デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping? (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 93
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940375

作品紹介・あらすじ

祈りの場。フランス西海岸にある古い修道院で生殖可能な一族とスーパ・コンピュータが発見された。施設構造は、ナクチュのものと相似。ヴォッシュ博士は調査に参加し、ハギリを呼び寄せる。 一方、ナクチュの頭脳が再起動。失われていたネットワークの 再構築が開始され、新たにトランスファの存在が明らかになる。 拡大と縮小が織りなす無限。知性が挑発する閃きの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 祈りの場。フランス西海岸にある古い修道院で生殖可能な一族とスーパ・コンピュータが発見された。施設構造は、ナクチュのものと相似。ヴォッシュ博士は調査に参加し、ハギリを呼び寄せる。一方、ナクチュの頭脳が再起動。失われていたネットワークの再構築が開始され、新たにトランスファの存在が明らかになる。拡大と縮小が織りなす無限。知性が挑発する閃きの物語。
    「講談社BOOK倶楽部」より

    今度はフランスが舞台.
    新しいスーパ・コンピュータが発見されて、トランスファというものの存在が登場して、少しずつ話が拡大している.
    ウォーカロンがどんどん人間に近づいていて、境界線はどこにあるのだろいうという疑問をシリーズの初め、というかほかのシリーズから追い続けているけど、今回みたいに直接頭に埋め込まれているチップで意思疎通できたり、身体機能が停止しても再生できるとなると、どこにその差を認めるのかその領域がどんどん限定されていく感じがある.

  • 非常にエキサイティングなトランスファの攻防戦。
    あー、繋がってきたかなと思ったらまた少し離されたような。マガタ博士の導きたい未来はまだ見えない。
    ウグイどんどん可愛くなってるな。アネバネもだが。

  • 人工知能同士の争いに巻き込まれつつ、
    その話を通して、「生命とは何か?」「生きているとはどういうことなのか?」
    といった意味合いのセリフが多くて、
    単純に SF の枠にはとどまりきらない面白さがあった。
    それにしても、スマホばっかり使っていると、
    人間は体を捨ててバーチャルな存在になったほうが、
    よりスマートなのかもね、などと思ったりしてしまった。

  • 銃撃戦に迫力があります。
    森博嗣先生の真骨頂は、主人公の思想と、その「空気感」にあると常々思っていますが、
    こういうアクション的な文章も素晴らしいと思いました。
    まったく、それこを「空気」が違うけど、
    「スカイ・クロラ」シリーズの、空での戦闘シーンを思い出しました。
    あの空中戦の描写も素晴らしかった。
    疾走感があります。
    今回は、その戦闘に、ある「タイムリミット」が設けられます。
    それがまた、物語に躍動感を与えていました。

    それにしても・・・
    「デボラ」は真賀田四季が100%ベースとなっているもの。
    今回、その反対勢力が出現します。
    それは、四季の頭脳をベースとしていないのか・・・?

    森博嗣文学においては四季の頭脳は絶対的なもので、
    「デボラ」は絶対的力を持っていると思っていたので、
    デボラの反対勢力がこれほど力を持っていることに驚きました。
    これから、その勢力とどう対峙するのか? しないのか?

    今回、ほとんど出てきませんでしたが、
    前作で活躍し、日本にやってきた「たなか」とその娘との今後も気になります。

  • Wシリーズ(って言うんだね)の4冊目。
    前作あたりでこの世界に慣れてきて、漸く面白くなってきたところ、今回は再稼働させたナクチュのコンピュータがハギリにアクセスしてきて…という滑り出し。
    『「よくわからない話だ」そうとしか言いようがなかった』という件りがあるが、これまで同様こちらもハギリと一緒に悩み思索しながら付き合う。
    バーチャルな電子空間の中でのコンピュータ同士の勢力争いがリアルな世界と反転しようとする狭間を垣間見せる物語、既にして人工知能が人類の知能を追い越している状況ではあるが、コンピュータが行う思考に対し、人類しか出来ない発想があることも確認する。
    前作にあった“人間の人間的判断”の考察が深められながら、人類にとって人工知能が天使になるか悪魔になるか、お話が深耕されて行く様が興味深い。

    ウグイ、なかなか可愛いぞ。

  • ナクチュの人工頭脳対新しくフランスのお城で発見された人工頭脳の闘い。そこに切り込むハギリ博士の発想力。感覚でしかわからないバーチャル世界と生きることへの哲学的なアプローチ、簡潔な文体ながら奥深い。

  • 人工知能、ウォーカロン、トランスファと、天才科学者たち。
    もう凡人の私には追いつけなくなってきた。
    今回はフランスの古い城から発見されたスーパ・コンピュータを巡っての頭脳戦。
    ハラハラしましたが面白かったです。
    ナクチュのアミラのトランスファであるデボラとともに他のトランスファと戦うが、それについての作中のハギリ博士の思考思案は哲学的でもあり、複雑すぎて自分の中でもいまいち納得のいく答えが見つからない。
    どうしてこうなってしまったのか。
    これはどこまでが、誰の思惑なのか。ゔーん。

    今回もまたエピローグのウグイの可愛さにやられました。

  • ああもう、ほんとこのシリーズ好きだなあ。
    ただなんというか、今までの作品のある種の幻想性というか、浮世離れした感じがこの巻では余り感じられなかった。
    基本登場人物が皆人間離れした知性の持ち主ばかりで、観念的なやりとりをふわふわ楽しむ、という感じだったのだけれど、今回は随分人間味溢れるカウンセラが出てきたり、また展開も序盤からサスペンスフルだったりして、ちょっと異色な感じを受けた。
    それにしてもエピローグが素晴らしい。

  • 著者の提示する現在の延長の近未来、その世界が読者の中で構築できれば面白い。映像化しても伝わりにくいだろう。でも結構アクションものだったな今回。

  • 『もしかして、既に反転しているのではないか』

    Wシリーズ4作目。前作の衝撃的なカミングアウトからのデボラ回としつつ、一貫して人間とウォーカロンの棲み分けという原点に回帰している。人間は演算しない。昔、ウォーカロンの生みの親が、インスピレーションはあくまでシーケンシャルな思考の表出だと言っていたのを思い出す。当該回想は演算か非演算か。

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著者プロフィール

1957年愛知県生まれ。工学博士。
1996年『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。
怜悧で知的な作風で人気を博する。
犀川創平と西之園萌絵の「S&Mシリーズ」瀬在丸紅子の「Vシリーズ」ほか「Xシリーズ」「Gシリーズ」(すべて講談社文庫)などシリーズ作品多数。
講談社タイガ収録の「Wシリーズ」「WWシリーズ」で描かれる未来は、予言的でもある。
エッセィや新書なども数多く執筆。

「2020年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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