彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ)

著者 :
制作 : 引地 渉 
  • 講談社
3.79
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本棚登録 : 1672
レビュー : 176
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940030

作品紹介・あらすじ

ウォーカロン。「単独歩行者」と呼ばれる人工細胞で作られた生命体。人間との差はほとんどなく、容易に違いは識別できない。研究者のハギリは、何者かに命を狙われた。心当たりはなかった。彼を保護しに来たウグイによると、ウォーカロンと人間を識別するためのハギリの研究成果が襲撃理由ではないかとのことだが。人間性とは命とは何か問いかける、知性が予見する未来の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!!!
    さすが森博嗣さん。
    「すべてがFになる」を読んで森さんの作り出す世界に、いつのまにか入り込み我が家の壁までが真っ白な研究室のそれに感じたくらい一気に読んだ、あの感覚が戻ってきました!!!
    いやぁ、、、面白かった。
    来たるべき未来。
    人間はウォーカロンという人工知性体を作り出し、苦役や単純作業、さらにはペットのような癒しの対象まで生活のあらゆる場面を担う「ロボット」?を作り出す。一方、自らの体は細胞交換で不死のように長生きする術を得るのだが子どもが生まれないという時代になるという設定なのです。
    「これって、かなり今の科学技術に対して警告を発しているよね」と思いながら読み進みます。
    「生きるとは何か」「死ぬと何か」そして「人間とは何か」なぜ人間でなければならないのか、、、などなど究極の質問を直球で投げてくる著者。
    読者である私はタジタジになりながら、ジャストミートを試みるも投げられたボールはみんなコロコロとあらぬ方向に転がっていくようなそんな不安を覚えながら読みました。
    それくらい、この本は哲学であり、心理学であり、医学であり工学でありそしてミステリーであるのです!
    途中の謎にも引き込まれるものがあり、
    全体として、話の進み方も計算されて、こなれています。
    が、
    そんな私でも最後の結びこそが森さんの伝えたかったことでは、と確信しました。
    それは、
    「結局のところ、人の心をどう捉えるかという問題に帰着する。生まれるとは、人間とは、社会は誰のものか、、、、、とりあえず暴力的な行為だけはやめてもらいたい。そんな非生産的なエネルギー消費は不合理だ、、、、、」。(要約です)

    今の世の中を穿つ言葉だとしみじみと思いながら本を閉じました。
    この本、多くの方が手にとって、それぞれの方がそれぞれの読み方をなさればいいな、、と思いながら今、レビューを書いています

  • 相変わらず ちょっとウンチクっぽいと言うか 小難しいと言うか…
    でも 不思議と 入り込んでしまう
    この 独特の世界観は 魅力的なのだ
    中毒性がありありなのだ (笑

  • 本屋に積んであった本書を見付ける。英語タイトル「Does She Walk Alone」に魅かれて購入。当然、「すべてはFになる」から百年女王に繋がる長い物語の秘密を期待して。

    P.k.ディックの「アンドロイドは電子羊の夢を見るか」が巻頭や各章の頭に引用されているが、この本にでてくるウォーカロンはレプリカントに似て、極めて人間に近い人工的に造られた人間。人はなかなか死ななくなっているが、子供は生まれなくなり、結婚や家庭もないような社会。いつのまにかウォーカロンが増えている。
    主人公のハギリが研究に没頭する描写が如何にも森先生。襲撃や登場人物からもたらせるドキドキの情報や事件も次々あるけれど、淡々として冷えた文体がファンとしては気持ちいい。

    現在の技術が進めば、ウォーカロンは兎も角、この小説に近い社会が到来するだろう。生命に意味はあるのか。培養や養殖ではいけないのか。真賀田四季なら意味はないというだろうな。それを僕は否定できるだろうか。続篇も読むしかないよね。

    百年女王のウォーカロンはこんなに人間ぽくなくってロボットに近い存在ではなかったと思う。ちょっと、考えちゃったな。
    読後思ったけど、一人歩く彼女って彼女のことだよね。

  • 「ウォーカロン」と呼ばれる人工細胞で作られた生命体が普及したいつかの未来の物語. 今はまだ非現実的な内容であるがとてもリアリティがある.違和感がないので世界観に入り込めるし著者の考える成り行きが気になる.人間が生きていることにどれだけの意味と価値があるのか. ウグイ大好き.

