家族シアター (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2766
レビュー : 193
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062938488

作品紹介・あらすじ

近くにいるから傷つけ合う。遠くにいてもわかり合える。
大好きだけど、大っきらい--読めばきっと、あなたの「わが家」に帰りたくなる。

弟はアイドルオタク、姉はバンギャ。趣味も性格も正反対。犬猿の仲の二人は顔を合わせれば衝突ばかり。ある日、盗み見ている姉のブログに不審な投稿を発見してしまった弟。日に日に覇気がなくなっていく姉の様子が気になって仕方ない(「サイリウム」より)。

息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画。親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」より)。

真面目な姉を鬱陶しく思う妹。
趣味で反発し合う姉と弟。
うまく息子と話せない父。
娘の考えていることが理解できない母……

あなたの家族もこの中に。家族を描く、心温まる全7編。

感想・レビュー・書評

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  • 真面目を絵に描いたような姉と、それを反面教師のようにかわいくなろうと努めてきた妹(「妹」という祝福)
    特待生で高校に進学した娘の思わぬ失敗に気づき、それを受け入れる母(私のディアマンテ)
    辻村さんの表現力は本当に凄いです。
    文章が立体的で平べったくない。
    紙の上の出来事ではなく、物語が生きてる感じがする。
    そうか、だって「家族シアター」だもの。
    (タイムカプセルの八年)のお父さんも、(孫と誕生会)のおじいちゃんも、すごくよかった。
    家族にまつわる7つの心温まる物語。
    この本を読み終えたら、今よりももっともっと家族のことが好きになってると思う。
    最後の(タマシイム・マシンの永遠)は、ドラえもん愛に満ちたお話でした。
    辻村さんの長編をまだ読んだことがないので、いつか挑戦してみたいと思います。

    • ゆうママさん
      こんにちは!
      m.cafeさん!こんな本があったんですよね。何年前に読んだのか、記録してあるかなぁ・・・
      もうどんな話だったのか忘れてしまい...
      こんにちは!
      m.cafeさん!こんな本があったんですよね。何年前に読んだのか、記録してあるかなぁ・・・
      もうどんな話だったのか忘れてしまいました。(>_<)
      再読したいと思い、一応本棚にはあるのです。
      私は今、「Day to Day」を読んでいます。これがブ厚い!図書館本なのですが、他に1冊借りていたので、間に合わないかも、返却期限。超超短編集です!
      読みたい本だらけです!
      o(^-^)o
      2021/05/11
    • ゆうママさん
      それから、「かがみの孤城」「島はぼくらと」この2冊がお薦めの長編かと・・・・
      それから、「かがみの孤城」「島はぼくらと」この2冊がお薦めの長編かと・・・・
      2021/05/11
    • m.cafeさん
      ゆうママさん。
      お薦め本、ありがとうございます。
      参考にさせていただきますね。
      私も積読が増える一方で、困ってます笑笑。
      分厚い本、頑張って...
      ゆうママさん。
      お薦め本、ありがとうございます。
      参考にさせていただきますね。
      私も積読が増える一方で、困ってます笑笑。
      分厚い本、頑張ってくださいね。٩( ᐛ )و
      2021/05/11
  • 最初の話とさいごの話が良い!
    特に最期のタマシイムマシンは短い話だけどすごくグッとくる
    母親のセリフの「自分が大事にされてたかどうか確かめに来たのに、その時にお母さんがため息ついてたり、笑ってなかったら、きっと嫌だろうなって思いながら一緒にいるの」がすごく良い
    辻村深月は本当にドラえもんが好きなんだろうな

  • 面白いというよりも、素敵な短編集という言葉の方が似合いそうな。『家族シアター』を読み終えた時、そんなことを思いました。

    収録作品は7編。最後に収録されている「タマシイム・マシンの永遠」以外の6編は、たとえ家族や身内であっても感じてしまう違和や不和、距離感がテーマとしてある気がします。

