涙香迷宮 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 486
感想 : 53
  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062938723

作品紹介・あらすじ

明治の傑物・黒岩涙香が残した最高難度の暗号に挑むのは、IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久! これぞ暗号ミステリの最高峰!
いろは四十八文字を一度ずつ、すべて使って作るという、日本語の技巧と遊戯性をとことん極めた「いろは歌」四十八首が挑戦状。
そこに仕掛けられた空前絶後の大暗号を解読するとき、天才しかなし得ない「日本語」の奇蹟が現れる。
日本語の豊かさと深さをあらためて知る「言葉のミステリー」です。

感想・レビュー・書評

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  • 完全に主役は「いろは歌」。その狂気じみた圧倒的ボリュームに呆然。
    黒岩涙香については山田風太郎作品で触れた程度の知識しか持ち合わせていなかったので、その多芸ぶりと破天荒な経歴に驚いた。
    冒頭の殺人事件と涙香といろは歌。とても自然な流れなのに、おそらく配分の問題だろうか、奇妙なアンバランスさを感じてしまったことは否めない。
    そこに面白さを感じられるかどうかで好みがわかれそう。
    水平思考クイズの答えが気になる…。

  • 暗号ミステリってちょっと腰が引けちゃうというか、あまり考えずに読んで「へー」ってなりがちなタイプなんだけど、これは凄かった。いろは歌は日本人には馴染みのもので、読んでいて「なるほど」と思うことも多くどんどん没頭した。
    それにしてもこの怒涛のいろはには圧倒された。どんな頭脳の持ち主なんだろう!だいたい旧仮名遣いやら古語やら、こんなに自在に操れるなんて凄すぎる。
    小1のこどもに普通にオセロで負けてしまう私にはとても考えつけそうにないけど、チャレンジしてみようかな(笑)

    黒岩涙香については、たぶん高校時代に日本史で軽く教わり、萬朝報を創刊した巌窟王や噫無情の翻訳者であるということくらいは知っていたけれど、こちらも読んでいて圧倒された。すごい人だ。だいたい最初の新聞社で24歳で主筆、30歳で萬朝報創刊。こういう若くして活躍する人がいたのが明治の時代なのかな…と思ったりもした。

    牧場智久を探偵役とする小説はシリーズものなんだね。
    類子ちゃんと智久くんの可愛いカップルのシリーズなのかな。囲碁も将棋もさっぱりだけど、他のものも読んでみたい。

  • この著者の涙香愛は半端ないですが、いままで連珠と競技かるたのルールを決めた人、ぐらいにしか思ってなかったので、涙香こんなに凄すぎる人とは知らなかった。なんで日本人の評価あまり高くないんですかね。
    その昔、ファミコンの五目並べで花月とか型の名前が出てきて、周りの人に聞いてもわからなかったけど、本屋で調べたら、それが五目並べではなく実は連珠のルールだったと知ったことを思い出した。
    当時は連珠ってそれなりに一般的なのかと思ったけど、未だに他の人と話が合わないので、マニアックな部類の話だと思いますが、これがよくこのミステリーがすごいで国内編1位になったなと。
    いろは歌の暗号はもうマニアックというか変態の域に入っているし、古文の知識も必要なので、どう考えても一般受けしない部類の話だと思うし、ミステリー小説として見るとどうなのだろうか?ちょっと物足りないという評価になってしまうだろう。
    高校生同士の会話が、今どき不自然に古臭いのは、この著者だから仕方ないのか。高校生という設定はやめたほうが良かったと思う。

  • 本格ミステリ大賞! このミス第1位! 

    空前絶後の謎解き IQ208の天才囲碁棋士・牧場智久は怪死事件を追いかけるうちに明治の傑物・黒岩涙香が愛し、廃墟となった山荘に辿りつく。そこに残された最高難度の暗号=いろは歌48首は、天才から天才への挑戦状だった!

