バビロン 2 ―死― (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 215
レビュー : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940313

作品紹介・あらすじ

64人の同時飛び降り自殺――が、超都市圏構想“新域”の長・齋開化(いつき・かいか)による、自死の権利を認める「自殺法」宣言直後に発生!
暴走する齋の行方を追い、東京地検特捜部検事・正崎善(せいざき・ぜん)を筆頭に、法務省・検察庁・警視庁をまたいだ、機密捜査班が組織される。
人々に拡散し始める死への誘惑。鍵を握る“最悪の女”曲世愛(まがせ・あい)がもたらす、さらなる絶望。自殺は罪か、それとも赦しなのか――。

感想・レビュー・書評

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  • 「いつからこの小説が、ただのミステリーだと錯覚していた?」

     この小説の感想を書こうと思ったとき、まずこの言葉は書いておかないといけない、と思いました。いや、もうホントにこれはヤバイ。

     一巻を読み終えた段階で、この小説はヤバイという匂いがしていましたが、二巻に至ってそのヤバさが爆発します。

     そのヤバさの中心にいるのは、もちろん曲世愛。不可思議で邪悪な女、というのは一巻で感じていたのですが、彼女はもはやそんな言葉では収まりません。

     神話の世界にセイレーンという、海に住む化け物がいます。その歌声を聞くと船員は惑わされ、遭難や難破してしまい命を落とすそうです。

     曲世愛は文字通りのセイレーンでした。ミステリの枠を超え、曲世は人の命を喰らい続けます。終盤の絶望感は、もはや言葉では表現できません……

     曲世の陰に隠れがちですが、この巻のテーマである自殺の是非についても色々考えさせられます。この巻のもう一つのハイライトは、自殺法の是非を巡っての討論番組。

     各党の党首が倫理面、経済面などあらゆる側面から自殺法を否定します。しかし、それを凌駕してくるまさかの展開……。この展開を持ってくることができるのも、野崎さんの奇才ぶりを見せつけているように思います。

     もはや化け物と(僕の中では)化した曲世をとめることは可能なのか? そして、曲世と自殺法は世界に何を求めているのか。話は三巻へと続きます。

     

  • ぼろぼろぼろぼろ死んでいく。途中経過はすっ飛ばして彼女の正体さえはっきりしたらそれですっきりしてしまいそう。出生がはっきりしていないので今後背負ってきた影が明かされるという流れなんだろう。なんだろうなんだろこれは気になるぞ☆

  • 前巻よりも面白さ増し増しでした。
    前半の、登場人物が出揃って、これからかな?という感じと、後半の政治家の攻防。
    そしてラスト十数ページの畳み掛けるような衝撃。
    前半の政治家パートが堅苦しく現実的な展開だっただけに最後の曲世愛のターンは非現実的すきて寒気がするほどこの女が恐ろしかったです。
    面白い…これからどうなるのかすごく気になります。主人公大丈夫だろうか……。

  • これは実に目の『毒』だな… 次は9ヶ月後とは待ち遠い…
    私にも囁いて、あの絶妙な死を欲する体験を味わいたいな~なーんてな。。。

  • 『この本はやばい・・・』

    まず第一に、死にたい人は読んではいけません。そして、ちょっと情緒不安定かなぁの人もダメ。強い心を持ってると思い上がっている人もダメ。みんな、死にます。

    とにかくすごい。やばい。ぐっときた。偉そうなことは言いません。この本は確実に人の心に忍び込んで大事な部分を揺さぶります。すぐにじゃないかもしれない、鼻で笑い飛ばす人もいるかもしれない。だけど、死を恐れる心があるのなら、その甘い囁きをはねのけることは出来ない。


    あなたは踏切の前、思い出す。あの芳醇な女の匂いを。そして耳元に蘇る、あの優艷な囁きが。そして、貴方は微笑んで・・・・・・━━━になる。

    本当に怖い本です。読んだらダメ、だけど気になるでしょう。読んだら死んじゃう本だよ・・・なんて。おちゃらけてないと、飲まれてしまいそうで、怖いんです。お化けなんかよりよっぽど怖い。どうか、どこにも飛び込みませんように、私。

