その可能性はすでに考えた (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062938532

作品紹介・あらすじ

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キノベス!2016(紀伊國屋書店)

次々とランクインを果たした注目作がついに文庫化!

山村で起きたカルト宗教団体の斬首集団自殺。
唯一生き残った少女には、首を斬られた少年が自分を抱えて運ぶ不可解な記憶があった。
首無し聖人伝説の如き事件の真相とは? 
探偵・上苙丞(うえおろじょう)はその謎が奇蹟であることを証明しようとする。
論理(ロジック)の面白さと奇蹟の存在を信じる斬新な探偵にミステリ界激賞の話題作。

感想・レビュー・書評

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  • 不可能状況の事件に対しての状況推理を、奇蹟を立証する(
    !)という目的のために反証していく、多重解決ミステリ
    あらゆる論証はすでに考え済みだという超個性キャラの名探偵が登場
    探偵のキャラより脇役達もものすごい
    何より畳み掛ける論理展開がすごい

  • 話題性があったのかな、、ひとまず読んでみようと手にとってみたのですが、読み進めるのが苦痛・・退屈・・
    文章自体に魅力がないのかなぁ・・。
    途中で他の小説に手を出して読んだら、やっぱり文章力(表現力?)の違いが歴然で、とってもつまらない平凡な出来事でも、文章がうまい人は読ませるものになると思うのですが、この方は、ミステリ作家としてのメソッドは評価されているのかもしれませんが(それも私にはわからないです)、読めたものではないな、、、と思いました。
    せっかく買ったんだから!・・と(ケチかよ)流し読みでひとまず最後まで読みましたが、二度と読まないと思います。
    ごめんなさい。

  • そういえばデビュー作、読んでたなぁ。原理原則っていうか、厳密なロジックは変わらず。

    論理学っていうのかな。なんていうか、こういうことを研究してる人っていそうだなぁって思ったし、そういうことを大学時代にやってたんかなぁと思ったりした。理系的でもあるのかもしれん。

    なんにせよ、ミステリーの奥深さというか味わった気がする。世の中の不思議をミステリーとして「解決できるもの」として扱いつつ、かつそこで起こる矛盾を「奇跡」という宗教的な色をまとわせて、解決するが故に解決できないミステリーが生まれるみたいな。おもろいけど、ちょっと難しかった(笑)

  • これは本格ミステリィ大好物,という人向け.恐らく,一つ一つの可能性についてノートにまとめながら著者のプロットを再現するようでないと,表層的に確かめられるものではない.

  • 古今東西の拷問に詳しくなれる本。…ではなくて、人知を超越した奇蹟の実在を証明しようとする探偵を描いた異色のミステリー。ある事件にまつわる不可思議な出来事に関し、"挑戦者"たちが合理的な解釈を提示していくが、探偵がこれをことごとく否定していく。
    ある理由から奇蹟の証明を念願とする探偵・ウエオロ。彼の奇蹟証明の方法論は、あらゆる合理的な可能性を検討し、それを否定するというものだ。全ての合理的な可能性が否定されれば、非合理的なものすなわち奇蹟こそが真実となる。正にシャーロックホームズ、"When you have eliminated the impossible, whatever remains, however improbable, must be the truth."である。そして彼はついに、探偵事務所に持ち込まれたある事件の検討から、そこで奇蹟が起きたのだと結論付ける。だが、そんな彼の前に次々と挑戦者が現れ、合理的に説明可能な仮説を提示する。ウエオロが奇蹟を証明するためには、彼らの提示する仮説がどんなに突拍子ないものでも、どんなに難易度が高いものでも否定しなければならない。現実的にできそうもないとか確率が著しく低いではなく、論理的に絶対にできないということを証明しなければならない、それは修羅の道だった。

    一つの事件に色々なトリックが提示されるという構成が面白いし、すごく練られていると思った。挑戦者が滔々と何ページにもわたって語る仮説を、探偵がほんの2-3ページほどであっさりと否定するのも痛快だった。様々な文学や歴史が引用され、ウエオロの(つまりは作者の)膨大な知識量には驚かされた。

    一つだけ気になったのは、最後、いわゆるラスボスとの対決のところ。あれは、論理的には、仮説の否定同士は別に矛盾していてもかまわない、という一点で良かったのではないかなあ。文章の巧さでつい騙されてしまいそうになったけど、実はラスボスの論理は最初から破綻しているのでは。まあそれ自体は作中でウエオロが指摘してはいるんだけど、彼がその前に話した「否定の補足」はむしろ蛇足で、全体の論理をぼやかしている気がする。
    「否定の補足」は次の展開に繋がっているといえば繋がっているので、そのために用意されたものとも見れるけど、それはそれで都合の良い展開のような気もして、やっぱり、無い方が良かったように思った。