  • 涙香迷宮という題で、黒岩涙香かな?と思い前からいつか読もうと思っていた本。
    確かにミステリーとしては今ひとつという評価もわかるが、この本の魅力は黒岩涙香の功績や背景を知ることができる点といろは歌の暗号。自分で解くかと言われるとその気力はないが(笑)和製のダ・ヴィンチ・コードというのは的を射ている。
    個人的には文頭でのいろはが49番目だとしたら文末でのいろはが50番目で問題になっているとかだとさらに面白かったのでは?と考えるのも一苦労ないろは歌に無茶を言ってみる。

    連珠はいろいろと触れられていたが、競技かるたにはあまり触れられず、そこは残念。むしろそれを知りたかった…。

  • 竹本健治の涙香迷宮を読みました。
    囲碁、将棋、トランプ、匣、涙香と5冊目になります。
    どれもハズレがありませんでした。
    まだ未読未入手のものを読みたいと思うばかりです。

  • 牧場智久シリーズ。前半、読むのがしんどいからって、途中で辞めたら後悔しますよってタイプの本。黒岩涙香、囲碁や連珠についてのアレコレで埋め尽くされた前半を読むのは辛かった…。ようやく事件が動き始めた後半からは、涙香の隠れ家、台風の中のクローズドサークル、いろは歌に込められた暗号と、面白さ目白押し。犯人の動機もやや弱いが、連珠が好きな人ならもっと楽しめたのかな。とにかく、暗号を仕掛けた、作者作の大量のいろは歌は圧巻!しかし…最後の推理ゲームの答え、全然分からないんですけど…

  • シリーズ物を途中から読むという冒険をしたけど探偵役の牧場さんを天才だと持ち上げる場面が多すぎてなんとも言えない気持ちに。

  • なんといっても空前絶後のいろは歌暗号に尽きるでしょう。あとがきによると、本作のために用意されたわけではなく、作者さんが趣味で作っていたいろは歌暗号が先にあって、ということのようだけれど、それはそうだろうね。どこかで作中でのいろは歌に対する賛辞、つまり自讃が過ぎるというような批評を目にしたのだけれど、これだけのモノを作ったら、少々自讃したところで罰は当たらないと思う。正直、ここまで最初から解いてみる気にならない、ミステリの謎もないが、謎解きの過程でのカタルシスはまれに見るもの。いやー面白かった。

  • うーん。全体の3分の1ほど進むまで全然面白いと思えなくて、途中でやめようか悩んだくらい。いろはが出てきたあたりから少しずつは楽しめたのだけれど。

    帯にやられてしまった感はある。だって、「空前絶後の謎解き!」「このミス2017 第1位!!」「ミステリが読みたい! 2017 第2位」「第17回 本格ミステリ大賞 受賞」「第40回 週刊文春ミステリーベスト10 第3位」と書かれているし、「綾辻行人氏 恩田陸氏 京極夏彦氏 絶賛!」とまで言われたら期待しない方が無理だよねーー。

    いやでもよく考えれば、帯は合っている。すごいとか本格とかは言っているけど、面白いとは言ってないもん。確かにすごかったから、間違ってない。

    「いろは」の数がまずすごい。これを全部考えたのかと思うと驚いてしまう。そして、その暗号もすごい。「聯珠」の暗号も、聯珠のことはわからないけれどすごいということはわかった。

    智久の謎の解きっぷりはスムーズで、どんどん解明されていくので気持ちがいい。ただ、物語に没頭できていないのに話が進んでしまうような感覚があって、謎が出てきては解かれていくのを何となく追いかけているうちにラストを迎えた、という感じ。

    「いろは」は本当にすごいと思ったけれど、お話としてはそれほど楽しめなかったな。

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著者プロフィール

1954年、兵庫県生まれ。22歳の時中井英夫の推薦を受け、雑誌「幻影城」に『匣の中の失楽』を長編連載、作家デビューする。2016年、数々のミステリ・ランキングに『涙香迷宮』が上位に入り、17年度第17回ミステリ大賞を小説部門で受賞。『囲碁殺人事件』ほかゲーム・シリーズ、「ウロボロス」シリーズ、『クレシェンド』『しあわせな死の桜』『凡虚学研究会』『腐食の惑星』等、著書多数。

「2022年 『狐火の辻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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