  • 飲む劇薬?
    いいえ、これは「読む劇薬」。

    正義と悪、検察官と"悪女"の話。

    恒例のジャケ買い(※運命的出会い)で出会った1冊。
    なぜか私の"引き"がいいのか……価値観をひっくり返す、けれど納得の1冊に出会ってしまった。

    かつて、こんなに絶望する小説が存在しただろうか。

    男をたぶらかしたり、裏切ったり。でも少し可愛げのある…そんなキャラクターとしての"悪女"観は黒く塗り替えられた。

    これぞ本物の"悪"。

    そして作品の重要なテーマとなるのは「自殺」について。
    中盤、1つの新法を巡り、様々な思惑が交錯する展開。
    最初は絶対ダメ!(…やっぱダメだよね?)と思ったけど、話や状況が進んでいくと、
    「……た、確かに、確かに、確かに…ああああ確かにぃぃぃ」
    後半は「確かに」しか口から出てこない!

    そしてラストにかけて…
    恐怖の女「曲世愛」の魔の手が、読者の私の脳をも犯す。

    手が震える。絶望が止まらない。嗚咽。めくりたくない。イヤダイヤダイヤダ。読みたくない。吐きそう。うっ…もうだめ。一旦休憩………これもうあと一文字でも読んだら吐く。ウギャアアアウボロロロロ。もう本ちぎる!ちぎるよ、捨てる!捨ててやる!読みたくないんだからあああああぁもう目も当てられない!!今以上の絶望なんてあるわけない。さすがにフィクションだし救われるよね?!最後は…みーんな幸せになるんだよね?!(白目)誰か…誰か。お願いだから救われて…誰か彼らを救っ………うわあああああ#@☆$%○々→¥€〆〒%◎★いやだやめてお願いだか…ぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!

    苦しい…苦しい……
    ひいいいいなんて作品だこれは……!
    (読む劇薬なんてよく言ったもんだな!)

    直接的な表現を使っているわけではないのに、生々しく伝わってくる「死」と「恐怖」。

    いつのまにか彼に憑依するように、私もこの主人公とともに叫び、鼓動し、絶望し、泣いた……

    そして本当に絶望的なのは…
    この絶望がまだ終わらないってこと…!

  • 齋開化により自殺法が宣言され正崎検事を筆頭に法務省、検察庁、警視庁を跨いだ機密捜査班が組織される。自殺法の是非の討論番組が中継され、それを経て域議選挙が開催される。捜査班と共に正崎と淡々とした事務官の瀬黒が齋を追う中、曲世愛が全てに張り巡らすように暗躍し死に誘惑し、終盤は特にその勢いに飲み込まれた。

  •  正義とは考え続けること、と語った正崎善の見解がラスト最高にブラックな形で跳ね返ってきたときはもう呆然とするしか……。
     このシリーズで初めて野崎まど読んでるんだけどいやもう軽やかに容赦なく死んでく。これどうやって収集つけるつもりなのか。いや、つけるつもりないのか。

  • うっわ……
    ツラい……まさに悪夢……

  • おもしろい。ぐいぐいひきつけられてこの巻も一気読み。
    「絶対に現実では起こらないようなファンタジーもの」はあまり好きじゃない自分にとって、「もしかしたら現実に起こるかもしれない…くらいの世界観」を描く、野崎さんの作品は好きです。
    あと、例の「悪い女」本格的に登場。その女とのやりとり。ラノベっぽいポップ?な感じで個人的にツボ。その中身はとてもグロいのですが…。

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著者プロフィール

2009年『[映]アムリタ』で、『メディアワークス文庫賞』の最初の受賞者となりデビュー。2013年に刊行された『know』(ハヤカワ文庫JA)は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた。その他の作品に『2』(メディアワークス文庫)、『野崎まど劇場』(電撃文庫)などがある。

「2018年 『正解するカド(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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