    ダサい姉を軽蔑する妹「「妹」という祝福」
    口げんかばかりの姉と弟「サイリウム」
    成績の良い娘の考えを理解しきれない母「私のディアマンテ」
    子どもの行事に無関心な父「タイムカプセルの8年」
    妹の興味や性格がいまいちつかみきれない姉「1992年の秋空」
    孫と世代間ギャップのある祖父「孫と誕生会」

    性別や年代もバラバラながら、どの話も距離感の描き方がバツグンに上手い。家族といっても他人は他人。一緒に暮らしてもいてもどうしても生まれる、理解できない側面や、イライラしてしまう場面。価値観の違い。

    「「妹」という祝福」での、学校で「イケてる」グループに所属している妹が、「イケてない」グループに所属する姉がいることを恥ずかしがる心情であるとか、
    「わたしのディアマンテ」の進路に対しのほほんとした母親と、それを責める娘であるとか、それぞれの場面場面の描き方や心理描写がいずれも秀逸でリアル。

    バラバラな家族の様々な対立や、違和。それを全てリアルに描ききるのは、まさに『家族シアター』というタイトルがぴったりあてはまります。

    家族とはいえ他人。でも他人とはいえ家族。家族だからこそ生まれる違和の一方で、家族だからこその気遣いであったり心配りであったり、優しさであったりは、物語のそれぞれの違和を鮮やかに反転させます。

    「「妹」という祝福」の姉が妹に抱いていた思い。
    「サイリウム」の姉が弟へ食卓に残したもの。
    「私のディアマンテ」で衝撃的な秘密を抱えた娘に示した、母の強さと愛。
    「タイムカプセルの8年」で、父親が息子のために残した幻想。
    「1992年の秋空」の妹が姉に抱いていた憧れ。
    「孫と誕生会」で孫が抱いていた不安と、祖父の力強い言葉。

    そして最後に収録されている「タマシイム・マシンの永遠」
    実家に帰省する夫妻とその赤ちゃん。その最中、夫は妻との出会い、子どもが産まれた頃を回想し……。祖父母、父母、子ども、孫……。きっと新しい命が生まれる度に、脈々と受け継がれてきたであろう言葉と想い、そして声。
    温かさと優しさに包まれるような、これも素敵な短編でした。

    本編とはまた違うけど、解説も強く共感した。実家から離れて一人暮らしをしてたまに実家に帰る時の、お客様でもあり家族でもある自分。そして自分がその家の住人に戻るとき。この解説も一種の文学のような気もします。

    解説も含めてそんな素敵な短編集でした。

  • 良かった!
    辻村さんの本で1番好きかも。

    短編集ってなんか物足りなくて、あまり好きではなかったから、読み始めて短編集と気づいた私は、あまり期待しないで読んでた。全部で7編からなる本だけど、1編1編がどんどん良くなっていった。

    正直、最初の2つはあまり好みではなかったデス。

    タイムカプセル
    ちょっと困った先生のおかげで、親父会のみんなが繋がってくのが良いな。

    孫と誕生会
    おじいちゃん!家族にえこひいきするの、すごいわかる!それでいいと思う。泣けた。女の子の社会って子供の頃から大人になるまでずっとめんどくさいな。

    タマシイム・マシン
    辻村さんはホントにドラえもん愛に溢れてると思った。出会い方良かった。タイムマシンじゃないのよ。タマシイム・マシンなのよ。
    タマシイム・マシンってあるんだな。実現するんだな。すごく納得できて腑に落ちた。

    自分の周りで起こってる、家族にまつわる心のあるあるがいっぱい詰まってた。

  • 家族って不思議なもので、他の誰より自分の思考、ルール、性格を理解させようとしている気がする。自分とは違う人格者にもかかわらず。
    社会に出て、会社に勤めているとそんなわがまま通じないよね、ということも、どこか許されるのは家族ならではだと思うし、家族だからこそ言えないこともある。他の人が感じることのできない思いを知ることができるのは、時に近くで、あるいは少し距離をとって、誰より長い時間を共有していたからなのではないだろうか。