    以前読んだ『探偵が早すぎる』でも思ったけど、この作者さんはストーリーの面白さもさることながら、キャラクターがよく作りこまれていてとても魅力的だと思う。なにか長いシリーズ物の一部なんじゃないかと思ってしまうくらい。キャラ一人一人のスピンオフを作っても十分読み応えがあるものになりそう。
    キャラクターも文体もとても好みなので、これからも追いかけていきたい作家さん。まずは既刊を全部読みつくそう。

  • 奇跡以外のあらゆる可能性を否定することで奇跡を立証する、という一風変わったミステリ。
    そんなわけなので流れを追うのにも頭を使う。

    面白かったが、ここまでグロテスクにする必要があったのかとも、ちらりと思う。

  • 玄人受けするの良く分かる作品。

    多重解決モノを読んでみたくて、評判の良い本作品が文庫になっていたので手に取った。

    10年前に起こった新興宗教の集団自殺(というか無理心中)でただ一人生き残った当時の少女が、探偵に真実を知りたいと依頼に来るところから物語は始まる。
    果たして、少女を助けた少年が首を斬られて死んでいたのは少女の犯行か、それとも首なしの少年が少女を集団自決の現場から助け出すという奇蹟が起こったのか。
    奇蹟の存在を信じる探偵がこれを奇蹟だとするレポートを完成させた刹那、殺人の可能性を示唆する「敵」が現れ、推理合戦が始まる。

    地の文章で読ませる類いの作品ではなく、展開で引っ張っていくタイプ。
    殺人の可能性を探偵が論破して否定すると、すぐ次の敵が現れて新たな可能性を提示して…という勝負が、コメディっぽいノリで都合4回行われる。

    なんというか、確かに発想が斬新で、それぞれの推理も非常に論理的で、一気に最後まで読んでしまったけど。
    結局10年前に起こった事件だから確かめようがなく、机上の空論に机上の空論で応酬してゆく展開を、読者は傍観するしかないというか。
    玄人は好きそう。とくに同業者は。

    登場人物はみな地頭(じあたま)が良く、ひいては作者の地頭の良さはひしひし伝わった。
    推理合戦は読ませたけど、物語としての世界観には充分に浸らせてもらえなかった気分。青髪のイケメンとか、ふくよかで美人のヤバイ中国女とか、キャラは立ってただけに残念。
    もう一度読みたいという気持ちにはならなかったな。
    まぁ続編も読んじゃうんだろうけど。

    可能性を否定して否定して、最後に残った限りなく真実に近いであろう可能性が、ドウニ少年の優しさを炙り出してくれて、この凄惨な事件に一筋の光明を見せてくれた感じ。
    少年も生きてて欲しかった…

  • 記憶が曖昧な少女の証言が大前提の
    安楽椅子探偵的な推理合戦。

    台詞から所作から全て漫画的。

    青い髪に赤いジャケット。
    モデルのような美しい容姿。
    キャラ設定からして、もう。

    まあ、普段読んでるものと
    かなり違うものを読んだので新鮮であるけど。

  • 「本格ミステリにまだこんな発想があったのか」

    帯に書かれたこの謳い文句に興味を惹かれて読み始めて見ましたが、最初は「伝奇ミステリじゃないか、これ」という印象。登場人物や事件現場(?)の環境などが現実離れしているため、そんな風に思ってしまいました。

    しかし読み進めていくと、そうした設定は非現実的なものですが、謎解きに関しては論理的な推理になっているように感じられます。これは確かに本格ミステリと呼んで差し支えなさそう。

    これまで本格ミステリと聞くと、現実的な世界観と設定が基になっているという先入観がありました。けれど極端な話、舞台設定がたとえ異世界だったとしても、その世界のルール・理に則ってロジカルな推理が成立するなら本格ミステリになるのかも、ということに本作は気づかせてくれたような気がします。

    キャラクター設定はちょっと造りすぎ感があるというか、ビジュアルや言動が大仰すぎるきらいはありますが、良い意味でインパクトがあって記憶に残ります。主人公・上苙丞の「奇蹟の証明」が達成される日はくるのか。姚扶琳との関係はどうなる? カヴァリエーレとの対決は?

    登場人物に関わる未解決の事柄がいくつも残っているので、続編である「聖女の毒杯」もいずれ読んでみたいです。

  • 今月の2冊目。今年の4冊目。

    久し振りにガーッと読みました。そう言えばこんな感じのミステリーないなという感じですね。最初から最後まで面白かったです。けど、この調子でシリーズ化するのは難しいかなーといらんことを思いました。

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