    *2019.1

  • 2016/10/20読了。
    読み始めてすぐ、好きなテーマだな、と感じた。
    読み進めるにつれ、仮説が確信に変わっていった。生と死や、自然と人工の境界に関する哲学的なテーマに絡んだ物語で、読み応えがある。
    すぐに次の話が読みたくなった。

  • ブログをこちらに書きましたので、宜しければお読みください。

    http://sommelierofbooks.com/fiction_nonfiction/doesshewalkalone/

    正直、この森博嗣さんの小説『彼女は一人で歩くのか?』とストーリーの関係性が最後までよく分かりませんでした。

    それどころか、この小説『彼女は一人で歩くのか?』のおもしろさ、というのが個人的には伝わってきませんでした。

    死ななくなった人間に、人生における楽しみがあるのか? というのと同じで、この小説『彼女は一人で歩くのか?』の、小説としての楽しい部分、というのが最後までよく分かりませんでした。

    森博嗣さんの代表作『すべてがFになる』を読んだことがないので、今度はそちらを読んでみようかな。

    あ、英題を見て、タイトルの意味が理解できました。

    そういうことか、納得(ネタバレのため詳細は読んでみてください(^^ゞ)。

  • 森博嗣が帰ってきた。

  • ちょうど2016年40冊目だったので、敬愛してやまない彼の作品を。

    変幻自在ですね、森博嗣は。
    Gシリーズの一歩線を引いた感じ、Mシリーズのとぼけた感じ、とはまた違う、とてもエンターテイメントな仕上がり。

    主人公のハギリが可愛いです。少し抜けた感じが、たまらなく可愛い。ネタバレになってしまうから、多くは書けないのですが、これまでに彼が書かれてきた色々なことが、少しずつ大海に向かうようにつながってきて、それが嬉しいし楽しいし、そして少しだけ寂しいです。海に出てしまえば、それまでなんだろうかと思って。

    思想的に、共感のできる内容でした。昔から書かれてきた「自然のためを思うのなら、地下のシェルターから一度も出てこなければいい」とか「自然が尊いと決めたのは人間であって、自然ではない」とか。そういったものが、また新たな一面を見せてくれて、そのいちいちに大きく頷いておりました。
    なにが「生」でなにが「死」なのか。
    ここから、物語がどういった結論にたどり着くのか、粛々とした気持ちで見守りたいです。

  • ウォーカロンと呼ばれる人工細胞でつくられた生命体がいて、人間の寿命も長くなっている未来の話(^o^;)ウォーカロンと人間の識別を研究をしているハギリ博士(人間)の命が狙われる!(>_<)ミチルの保護者で黒髪にブルーの瞳といえば、あの方では!?と思っていたら、やっぱり出ましたねマガタ博士!しかも二世紀も昔の人と言うことが判明Σ( ̄□ ̄;)赤い魔法とウォーカロンの関係、それに百年シリーズとも絡んでくるのか?気になるけれど、まだまだ物語は始まったばかり!なので期待が膨らむ(^^)♪

  • Wシリーズ1作目。
    おそらく百年シリーズよりさらに未来の話。
    ウォーカロンと人間の区別がほとんどつかなくなった時代。その識別方法を開発したハギリ博士が命を狙われる。
    今までのシリーズよりも会話劇が少ないので、萌絵と犀川、練無と紫子、加部谷と山吹、ミチルとロイディなどの会話を楽しんで読んでいたボクとしては少し残念。
    でも、ミチルやマガタといった今までに登場した名前が登場するので、興奮する。
    森ファンにとってはとても楽しめると思うけど、森作品を読んだことがない人はわからないかもしれない。

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著者プロフィール

森 博嗣(もり ひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家、元研究者。名古屋大学工学部建築学科、同大学大学院修士課程修了を経て、三重大学工学部助手、名古屋大学助教授。名古屋大学で工学博士を取得し、2005年退職。学会で数々の受賞歴がある。
作家として、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、同作で作家デビュー。S&Mシリーズとして代表作の一つに。『スカイ・クロラ』シリーズは本人も認める代表作で、2008年アニメ映画化された。その他にも非常に多くの著作がある。

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