君と時計と雛の嘘 第四幕 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940184

作品紹介・あらすじ

織原芹愛の死を回避できなければ、杵城綜士は過去へと飛ばされる。その度に「親友や家族が世界から消失する」という大き過ぎる代償をともなって――。無慈悲に繰り返される時間遡行を断ち切るために、綜士と芹愛は『希望と言い切るには残酷に過ぎる、一つの選択肢』の前で苦悩する。鈴鹿雛美がつき続けた嘘と、隠された過去とは……。衝撃のラストが待ち受ける待望の完結篇!

感想・レビュー・書評

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  • どうなることかと思ったが、とにもかくにもハッピーエンドな結末を迎えられて良かった。
    千歳先輩がやっぱりただただ凄い人だった。
    プロローグからのエピローグに感動。取り戻した日常で、友達としての三人のやりとりにほっとする。
    芹愛がさらっと電車に飛び込んでるシーンはちょっとびっくりだったけどね(怖い怖い)。

    ついでに、千歳先輩と火宮雅が登場する『謎の館へようこそ 黒 新本格30周年記念アンソロジー』に収録された短篇「時の館のエトワール」を再読。彼らの存在についてやっと意味が分かった。ずっと「時震」について調べてたわけね。
    どんな形であれ、いつの日か先輩の友人を救える時は訪れるのだろうか。
    ゼロ地点からの再出発。ちょっと『MIU404』を思いだした。あれも最後にパラレルワールドを描いていたし。

    自覚もしていなかったような本音を隠して、気づけば誰かを好きになり、大事な人のために嘘をついて生きてきた彼らの愛情が詰まった物語。
    いや~~~面白かったです。

    <完>

  • 織原芹愛の死を回避できなければ、杵城綜士は過去へと飛ばされる。その度に「親友や家族が世界から消失する」という大き過ぎる代償をともなって…。無慈悲に繰り返される時間遡行を断ち切るために、綜士と芹愛は『希望と言い切るには残酷過ぎる、一つの選択肢』の前で苦悩する。鈴鹿雛美がつき続けた嘘と、隠された過去とは…。衝撃のラストが待ち受ける待望の完結篇!

  • まずはなにより綾崎さんの筆の早さに感謝!これをこのペースで出してくれるのはまぢありがたい!
    こういう四次元の脚本かける人ほんま尊敬するわ・・・
    いや、セリアが消える可能性わい!とかあるけど、まあそれはそれ。
    最後のプロローグとエピローグの終わりかたはずるいなー。ああいうハッピーエンドね!
    いやー、良かった良かった。

  • 正直、とてつもないバッドエンドで終わるのではないかと思っていた。
    それくらい、手に汗握る展開の連続で引き込まれた。本当に面白かった!
    4部に渡る大作だが、中弛みせず先が気になって気になって仕方がない。久しぶりに早く続きが読みたい小説に出会えて満足。

  • 綾崎氏によるタイムリープ物語もこれで最後。堪能しました。やっぱり大好物のタイムトラベル物で、好きな作家の綾崎隼さんと外すわけがないです。

  • シリーズ最終巻。
    タイムリープの原因も解決も"なるほど"と思うものの、第◯周目の世界とか、ややこしかった。
    しかし、過去に何回も戻り、同じことを何回も見聞きし、何回も大切な人を失うのは辛すぎる。
    (図書館)

  • たいへん面白い作品でした。唯一の欠点は4分冊であること。新書版二段組み1冊に纏めてくれたら申し分ないのに。

  • 「希望は朽ち果て、花は枯れ」
    消えた一人の人物。
    彼無しではここまで来れなかったのは事実だが、逆に言えばループ者よりも彼の方が功績を上げているということだよな。
    彼女の焦りは分かるが、何処までも嘘を突き通そうとする姿勢を少し変えてみれば何が変わっていたかもしれないのにな。

    「たった一人のその人さえも」
    後悔をしないために今を。
    やっと本当のタイムリーパーたちの戦いが始まったような気がするが、一番のまとめ役がいないのはやはり痛手だろうな。
    過去を偽り教えていた先輩の意図は分からないが、彼女が言う程彼等のことを信頼していなかった訳ではないと思いたいな。

    「君が見つけてくれたから」
    彼が導き出した答え。
    確かにあの手紙に書かれていた事が全てであれば、彼女の存在自体が時空を歪める原因となっているのだろうな。
    失敗と同時に自分が消える事が分かっていたようだが、それだけ彼の中で大切な存在になった自覚があったのだろうな。

    「せめて笑顔で死ねますように」
    彼等が出した結論。
    これまでに消えてしまった人の事を考えると、彼女一人の犠牲で全てが戻るほうがいいと思えてしまうが最善がこれだと思うと心が痛いな。
    彼女がこの世界に現れた事によって事件は沢山起きたが、知り得た感情や隠していた互いの想いが知れたから良かったのかもしれないな。

    「二度と始まることのない終わりまで」
    忘れられた過去を今。
    彼女が居なくなった事によって全てが解決した訳でない事に、彼が気付いて嫌がる彼女に何度も忠告したからこそ守れたのだろうな。
    彼しかタイムリープの事を覚えていないのは、最後のタイムリーパーが彼だったからなのだろうか。

  • 決して明るいわけではないけどハッピーエンドを迎えたなぁと。

    消えてしまっても存在感を放つ千歳先輩が素敵。

    雛美は好きにはなれなかったけど、健気というかいじらしくて、頑張っていたんだね良かったねとなりました。

    失敗を重ねたからこそ、皆でだからこそ迎えられた結末だったと思う。

    1巻を買ってから積んでしまっていましたが、読み始めたら一気に最終巻まで読んでしまった。

  • SF。タイムリープミステリ。シリーズ4作目。最終巻。
    ありがちな展開の最終話から、プロローグ、エピローグで完結。
    確かに、プロローグはこの位置でないといけませんね。
    で、エピローグでもう一工夫。上手くまとめたな~、という印象。

    シリーズを通して
    ・SF設定はそこまで難しくはなく、SFが苦手な人でも大丈夫そう。
    ・雰囲気は基本的に暗い。気楽に読む感じではないかな?
    ・登場人物、特に杵城綜士の後悔や苦悩を濃く描いている。陰気なキャラだった綜士が希望を見出す、青春的な展開が一番の見所?
    ・大きな盛り上がりはなかったと思うけど、シリーズ通して安定して楽しめる、なかなか良い作品でした。
    ・ほろ苦い青春ストーリーが好きな人にオススメ。

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著者プロフィール

2009年に第16回電撃小説大賞選考委員奨励賞を受賞し『蒼空時雨』(メディアワークス文庫)でデビュー。「花鳥風月」シリーズ、「ノーブルチルドレン」シリーズなど、メディアワークス文庫にて人気シリーズを多数刊行するほか「命の後で咲いた花」などの単行本も刊行。講談社タイガでも「君と時計と」シリーズ(全4巻)を刊行。恋愛青春小説の書き手として10代20代女性読者から多くの支持を集めている。

「2021年 『セレストブルーの誓約 市条高校サッカー部』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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