    作中にプレゼントがダサいと否定された新聞記事を読んで「胸の中にすっと冷たいものを流し込まれた気分になる」という表現。他人が感じることのない、なんとも言えない切ない気持ちを端的に表現していて、ぐっと胸に迫るものがあった。

    短編だからということではなく、サクッと読了。家族あるあるな楽しい物語。

  • 姉妹、兄妹、父と息子、おじいちゃんと孫。
    家族の距離感は、家族ごとに、もっと言うならその構成員同士ごとに、それぞれの形がある。
    長い時間を一緒に過ごす、居て当たり前の関係。
    めんどくさくて、わずらわしくて、いとおしい。
    そういう大切さを、よく「いなくなって気づく」といった話は多いけど、辻村さんはちゃんと、続いてゆくその「当たり前」の尊さを描いている。
    はるかとうみかの年子の姉妹みたいに、違う部分もたくさんあるけど、根っこの部分でお互いを大切に思えるような家族は素敵だ。

  • たまたま目についたから、中身も確かめず、何も考えずに買ってしまった。読み始めてから、「あ、短編集なんだ」と気づいた。辻村さんの短編集を読むのは初めてである。
    題名の通り、家族をテーマにしたオムニバスである。つまり、兄弟姉妹や親子といった関係、そこに生まれる確執と和解。それが上手に描かれている。長編作品特有の壮大な伏線回収やどんでん返しはないが、どの作品もとても魅力的だった。

  • 家族っていいなぁ

    ・あまり似ていない仲の悪い姉妹
    ・アイドルオタクの弟とビジュアル系バンドオタクの姉
    ・考える事がどこかズレている母と頭が良い娘
    ・息子の事に無関心な父親とその息子
    ・文系の姉と理系の妹
    ・アメリカから帰国した今時の孫娘と昔気質の祖父
    ・自分の息子を実家に連れて行き親や祖父母の行動に自分の子どの頃を重ねる
    七つの家族の物語。
    大体仲が悪い。でもそこはやっぱり家族。喧嘩し、貶しているがどこかでお互いの事を認め合っている。最後はホロっとする感動物語。

    どこにでもある家族の話。
    兄弟、親子、あまりにも似ていない。考え方も違う。当然喧嘩になる。
    誰もが経験した事のある話だと思います。
    自分の子どもの頃と重ね合わせて読んでしまい懐かしさと家族の良さを再確認して目が潤みました。
    ほっこりする話。気持ちを安らぎたい時にどうぞ読んでみてください。

  • 様々な家族の話が、誰にでも起こり得る身近な出来事を通して描かれている。辻村美月は人と人との間の細やかな機微を描くのが本当に上手い。

  • ああ、わかるわかる、とスラスラ読めてしまって、数時間で読了。さまざまな家族の、どこにでもある暖かくて少しギスギスしたストーリー。
    大体の人が家族に一番ぶっきらぼうで、一番甘えてる。大切なことほど言わなかったり、言えなかったり。
    でも伝えることが全てっていうわけでもない。でもどこかで一番大切だって自分が一番よく知っている。
    1992年の秋空がとても好きだった。不器用な妹と、器用なつもりでこれまた不器用な姉の、素敵な姉妹の話。

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著者プロフィール

辻村深月(つじむら みづき)
1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業後、2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。2011年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、2012年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、2017年『かがみの孤城』で「ダ・ヴィンチ ブックオブザイヤー」1位、王様のブランチBOOK大賞、啓文堂書店文芸書大賞などをそれぞれ受賞。本屋大賞ノミネート作も数多く、2018年に『かがみの孤城』で第6回ブクログ大賞、第15回本屋大賞などを受賞し、2019年6月からコミック化される。他の代表作に『子どもたちは夜と遊ぶ』『凍りのくじら』『ぼくのメジャースプーン』『スロウハイツの神様』『名前探しの放課後』『ハケンアニメ!』『朝が来る』など。新作の度に期待を大きく上回る作品を刊行し続け、幅広い読者からの熱い支持を得ている。2020年、河瀬直美監督により『朝が来る』が映画化される。

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