家族サービスの対極にいる父と、熱血担任教師の比較の中で、息子はきっと自分ではなく熱血担任教師を追って先生になるんだろうと思う。
    でも、世間からズレている視点ながらも、息子を思う様子や、大嫌いな親父会と奇縁が出来ていく様子が良くて、最後はスカッとする!

    私のお気に入りは「「妹」という祝福」と、「1992年の秋空」の姉妹モノ二編。
    自分にも妹がいるから、共感したのかもしれない。
    前者は、妹にイケてない姉と反面教師扱いされ、あんな風になりたくないと思い、格好いい男の子と付き合う妹。だけど、怖い先輩に目をつけられて……という話。
    なんだかんだ、姉を他者に否定されると反発する妹が可愛い……。

    後者は、文学思考の姉と科学思考の妹の話。
    毛利さんに憧れ宇宙飛行士になりたいという夢を持ち、周りから浮いた所のある妹。
    話をしていても、情緒のないもの言いをする妹に、姉は可愛げがないと思うのだけど。
    それぞれの思いがちゃんと物語の中に生きていて、ああ、姉妹っていいな、と思う(笑)

    まあ兄弟であっても、なんだろうけど、小学生とか中学生の持つコミュニティに、入れているのか、そうでないのか。
    今なら大したことじゃなかったと思えるその枠組みは、大人には分からない、気持ちの悪い絶対があったように思う。
    自分の身内が、そうかどうか、は、地味に気になる部分で。でも、同じ学校にいても、知らないことも沢山あったな、と振り返ると思う。
    今はそういう、同じ公的空間を共有していることなんてなくて、いわゆるただの家族だけど。
    あの時代って、ちょっと特殊だったんだな。

    家族モノが好きな人は泣けると思います。

  • 久しぶりの辻村深月。
    ほっとする。
    ーーー
    息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画、親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」)。家族を描く心温まる全7編。

  • やはり短編集は物足りないかな。
    始めの2話の、兄弟喧嘩の言葉がきつ過ぎて、読んでていたたまれない気持ちになった。確かに私にもある。取り返しのつかない酷い言葉を投げつけて、未だに後悔している程の思い出が。ただ、その嫌な気持ちが無くなるくらいの、何かに、救われることなく読み終わってしまったのが残念。どの短編も家族だからこその距離の取り方の難しさ、互いを想うあたたかい心が上手く描かれているけど、短編だから全体的にふわっとしてる。
    あと、辻村さんは「真面目」と評される子たちの、生きていく上での窮屈さみたいなのを描くのがお上手だと思っていたが、今作では露骨過ぎて感じが悪く思えて仕方なかった。
    解説は良かった。

全72件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。
千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。
2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞をそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第15回本屋大賞の大賞を受賞した。
他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。

家族シアター (講談社文庫)のその他の作品

辻村深月の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
恩田 陸
朝井 リョウ
有効な右矢印 無効な右矢印

家族シアター (講談社文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする