- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062940023
作品紹介・あらすじ
東京地検特捜部検事・正崎善は、製薬会社と大学が関与した臨床研究不正事を追っていた。その捜査の中で正崎は、麻酔科医・因幡信が記した一枚の書面を発見する。そこに残されていたのは、毛や皮膚混じりの異様な血痕と、紙を埋め尽くした無数の文字、アルファベットの「F」だった。正崎は事件の謎を追ううちに、大型選挙の裏に潜む陰謀と、それを操る人物の存在に気がつき!?
感想・レビュー・書評
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人生百年時代に読む死の物語。
死は恐怖と好奇の対象と考える。
私は残り2冊を読み終えるまで、この好奇の響きに耐えられるか、一抹の不安が宿る。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
YouTubeで、トラウマ本として紹介されていました。トラウマになるほどのインパクトある作品とはどんな作品なのだろう?とても興味を持ったので早速、販売している書店を検索して、普段行かない本屋さんに行って3巻まとめて購入しました。
刑事物ドラマに引き込まれながら、スイスイと読み進めます。そして、最後の展開は予想がつきませんでした。しかも、謎の全ては解明されずに終わります。
早速2巻を読み始めるしか、選択肢はありませんでした。確かにトラウマ級のインパクトある最後でした。 -
小説、映画、ゲームにマンガ、アニメと、物語に触れていると、「こいつやばいやつだ……」というキャラに出会うことがあります。貴志祐介さんの『黒い家』なんかは、その典型です。
しかし、このバビロンに出てくる「曲世愛」(まがせあい)もかなりやばい。第一巻で彼女がしっかりと出てくるのは、取り調べを受けるシーンだけなのですが、それなのにやばさが伝わってくるのです。
具体的に何がやばいのか、と聞かれると、それはまた難しいのですが、強いて言うなら、つかみ所の無さ。主人公の検事の厳しい取り調べに対して、のらりくらりとかわし、いつの間にか自分のペースに持ってくる。そのかわし方が、なんとも言えない気持ち悪さなのです。言葉自体は無邪気な感じなのに、言葉の奥底に邪悪さが垣間見える、と言えばいいのでしょうか。
野崎さんの小説は、今までも普通の小説はもちろんライトノベルでもなかなか出てこなさそうな、キャラが出てきました。そのキャラたちに共通するのは常人の「理解の範疇を超えた」存在だと言うことだと思います。この曲世愛というキャラは、そんな野崎さんが生み出したキャラの黒い部分の集大成のような気がします。
一つの不審死から、始まった事件は大きな政治的な企み、そしてさらに思わぬ展開につながっていきます。二巻への引きも上手くて、次の巻へも思わず手が伸びてしまうのではないでしょうか。
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【自死とはいつの時代も、美しいものの代表である】
死への渇望は、麻薬のように脳へ快感を伝える。よく晴れた空を眺めながら電車に跳ね飛ばされたい願望、愛する者を目の前にして空へ飛び立つ願望、憎むべき者に二度と忘れられない呪いを与え死する願望、全身をめちゃくちゃに切り裂いて溢れ出す血に染まりたい願望。
死を強くイメージする事は、特定の人物にとって、幸福そのものである。そして、まるである一部の特殊な性癖のある人間だけであるように書いたが、人間という生き物には、必ず自殺願望という遺伝子が組み込まれている。
どんなに溌剌とした性格な人間でも、死にたくないと望んでいても、人は死に魅了されてしまう。死とは未知なる状態であり、好奇心が強ければ強いほど、心の明るさなど全く関係がないほど、惹き込まれてしまう。
この作品を読んでいて、昔似たような作品を読んだようなきがしている。死に取りつかれる話。その話の結末がどんなものだったか今必死で思い出そうとしている。
誰かの死にたいを、人はひっくり返せるのか。 -
アニメ観てから即買い即読み。
展開に次ぐ展開。
何がテーマかも中盤までわからない。
引き込まれる惹き込まれる。
Fの意味は、絶対ファム・ファタルも含んでると思うんだけどな。
これが野﨑まどとの出会い。 -
正義とは?悪とは?自殺はいい事?悪い事?という、答えの出ない疑問を考えさせられます。3巻まで出てます。3巻の続きまだですか?
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「鬼か、悪魔か、野崎まど、か。世界はまどに惑わされる」。
東京地検特捜部検事の正崎善、臨床研究不正事件、麻酔科医の因幡信、紙を埋め尽くした無数の文字「F」、大型選挙等。
死を許す時代、死を心の底から楽しみにする人、また、死を望ませた人間とはー?。
初めての野崎まどsan。
サブタイトルとなっている「女」がポイントですね。好きなキャラクターです。検事室での第一声が印象的でした。シリーズ2も楽しみにしています☆