バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)

著者 :
制作 : ざいん 
  • 講談社
4.06
  • (35)
  • (57)
  • (22)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 309
レビュー : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940023

作品紹介・あらすじ

東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社と大学が関与した臨床研究不正事を追っていた。その捜査の中で正崎は、麻酔科医・因幡信が記した一枚の書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚混じりの異様な血痕と、紙を埋め尽くした無数の文字、アルファベットの「F」だった。正崎は事件の謎を追ううちに、大型選挙の裏に潜む陰謀と、それを操る人物の存在に気がつき!?

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  •  小説、映画、ゲームにマンガ、アニメと、物語に触れていると、「こいつやばいやつだ……」というキャラに出会うことがあります。貴志祐介さんの『黒い家』なんかは、その典型です。

     しかし、このバビロンに出てくる「曲世愛」(まがせあい)もかなりやばい。第一巻で彼女がしっかりと出てくるのは、取り調べを受けるシーンだけなのですが、それなのにやばさが伝わってくるのです。

     具体的に何がやばいのか、と聞かれると、それはまた難しいのですが、強いて言うなら、つかみ所の無さ。主人公の検事の厳しい取り調べに対して、のらりくらりとかわし、いつの間にか自分のペースに持ってくる。そのかわし方が、なんとも言えない気持ち悪さなのです。言葉自体は無邪気な感じなのに、言葉の奥底に邪悪さが垣間見える、と言えばいいのでしょうか。

     野崎さんの小説は、今までも普通の小説はもちろんライトノベルでもなかなか出てこなさそうな、キャラが出てきました。そのキャラたちに共通するのは常人の「理解の範疇を超えた」存在だと言うことだと思います。この曲世愛というキャラは、そんな野崎さんが生み出したキャラの黒い部分の集大成のような気がします。

     一つの不審死から、始まった事件は大きな政治的な企み、そしてさらに思わぬ展開につながっていきます。二巻への引きも上手くて、次の巻へも思わず手が伸びてしまうのではないでしょうか。
     

  • 野崎まどさんの作品。ほんわかした作品を読んだ後に、作家名で選んだ書籍。
    後半のスピード感が半端ない。
    来年、続きが出るのが楽しみだ。
    今から待ちきれない。

    表紙から、言い意味で裏切られた。
    どんどん引き込まれて行くけど、途中で本を閉じてもまたすぐに世界観に戻される圧倒さ。
    今流行りのタスクフォース的な、軽い話かと思いきや、新世界。
    現実社会とリンクしてるからこそ、新しい続きを感じる。

  • ある種の脅威をじっくり描いた後にさらにそれをアレしてドーンする野まど先生のお家芸が存分に発揮された作品。検察を主人公に据えて政治絡みの描写による現実感と女と新域についてのオカルトが混ざって読まされたなぁ。

  • 新たな行政特区設立の裏で起きた製薬会社の事件を追う検事の話。
    野崎まど作品は,ほっこりムードの中で天才が出てきて驚きの結末的な話が多かったが,今作は社会派。
    こういう話も上手く書く器用な作家だと感じた。
    続きが楽しみ。

  • 陰謀渦巻くスピーディーな展開でぐいぐい読ませます。そして道理に合わない死と、それにまつわる底知れない不気味さが物語を彩ります。主人公が可哀想とまで思えてくるほど、見事なまでに翻弄されます。
    次巻も楽しみです。

  • 前半と後半で印象が大分違った。前半は検事ものとしてわくわくして、正崎と文緒のコンビが楽しかった。すぐに引き込まれて読み易かったけれど、男社会でリアルものっぽかったから、例えばSFとかみたいな雰囲気の女性キャラクターの表紙には違和感があった。でも終盤で壮大にも思えるような風になって、予想はしていたけれど一気に表紙が凄くしっくり来るように変わった。文緒の真相が悲しかった。現代ものっぽい中でキャラクター染みたおじいちゃん喋りをする守永に少し抵抗があった。

  • 予想の斜め上をいく壮大な構想に、ただただビックリ。
    まったくのフィクションでありながら、じわじわと人間の本質を問うてくるような筆力に脱帽。

    緻密に練り上げられ、しかも予想をことごとく外してくる展開の上に、キャラには軽めテイストを配するバランス感覚。

    すごい、この人天才かも、と久々に思わされた作家。

  • まだ一巻目なのだが、おもしろい。
    文体が野崎さんらしからぬ硬さだったのもあって、中盤まで正直少し退屈気味だったけど、中盤以降引き込まれた。いつものようにヘンな「女」が出てきた。今回もぶっ飛んでそうで、期待がもてる(笑)

  • ただただ面白い。最後の最後まで先が気になってしょうがなかった。非常に高いリーダビリティと、一見その可読性に反するような重厚感のある捜査パート。巨悪に食いつく特捜部検事正崎善と文緒の軽妙なやりとりと、次第に見えてくる「女」の存在。謎と謎とがなかなか繋がらず、全てが繋がるときには既に・・・・・・。中盤以降の衝撃の連発と、後半の迫り上がる感情の揺さぶりは他の作品でなかなか味わえるものではない。現代のバビロンたる新域が象徴するものがなんなのか、正義がわからなくなる物語の序章。続きを読まずにはいられない。

  • 曲世 愛に 正義がどこまで
    通用していくのか
    正崎は 勝てるのか!

    1巻では 曲世に対する
    底知れない恐怖のみが残り
    全然 その全貌が分からないところに
    もどかしくも 一気に読ませられました

全48件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

2009年『[映]アムリタ』で、『メディアワークス文庫賞』の最初の受賞者となりデビュー。2013年に刊行された『know』(ハヤカワ文庫JA)は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた。その他の作品に『2』(メディアワークス文庫)、『野崎まど劇場』(電撃文庫)などがある。

「2018年 『正解するカド(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)のその他の作品

野崎まどの作品

バビロン 1 ―女― (講談社タイガ)を本棚に登録しているひと

ツイートする